セミナーが終わった後、3人の高校生が残ってくれて、小一時間ほど話し込んでしまいました。高校1年生だという彼らの質問や悩みを聴いていると、バンドを始めた頃の自分の記憶が甦ってきて、いろんなことを思い出しました。自分が30年以上も前に考えていたことと、彼らの感覚がそれほど違わない気がして、僕にとっても楽しい時間を過ごせました。
当時…、
たった1人でギターを練習し、いつかバンドをやることを夢みていたこと。
学校にギターを持って行ったことをきっかけに、同級生からバンドに誘われたこと。
初めてみんなで音を出した時にとても感激したこと。
友達の彼女に「ギター持ってるとちょっとカッコ良く見える」と言われたこと。
楽器を持ってないと「ダサイ」と思われていたことに気付いていなかったこと。
初めての学園祭ではとても緊張して演奏したこと。
でも、結局ほとんど曲を完奏できなかったこと。
とてもギターの巧い同級生の存在を知って、刺激を受けたこと。
劣等感と自尊心。
学校の先生達の白い目。
軽音なんて学校に無かったこと。
メンバーの受験など、進路の影響。
メンバーによる、音楽に対する思い入れの違い。
メンバー・チェンジ、そして解散。その喪失感。
音楽雑誌に載せてもらったメンバー募集。
人や音楽との新しい出会い。
次々に発売される新しいエフェクター。
それを手に入れた時の喜び。
弾けなかったフレーズが、いつの間にか弾けるようになっていたこと。
もし、できることなら、いつかプロとして演奏することを夢想していたこと…。
そんなことを思い出しながら、新幹線で東京に帰ってきました(頭の中のBGMはジャニス・イアンの「17歳の頃」です)。広島で出会った彼らが、バンドや音楽をずっと楽しんで欲しいなぁと、心から願っているのです。