2013年2月28日木曜日

秀逸なデザインの自宅用アンプ=CUBE Liteレビュー


先日、発表になった「CUBE Lite」というアンプ。もう発売になっているのでしょうか。レビューもいろいろなサイトで読めるようなので、ここでは個人的な使用感などをまとめて書いてみようと思います。スペックなどは以下のページなどでご確認ください。


ローランドのカタログ・ページ
http://www.roland.co.jp/products/jp/CUBE_Lite/

BARKSのレビュー
http://www.barks.jp/gakki/news/?id=1000086849

CUBE Liteのサウンド
ステレオでサブ・ウーハー搭載の2.1チャンネルのギターアンプ。ギターをつないで鳴らしてみた第一印象は「うわー、ギターアンプの音だ〜」っていう感じです。COSMでモデリングされたクリーンは、JC-120と同様にアタックが強調されたガッツのあるサウンドが再生されます。このCUBE Liteはそのルックスからしてテーブル・トップとして使用することを前提にしているんだと思うのですが、結果的に、音量を下げめに設定できるところが非常にGoodです。リバーブを掛けてレスポールとかを弾くとかなり気持ち良い〜。ずっと弾いていたくなるようなサウンドです。

僕は「Micro CUBE」もとても気に入っていて、家でのリファレンス・アンプとしてずっと使ってきました。ただ、床置きにしていることもあって、近所迷惑になるので夜は音が出せなかったんですね。だけど、これなら大丈夫かも、と思いました。


「CRUNCH」はマイキューの「BRIT COMBO」系の骨太なクランチ・サウンド。「EXTREME」はハイゲイン系としては中域もしっかり鳴るので、ソロとかもガンガン弾きたくなるような音です。3種類だけのモードとコーラス or リバーブだけというシンプルな構成です。

JS-10とはどう違う?
JS-10のサウンドは、内蔵のマルチ・エフェクターがGT-100相当のエンジンを積んでいるので、サウンド的なバリエーションは圧倒的にJS-10の方が多いです。JS-10のスピーカーからの出音は「CDで聴けるような高品位で完成されたギター・サウンド」といった感じでしょうか?


JS-10はエフェクター以外にも様々な機能が盛り込まれていて、これ1台だけで何でもできる「オール・イン・ワン」的な製品です。レコーダー、リズムマシン、セッション機能、フレーズ・トレーナー機能など、ギタリストが欲しい機能は全部入っていると言っても過言ではありません。なので、CUBE Liteとは方向性が違うと書きたいところですが…。

CUBE JAM
IOS用のアプリ「CUBE JAM」が公開されています。「i-CUBE-LINK」ケーブルを使うことによって、CUBE LiteにiPhoneを接続可能。フレーズ・トレーナーやレコーダーのように使うことができるんです。


iTunesに入れている音楽を読み込んで、それに合わせて演奏したり録音したりできるというわけ。しかも、いくつものテイクを録音し最良のものを選んで、それをミックスダウンして、iTunesに戻したり、SNSで共有できたりするんです。さすがに、JS-10のようなセッション用データは入ってませんけどね。


更に、更に…
実は、このCUBE Lite、普通にiPodの中の曲を再生したときのサウンドが結構良いんですよ。定位感(ステレオ感)はあまりないけど、高級なオーディオ、例えばBOSE系のような包み込まれるようなサウンドで、自宅でBGMとかを流しておくのにも結構使えそうです。

更に、このCUBE Liteには「ダイレクト・モード」という機能も搭載されていて、ギターの音をそのままダイレクトにiOSに送ることが出来るんです。つまり、音楽系のiアプリのエフェクトを使用して、CUBE Liteのスピーカーで再生できるんです。iPhoneのCPUを使うのでそれなりにレーテンシーはあるものの、ガレージ・バンドのギターアンプの音が鳴らせてしまうのは面白いですね。


今月の仕事はローランドの発表会やライブ、原稿や録音など、結構、頭の切り替えが難しかったっす。来月も引き続きよろしくです!!

2013年2月20日水曜日

そんなこと知りませんでした


その兆候は去年の年末頃にはあったかもしれない…。

勢いよくカーテンを開閉したり、腕を伸ばして何かを取ろうとしたりすると左肩が「イテテテ」となる状態が時々ありました。それが段々頻繁に起こるようになって…。1ヶ月位前から腕を上側に動かすだけで痛みがでるようになってきてしまったんです。

「ほっとけばその内、直るだろう」

と思っていたのですが、だんだん痛みがでる範囲が広くなってきて、あまり腕が上がらなくなってしまったのです。

「このままではギターのチューニングができなくなってしまう。特にストラトはツライ。」

という心配もあって、ネットで「肩の痛み」などと検索をしてみると、

・何らかの原因で肩の筋肉が炎症を起こしている。安静が必要。

・所謂「50肩」。要リハビリ。

という2つの可能性があるような記述が多数。レントゲンを撮らないと原因はわからない、ということで、仕方無いのでいよいよ病院に行ってきました。病気とかケガにはあまりならないので滅多に病院には行かないんですけどね。

診察の結果・・・50肩!いやだなぁ、病名が特に。orz

ということで、毎日のストレッチと、週に数回のリハビリ(何だか電気のような刺激が与えられる診療)に通っています。なんでも、ある程度の年齢になると5%位の人はこの症状がでるそうです。ここのところちょっと運動不足ぎみだったからかな。でも、結果的にはだんだん快方に向かっているようで一安心です。

あっ、ギターの演奏には全く影響ないのでご心配なく。皆様もお気を付けください。


2013年2月13日水曜日

こんな風に撮影しています


先週は東京と大阪で行われた、ローランドの新製品発表会で演奏してきました。コンパクト3機種に加えて「CUBE Lite」というアンプが今回の僕の担当。いろいろなサイトで動画や音声が公開されているようですね。アンプのレビューも近日中にアップ予定です。

 さて、このブログでも公開しているエフェクターのデモ・ムービー、ご覧頂けたでしょうか?元々はDVDとして楽器店で配布することを前提として制作されていた映像も、新製品が発売される毎に追加され、現在ではローランドのサイトやYou Tubeなどで公開されてきました。生産が完了している製品も含めたらかなりな本数を撮影してるんですよ。今回はこのムービーの撮影時の写真を公開します。


初めてのビデオを撮影したのはもう10年近く前になりますが、撮影場所はずっと同じ、東京にあるローランドのスタジオです。撮影や録音で使う機材は少しずつ変わってきていますけどね。手元の画像を中心にいくつものカメラを同時に使って撮影していきます。

アンプはいつものようにJC-120を2台。ステレオで鳴らし、それぞれをシュアーのSM-57をスピーカーユニットの中心よりもやや外したところにセット。オフマイクはAKGのC3000Bを2本。これはミックス時にほんの少しだけエアー感を足すために使います。JCのツマミ位置は、トーンは全て12時、ボリュームは9時位です。


エフェクターは3機種でしたが、それぞれの良さを更に引き出すために既存のエフェクターと組み合わせました。この仕事に関しては基本的には全て現場処理で、いろいろ試行錯誤しながら音を作り、その音からインスパイアーされたフレーズを録音する、といった手順です。下は試行錯誤ぶりがわかる写真でしょ?


ずっとオケはDR-880を使ってきたのですが、今回はJS-10のバッキング・パターンを使いました。作ったサウンドのマッチングは良かったんじゃないかと、自分では思っています。


マイクやJSのラインはOcta-Capture(オーディオ・インターフェイス)を経由して、PCのSonarに録音。


何テイクか録音しながらベストを選ぶのですが、結局「テイク1」を使うことが多いですね。最初の勢いっていうのが大事なんです。下はプレイバックを聴きながら使うテイクを選ぶの図。


今回はギターを3本使いました。BOSSのビデオでは初めて「レスポール・カスタム」を使ってみましたが、JC−120やDA-2との相性も良かったです。他はいつものストラトとレスポール・スタンダードです。各ギターの詳細を見たい方は上の「My Guitars」のタブ内に簡単な紹介を書いていますので、よかったらどうぞ。


今週と来週はライブの仕事があって、「DA-2」と「TE-2」を使用予定。また、現場で写真を撮ってきてご紹介します。

2013年2月4日月曜日

新世代の歪み系DA-2レビュー

BOSSコンパクト・エフェクターの新作の3機種目、「Adaptive Distortion=DA-2」をご紹介します。


[Adaptive]というのは「適応性のある」という意味なのだそうですが、使ってみると製品のキャラクターをうまく言い表したネーミングだと思いました。例によってまずは音を聴いてみてください。



幅広い音作りが可能
「ディストーション」と名付けられているので、DS-1的な音を想像するかもしれませんが、オーバードライブ系やクランチ系サウンドから過激なハイゲイン・サウンドまでいろいろなサウンドを1台で賄えます。マルチ・エフェクターのように切り替えて使えないのがちょっと残念に思うほど。まずはそれぞれの音の特徴について書いてみます。

ディストーション系
右端の【A.DIST】で歪み量をコントロールします。12時くらいに設定するとリフとリード、どちらにも使えるディストーション・サウンドになります。DS-1系のブーミーで粗めの歪みではなくて、もう少しナチュラルな歪み方が特徴です。従来のディストーションのイメージよりも、ややアンプ的な歪みかな?
また、かなり歪ませてもコードの響きに濁りが出にくいのも特徴的で、テンションコードを含んだボイシングでも気にせず演奏できるのは面白いですよ。


DS-1と並べて写真をとってみました。メタリック感がイイ感じに撮影できないなぁ。

ハイゲイン系
更に上げていくとハイゲイン系の音になります。1台だけで伸びやかなハイゲイン・リード・サウンドとしても使えるのが、これまでのハイゲイン系エフェクターとは異なるところ。個人的には【High】をやや絞ると、ストラトでも充分にファットなリード・プレイが可能です。一方、低音弦リフを刻むようなサウンドに仕上げたい場合は、【Low】と【High】を少し上げて弾くと強烈な存在感のあるサウンドになります。

バンド・アンサンブルの中でテスト
実は昨日、仕事のリハーサルがあったので、スタジオに持って行って使ってみました。ここ数年、ST-2を歪みのメインにしているので、それと比較してみようと思ったんです。ST-2の歪みを10時位に設定したクランチ系のサウンドに、必要に応じて何らかのエフェクターでブーストするのがこれまでの僕のやり方。同様の方法をDA-2でも試してみました。

並べて聞き比べると、DA-2は明らかにアタック感や低域の図太さでは上回ります。なので、タイトな低域特性を持つSD-1をブースターとして使ってみたところ、相性はバッチリ。JC-120でもバンドの中でもサウンドが埋もれない!!
ビデオの最後のフレーズでも確認できるように、ギター側のボリューム操作に対する反応もイイ感じです。


一方、クリーミーで繊細な音のST-2も捨てがたいので、本番はDA-2と両方を採用決定!シングル・コイル系のクランチ&リードはST-2とSD-1、ハムバッカーでがっつりロックな感じの曲はDA-2ということで臨むことにしました。ライブ本番の時に改めてレポートします!


同時発表の2機種のレビューも合わせてご覧下さい。
Tera Echo=TE-2
Multi Overtone=MO-2