2013年8月31日土曜日

続・マーシャルミュージアム・ジャパン 訪問記

前編のレポートはこちら→マーシャルミュージアム・ジャパン 潜入記

この博物館、歴代のマーシャル・アンプを展示している所だと思っていましたが、実は「マーシャル・だけじゃない・ミュージアム」でした。

今回の訪問で最初に弾かせて頂いたのがこのアンプ。ギターアンプの歴史を一気に振り返るような1日。


フェンダーの最初期= 1946年製の「Deluxe」。これがクランチなイイ音でさぁ…。実は1957年の 「Deluxe」のリイシュー・モデルを所有しているのですが、1ボリューム、1トーンのフェンダー・アンプの良い音を知りました。これを参考に自分のアンプも研究してみようっと。


ピンクフロイドのビデオ「ライブ・アット・ポンペイ」にも映っている 「wem」のアンプ。これもクリーンが美しいサウンド。


ギブソンの見るからに古めかしいデザインのアンプ。正にジャズ・トーンを堪能できます。


ジェフ・ベックが70年代中盤頃に弾いていたというストラト。証拠写真も飾ってありました。細身のネックで弾きやすい!


エフェクターのコレクション。MXRやマエストロ、エレハモなど様々なメーカーのものがありました。BOSSのSP-1やGE-10もこんなにキレイな個体は見たこと無いかも…。


更にこんなものまで!


3階に上がると、こ、これは!!超名盤ベック、ボガート&アピスの「ライブ・イン・ジャパン」で使用されていたことで知られている「Univox」の現物がツアーケースごとあるじゃないですか!


さらに、BoogieやFender、VOXなどのアンプが所狭しと並んでいます。60年代から70年代に掛けて生産されていた国産のアンプも多数。Tesco、Guyatone、Ace Tone、Yamaha、などなど。懐かしい!


ローランドのこんなアンプ(SR-808)まで。名品、珍品がザクザクあります。


竹谷館長は「日本の音楽文化が向上することを願っている」と仰います。前回も書きましたが、このミュージアムは「音が出せる」ことが大きな特徴。楽器である以上、サウンドを聴けなければその魅力は半減します。しかし、これだけの機材のメンテナンスを行い、保守していくことは並大抵の情熱ではできないことです。そんなことを帰りの新幹線の中で、楽しかった時間を振り返りながらも考えてました。お住まいの地域によってはこの場所は遠く感じるかもしれません。でも、そのコストと時間を掛ける価値は充分にあると僕が保証します。是非、行ってみてください。

今回、このミュージアムの方々とお知り合いという、広島市南区民文化センターの川本さんと広島市青少年育成センターの内山さんが同行してくださいました。そして、竹谷館長とその息子さん、スタッフの小川さん、EMIさん、皆様のおかげで幸せな時間を過ごせました。本当にありがとうございました!


右から竹谷館長、息子さん、私、内山さん、川本さん、ミュージアム・スタッフの小川さんです。

あー、また行きたいな〜。どなたか企画してくれません?「中野 豊と行く・マーシャル・ミュージアム・ツアー」。ギャラは要りません。交通費だけご負担頂ければOKです、なんてね…。(笑)

2013年8月29日木曜日

マーシャルミュージアム・ジャパン 潜入記

8月26日(月)に山口県柳井市にある「Marshall Museum Japan」に行ってきました。今回はその魅力について詳細にレポートします。数時間滞在しただけなのですが、書きたいことが山ほどあります。最後までお付き合いください。

※「Marshall」は、ロックの歴史の中では欠かせないギターアンプを数多く製作してきたイギリスの楽器メーカーです。

※「Marshall Museum Japan」は2014年5月に山口県田布施町に移転になりました。新しいサイトはこちらになります。

※写真をクリックすると大きな写真が見られます。更にクリックでスライドショー、写真の外側をクリックすると、このブログ画面に戻れます。お試し下さい。

アクセス方法
JR徳山駅から山陽本線で約30分。柳井駅に到着します。駅の階段を上がるともう、今回の目的地の看板が目に入ります。柳井市は岩国と徳山の間にある瀬戸内海にほど近い美しい街です。


ついに到着!
柳井駅から徒歩5分。竹谷館長を始め、スタッフの方々が温かく迎えてくれました。


2階の展示室へ。想像以上に膨大なコレクションに圧倒されます。


かの有名な解説本「The History of Marshall」の表紙になっている68年製「1959」も見えます。右はDeep Purpleのロジャー・グローバーが使用していたというベース・アンプ。


挨拶もそこそこに試奏タイムに突入!

JTM45
マーシャル史上、最初期1962年製のJTM45です。クリーン・サウンドが美しい。というか、どう言葉で表現して良いかわからないくらい、今までに経験したことのないサウンドです。単に「ぶっとい」だけじゃない。いわゆる「コンプレッション感」とも違う、抜群に弾きやすいクリーン・トーンです。(下に見えるのはこれを基にした近年のリイシュー・モデル)


1962 (Bluesbreaker)
クラプトンがギブソン・レスポール・スタンダードと組み合わせて極上のサウンドを作り上げたことで有名なコンボ・アンプです。これは正にそんな1965年製。「ブリッ」としたクランチ・サウンドが心地よい。自分のすぐ目の前で音が鳴っているような、そんな錯覚を感じます。(下の写真はミュージアムのスタッフ、EMIさんに撮影して頂きました。ありがとうございました!)


持ち込んだG-5(VGストラト)をレスポールに設定して弾いてみました。ただ、思っていたよりは歪みはそれほど強くなかったです。歪み系エフェクターと組み合わせると更によさそう。次の機会には試してみたいなぁ。


1917
PA用として製作されたという小型のアンプ・ヘッド。こちらも館長の解説を伺いながらテスト。極上のクランチ・サウンドで、時間を忘れて弾き続けてしまいます。もう、ここに住みたいです。(笑)


マーシャル・ミュージアム・ジャパンを10倍楽しむ為に
今回のレポートにもあるように、このミュージアムは、単に希少なアンプを陳列しているだけでなく、実際に弾いてみることができるんです。防音室に用意された複数のアンプ(随時入れ替えられているようですが)を爆音で試奏できます。試奏用ギターも用意されてはいるのですが、ここは是非、自分の楽器でプレイすることをオススメします。そう、ここはギターの持ち込みが可能なんですよ。普段弾き慣れた自分のギターが、個性豊かなマーシャル・アンプによってどんなサウンドを奏でるか。きっと度肝を抜かれることでしょう。

それから、ある程度マーシャルのアンプの歴史について調べてから訪問するほうが、何倍も楽しめます。シンコー・ミュージック刊の「Marshall Chronicle」には、ここに所蔵されているモデルが詳細な解説とともに多数掲載されています。


その防音室に移ってさらに試奏は続きます。

1959
マーシャルを代表するスタック・モデル、100Wの1973年製「1959 Super Lead」です。今までにも1959は別の場所で何度が使ったことがありますが、この個体は音がデカイ割りには耳に痛くないサウンド、さすがヴィンテージ・モデルです。モデル名は年代とは関係無く、50W仕様のものは「1987」と呼ばれます。


2203
マスター・ボリューム仕様の「2203」。「JCM800」シリーズに移行する前のモデルで78年製とのこと。今回、初めて弾きました。


「1959」系のドライブ・サウンドのまま、レベル・コントロールが可能なのが意外でした。近年(といっても10年〜20年前のモデルですが…)の「JCM900」や「JCM2000」のようなマスター・ボリューム・タイプのモデル場合は、音量によって音色がかなり変化するのに対して、音量を下げてもサウンドがあまり変わらないので、きっとライブでも使いやすいでしょう。ビデオを撮ったので見てみて下さい。(デジカメのマイクでの収音なので、実際よりもコンプ感が強めに聞こえます)



JTM100 P.A.
ここで館長が見慣れない貴重なモデルを持ってきて下さいました。


1965年製のPA用モデルなのだそうですが、これが何と!The Whoのピート・タウンゼンドが使用していたアンプ。まずは普通にクリーンに設定してテスト。強めに弾くと心地よいコンプレッション感と若干のクランチ感が得られます。これもビデオで確認してみてください。(これもちょっとカメラのマイク側で歪んでいます)


更に、リンク接続することで100Wとして動作するそうです。各ツマミでバランスを変えられますし、歪ませることもできます。


その経験が自分を変える
良い音ってなんでしょう?自分にとって心地良い音でしょう?それを見つけるために様々な楽器を試している方も多いでしょう。

一方、普通の人にとって、ヴィンテージのマーシャルの音が好きでも、それを購入して、日常的にそれを使うことはコスト的にも環境的にも難しいですよね。(そもそも買おうと思っても滅多に売ってません)

実は、「自分にとって好きな音を見つけること」、「それを経験として覚えておくこと」は、ギタリストにとって、とても重要なことなんです。もし、それがわかったなら、あとはそのイメージに自分の所有している楽器を使って近づけていけば良いのですから。勿論、必要なら別の機材を試すことだって楽しい作業になるはずです。

僕自身も家に帰ってきてから、Micro CUBE GXで演奏する時でさえ音の聞こえ方が変わり、そして設定方法やプレイそのものも変わったのではないかと感じています。「自分にとっての良い音を知る」ということが、「良い音を得る」ための最良の手段であり、このミュージアムは誰でもそんな経験を得られる貴重な場所なのではないかと思いました。

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長文、読んで頂いてありがとうございました!って、まだまだ終わりじゃないんですよ、これがっ。次回に続きます。

続きはこちら→「続・マーシャルミュージアム・ジャパン訪問記

2013年8月27日火曜日

徳山に行ってきたよ

実はここ数日で書きたいこと、書かねばならぬことが山積しています。今週はいつもより多めに更新する予定です。

エフェクターセミナー in 徳山

8月25日(日)に、山口県の徳山にある楽器店「ポップス川上 ロック館」にてセミナーを行ってきました。当日は中国地方は荒れ模様の天候で、各交通機関にも少なからず影響があったようです。僕の乗った新幹線も途中でもの凄い雨に遭遇。ご覧のように水中を走っているかのようです。


先行する列車は運転見合わせなどもあったようで、最大1時間の遅れとの情報も。まあ、ジタバタしても始まらないので、コーヒーとiPodでノンビリと過ごします。幸いにも5分遅れ程度で徳山に到着。


このイベントに関する告知をTwitterでも行わなかったのは、すでに予約で満席になってしまっていたから。多くの方にご来場頂きました。雨の中、ありがとうございました!

実はDA-2やMO-2、TE-2というニュー・モデルも含めたショップ・イベントは初めてのこと。当日は中高生も多かったので、サウンド・メイキングの基礎から特殊な使い方まで、やや予定時間をオーバーし、盛りだくさんの内容になってしまいましたが、楽しんで頂けたようです。


終演後にお店のスタッフの方々と記念撮影。恥ずかしながら色紙にサインなどもさせて頂きました。手に持っていただいている「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック」は決して僕が強制したわけではありません。皆さん何て優しいんでしょ。またお会いできるのを楽しみにしています。


この日泊まったのは…

当日はホテル ルートインに宿泊。よく見掛ける値段も手頃なビジネス・ホテル・チェーンですが、僕自身は初めて利用しました。部屋もキレイだし大浴場もあります。(入ってみたら中浴場くらいの大きさでしたが…)


朝食バイキングも、この手のホテルとしては料理の種類も多くて美味しかったですよ。


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山口県に来たら行ってみたいと思っていた所がありました。そこは全てのギタリストにとっての聖地のような場所 =「マーシャルミュージアムジャパン」。年内には、と思って計画していたのですが、仕事を絡めて訪問することができました。次回のエントリーで詳細な潜入レポートを書くつもり。ご期待ください!


2013年8月22日木曜日

CUBE-80GX私的レビュー

いよいよ発売されるローランドのギターアンプ・CUBE-80GX。新しいCUBEシリーズのフラッグ・シップ・モデルということで期待している方も多いと思います。何はともあれ、ビデオでサウンドを確認してみてください。今回も手元だけしか映っていませんが…。



カタログ・ページはこちらへ

そのサウンドについて
前半部はその場でチョイチョイとサウンドを作り、その音色にインスパイアーされたフレーズをラフに録音しています。自分でプレイしていて書くのも何ですが、録音されたサウンドを家で確認したときは、そのサウンドのあまり良さにビックリ!


ご覧頂ける通り、今回は6本ものギターを持って行って、それぞれのアンプタイプに合わせて楽器をセレクト。思った通りのサウンドがすぐ得られたので、作業はとても楽しかった!シンプルなアンプですが、多彩なアンプ・モードによって、幅広いスタイルに対応可能ということですね。


収録はオンマイクのShure SM-57が基本。音色によってはエアー用にステレオで立てたAKG C-3000Bをほんのわずかだけ足しました。EQ処理はほとんど行っていません。


サウンド作りのコツ
CUBE−80GXはデジタル・アンプなのですが、モデリングされたモードでは、実際のモデルと同様のコントロールが可能。トーン・コントロールはヴィンテージ系(フェンダー、ヴォックス、マーシャルのモデリング)ではGAIN(歪み回路)の前に設定され、ハイゲイン系のアンプ・タイプではポストEQとして動作します。前者のモードはツマミを上げていくと歪みの量が変化しますし、ある程度歪んだ状態で、[BASS]を上げて低音弦を弾いたときの潰れ感を演出することまでも可能です。後者は歪みの量を変えずに各帯域をコントロールできます。以上のことを意識することで、だんだん操作に慣れていきますので、是非、覚えておいてください。


ビデオの最後の方に収録されている楽曲のギターパートも全てCUBE-80GXだけを使用して、撮影しながらその場で録音しています。あまりに簡単に音作りができるので、短時間で作業が完了してしまいました。

搭載エフェクター
エフェクト類はCUBEシリーズではお馴染みのもの。ツマミ1つだけでの操作は細かい設定には向きませんが、素早く目的のサウンドに簡単にアクセスできるところがミソ。特にモジュレーション系は、コーラス、フェイザー、トレモロなどのように、曲によって使いたいエフェクトをすぐに掛けられるところが個人的には大変気に入ってます。ディレイとリバーブは同時に使用可能です。

それぞれのチャンネル切り替えやエフェクターの切り替えは、これまでのFSシリーズに加え、GA-FCを使用可能です。エクスプレッション・ペダルも含め、足元をスッキリとまとめられます。


CUBE-80GX、オススメの使用法
CUBEシリーズはライブハウス・クラスの会場でのセッションでも大活躍します。大音量が得られるアンプとしては非常に軽量なので、気軽に現場に持ち込めます。クリーン・チャンネル(JC CLEAN)、リード・チャンネルに加え、任意の設定を丸ごとメモリーできる「SOLO」チャンネルも搭載しているので、セットリストにいろいろなスタイルの楽曲が並んでいてもバッチリ対応できますね。

前段にブースターを1個加えて更なるバリエーションを楽しむのもあり。[TWEED]や[CLASSIC]などとミッド・ブースター系のFB-2を組み合わせたサウンドもなかなかグッドでした。

CUBE JAMというiPhoneアプリを使うと、録音や耳コピなどが便利に行えます。付属のケーブルをiCUBE LINK端子と接続するだけ。ライブだけでなく、家でも楽しめるという寸法です。


非常に完成度の高いアンプに仕上がっているので、是非、楽器店で試奏してみてくださいね!

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来週は個人的にちょっと楽しみにしていることがあるんです。このブログも何度かに分けて更新する予定。ご期待下さい!

2013年8月14日水曜日

魅惑のBOSSグッズ

8月10日から9月30日まで、BOSSのキャンペーンがあるそうです。期間中にコンパクト・シリーズの「Tera Echo」=TE-2を購入すると、なんと、TE-2型のミニチュア時計が貰えます。しかも、最初の100台は先着順!!今日(8月14日)ならまだ間に合うかもしれませんね。それ以降は抽選で800台プレゼントされるそうです。こりゃ僕も欲しい!


キャンペーンについて詳しくはこちら

また、TE-2の私的レビュー記事はこちらをご覧下さい。


さて、そのTE-2のミニチュア・クロック、現物を見ていないのでどんな質感なのかはわからないのですが、以前に頂いた同型の時計が2台あったので、それを見ながら想像してみましょう。

最初はOD-3型。箱までキッチリと再現しています。さすが。


箱を開けたところ。


フットスイッチの部分が時計になっている。


こちらはBD-2型。


上のOD-3のものとは製作された時期が異なり、「10 MILLION」のロゴが入っています。他にもMT-2やOD-1、FZ-5型に加え、腕時計型もありました。


※「10 MILLION」・・・ボスのコンパクト・エフェクターの販売累計が1000万台を突破したときのキャンペーン。(2007年)因みに今回のキャンペーンは100機種目のモデルであるTE-2の発売を記念したもの。

実はこの2台、大きさが異なります。今回はどちらの大きさなんでしょうね。


これまでにも非常に多くのBOSSグッズが作られているのですが、その中で僕が所有しているものをいくつかご紹介しましょう。

ボス・コンパクトを模したグッズで大ヒットになった携帯ストラップ。こちらは最初はキャンペーン・グッズだったのですが、あまりの人気で楽器店で有料販売されていた時期もあります。


下は初期型のストラップ。残念ながらつまみが取れてしまっていますが、手作り感があってかわいかった。


このように、見ているだけでも楽しくなるグッズに加え、実際に使って便利なものも沢山ありました。今回は写真が多いので、どんどんいきますよ~。これは現在も愛用中のピックケース。


コンパクト・エフェクター用のハードケース。



ということになっていますが、僕はライブ時のカポやスライド・バーなどの小物入れとして使っています。


ちょっと変わったものも見て頂きましょう。これはペンライトと思いきや…。


ライトを付けるとこんな感じ。これも「10 MILLION」キャンペーン時のグッズ。


極めつけはこれ。ハンディタイプの扇風機のように見えますが…。


映像をご覧下さい。(音が少し出ます)


「BOSS FAN」は「扇風機」と「ファン=愛好家」に掛けてるんですね、きっと。猛暑の中、扇風機としての効果はほとんど無いのは残念ではありますが、BOSSの遊び心にはいつもニヤリとさせられます。