2013年7月1日月曜日

ありがとう!Tokyo Guitar Show 2013

東京ギター・ショー2013、無事に終了致しました。毎回多くの方にご来場頂いているのですが、特に今年は凄かったですね。楽器や音楽を愛する皆さんの思いがヒシヒシと伝わる、そんな楽しいイベントになりました。ありがとう御座いました!


ロバート・マルセロ
マルセロには久しぶりに会いました。相変わらずもの凄いテクニックなんですが、以前より更に幅広いスタイルを吸収して凄みが出てきたような。リニューアルされたCUBEシリーズを使って、ロックの名曲のフレーズを織り交ぜながら、多彩なサウンドを聴かせてくれました。写真はちょっと小さくてわかりにくいけど、それくらい当日はお客さんで一杯だったということです。


陽気で80年代のロックが大好きなマルセロは、普段もメチャクチャいい奴です。何度もスイープ・ピッキングのやり方を教えてくれるのだけど、僕は未だにできないまま。少しくらいはできるように練習しようと思う反面、他にもできないことが多すぎて、やるべきことも多すぎです。頑張らないと、ですね。

人伝に聞いた話では「ナカノさんはシャイね〜」と思われているらしいが、ロバート、それ違うから。「オレの英語力の問題です」。

出演バンドから刺激を受ける
若いバンドの皆さんから学ぶべきことも多かったですね。「快進のICHIGEKI」、「Gacharic Spin」、「FLiP」と、今年は3バンドが出演しましたが、どのバンドもステージに臨む姿勢が真剣そのもの。もう、歌や楽器の演奏が巧いのは当たり前で、凝った演出やお客さんの煽り方もスゴイ。まあ、僕にはとても真似できませんが、姿勢だけは失わないように心掛けようと思います。

今回参加のギタリスト4人で写真を撮りました。左からV-GuitarやJS-10のデモなどを担当した山口和也君、快進のICHIGEKI_久雄さん、SONAR X2の担当、関秀樹君、そして私です。今年の出演者の中では僕がダントツの年長者。みんな若くてカッコいいね。一緒に写真を撮ってくれてありがとう!


で、今年の私の出し物は?
前回のエントリーで書いた通り、コンパクト・エフェクターを組み合わせて、様々なサウンドを聴いて頂きました。今年、発売されたDA-2、MO-2、TE-2に加えて、FB-2、PS-6、CS-3、PH-3を組み合わせて音を作ってみたんですけど、本当にいろいろなサウンドが得られるので自分でもぶったまげましたよ。当日、お聴かせできなかった方々にも、何らかの手段で是非聴いて頂きたいと思っています。ご期待ください。


いつもながら、客席の皆様がとても暖かく聴いてくださるので、気持ち良くプレイすることができました。本当に感謝しています。機会があれば是非また聴きに来てください!


試奏コーナー
人が演奏しているのを見ると自分でも楽器を弾きたくなるでしょ?このイベントはその欲求を満たしてくれます。ギターやエフェクター、アンプなどのRoland/BOSSのギター関連製品からV-Drumまで試奏できるんですから。真の主役は来場していただいた皆さんです。


一新されたギターアンプのCUBEシリーズも、間も無く発売が開始される予定です。僕も試奏させて頂いているので、近日中にこのブログでレビューします。

当日は、BOSSのコンパクト・エフェクターが100機種目を超えたということを記念して、歴代のヴィンテージ・モデルも展示されていました。ラッキーなことにほぼ全機種を弾いたことがあるので、そんなこともいずれ書いてみようと思います。


再会の日
僕にとっては、いろいろな方との出会いや再会もあった今回のイベントなんですが、高校生の時にギターを教えて頂いていた永井充男先生が会場にいらしてビックリ!約25年ぶりに再会しました。何より、僕のことを覚えていてくださったことに感激しました。当時のことは以前のエントリーに書いているので、よかったら読んでみてください。(楽器を教わるということ

アピール、アピール!
最終日の演奏も終わり、リハも含めて3日間を過ごしたベルサール渋谷ガーデンから、楽しかったいろいろなことを思い出しながら、ギターケースを背中に担いで帰路につきました。「エフェクターが面白いってことはアピールできたかな?」なんてことを考えながら。で、渋谷の街中や地下鉄の中で、「自分が中野豊である」ということをアピールして歩いていたことに気が付いたのは、それから1時間後の京葉線新木場駅のホームでのことだったのです。(笑)


2013年6月27日木曜日

TGS 2013 準備完了!

いよいよ、今週末の6月29日(土)&30日(日)の両日に「TOKYO GUITAR SHOW 2013」が開催されます。場所は昨年と同じ「ベルサール渋谷ガーデン」。

改めて告知です。

日時:2013年6月29日(土) 10:30~19:00/6月30日(日) 10:30~17:00
会場:ベルサール渋谷ガーデン イベントホール
東京都渋谷区南平台16-17 住友不動産渋谷ガーデンタワー1F・B1

僕の出番は土曜日は13:00と17:00〜、日曜日は13:00〜です。今年は多彩な出演者が予定されているので、例年にも増して盛り上がりそうな気配。僕自身も楽しみにしています。

一昨年、昨年に引き続きコンパクト・エフェクターの組み合わせ例をご紹介します。ですが、今回はニューモデルが3機種発売されましたし、昨年とは全く違う内容を予定しています。当日はハイクオリティなサウンドをお聴かせするつもり。ハッキリ言って自信ありです。是非、聴きに来て下さい!!

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そんなわけで自宅では「CUBE Lite」を使っていろいろと実験しています。このアンプの「JC Clean」の音は本物の「JC-120」とそっくりなんですよ。家で作ったサウンドがスタジオでも同じように鳴るので、普段ライブやリハなどでJC-120を常用している人には、リファレンス・アンプとしてもオススメです。


TGSは僕自身、6回目の出演になります。去年と一昨年はこのブログでも書きました。

去年の「TGS 2012」についてはこちら
一昨年の「TGS 2011」はこちらから

僕にとって初めてのTGSは2008年、その時はGT-10の担当でした。そうそう、この素晴らしいマルチ・エフェクターの登場で、これ以降のライブの仕事もGT-10をメインに使うようになったんだった。


そして、毎年頂いているバックステージ・パス。今年も頑張ります!!


2013年5月25日土曜日

タカミネ復活!

「タカミネ」というのは高峰楽器製作所のギター・ブランド名。僕が所有しているタカミネのエレアコ=「PT-108」はギターケースにしまったまま長年ほったらかし状態でした。昨年、「久しぶりに引っ張りだして弾いてみたら結構良かったので、弦を張り替えてチューニングをした」というところまでは「My Guitars」内に書いていたのですが、再びライブで使い始めています。


このギター、ペグの頭の部分(ペグボタンというらしい)がプラスティック製で、5弦用のものにはうっすらとひびが入っているように見えていたんですが、遂に割れてしまいチューニングができなくなってしまいました。


そこで、代替えのパーツは無いものかとネットでいろいろ調べてみるうちに、素敵な木製のペグボタンを発見。さっそく注文してみました。到着するまでのワクワク感が堪りません。


結果はネジのサイズが合わずNG。「古いモデルの場合、装着出来ない場合がある」と注意書きがあったので完全に自己責任です。ペグボタンのネジ穴にもいろいろなサイズがあるとは知りませんでした。高級感があってイイ感じなんだけどなぁ。残念…。

試しにPRSのCustom24のペグを外して付けてみたら何とピッタリ。その情報を元に、ギターにメチャクチャ詳しい古くからの友人に助けを求めたところ、たまたま同じサイズのペグが余っているということで譲って頂きました。


6個全てを金属製のボタンに変更すると、質量がかなり変わってしまうので、低音弦側のボタン部だけを交換。無事に使用可能になりました。見た目のバランスの悪さは気にしないことにします。


アコギ用プリアンプ=BOSS AD-8との相性もバッチリ。このギターのような普通のピエゾ・タイプのピックアップ搭載のギターとの組み合わせは特にオススメです。エレガットのPT-307も併用しているので、別々の設定をメモリーし、切り替えて使用しています。


ツアーに機材を持って行くと、ケースはかなりボロボロになりますが、このギターのケースも見ての通り。飛行機に乗る時に手荷物に付けられるタグの残骸も沢山残っていました。現在のテープ形状のものとは違い、こんな紐付きのタグが付けられていたことを思い出しました。意図的に残していたわけではないんですけど。


メンテナンスが必要なのは楽器も体も一緒ということですね。どちらも大事に使っていきましょう。

2013年5月19日日曜日

ギタリストのための五十肩対策


まずは、ずっと告知し忘れていたことについて。BOSSのマルチ・エフェクターでME-25というモデルがあります。で、このME-25を使用して、国内のアーティスト6組の代表曲(CharさんからScandalまで)のイントロ部分をコピーして演奏したデータを作成しました。BOSSサイト内の「Tone Room」というページでサンプル・サウンドを聴いて頂けます。(勿論、無料!)ME-25の実力を思い知ってくださいっていうか、僕自身が思い知らされました。この音を録音した時のパッチもダウンロードできるようになっています。是非!


クリックで当該サイトへ行けます

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五十肩その後

前にも1度書いているのですが、その後の経過など…。病院のリハビリに通い始めて4ヶ月。かなり回復してきていて、腕の可動範囲も広くなってきています。仕事に影響してもいけないし、自分自身が心配になるので、ここには敢えて書かないようにしてきました。僕自身も病名さえも知らずに「肩の痛み」でネット検索して初めて知ったことではありますが、40代以上の20人に1人が掛かる病気ということなので、今だから書けるその経過についてまとめてみます。参考にしていただければと思います。

その原因
病院の先生曰く、原因はわからないそうです。レントゲンを撮るのも、他の病気が無ければ「五十肩であろう」ということみたいです。ただ、自分自身では「楽器を弾く」、「パソコンに向かう」など、姿勢が悪い状態を続けていたことが悪化した原因になっているような気がしています。

その症状
一定の範囲を超えて腕を動かすと激痛が走りますが、普段の生活では特に痛みはありません。ただ、そのまま放置していると、腕の可動域(僕の場合は左腕)が狭くなり、そのまま、腕が上がらなくなってしまうそうです。1番ツラかったのは睡眠が妨げられること。寝返りをうつと腕の置き場が可動域を超えてしまい、痛みで目が覚めてしまうのです。睡眠時間が充分に取れないことがストレスになりました。

ギターを演奏するだけなら全く問題無かったのですが、何点か不具合を感じることも。例えば、ギターを持ち替える場合。2本のギタースタンドを使って1本づつ持ち替えれば右手だけで交換できますが、左手でギターを持ったまま、右手でギターを掴んでしまうのがクセになっているので、「イテテテ」となります。チューニングもツライ。ほぼ真横に腕を上げないとならないし、フェンダーのようにペグ(糸巻き)が6本とも上部についているギターだと特に。2月頃のライブでは、ヘッド側をかなり下げてチューニングしていたので、カッコワルカッタでしょうね。


ライブ中の最大の恐怖は終演直後のこと。演奏が終わってメンバー全員が前1列に並んで挨拶するじゃないですか。手をつないで一気に左手を持ち上げられたら、きっとその場でうずくまってしまうでしょう。なので、左手がフリーになる左端のポジションを死守してました。(笑)

その治療法
以前に書いたように、電気治療が基本です。平均で週に2回位通ってました。痛みも引き、可動範囲も元に戻りつつあるので、効果はあったのではないでしょうか。加えて自宅でも懸命にストレッチをすることを心掛けました。自転車だと肩は動かせないので、今は500mlの水のペットボトルを手に、毎日ウォーキングをするようにしています。今回のことで、腕というのは実にいろいろな方向に動くようにできているものだと改めて感心しましたよ。

ミュージシャンといえども普通の人間です。図書館で借りて読んだ大槻ケンヂ氏の対談集「40代、職業・ロックミュージシャン」にもいろいろな人の努力や苦悩が描かれていて共感できました。加齢で音域が狭くなるヴォーカリストや、体力をより必要とされるドラマーは特に大変そうです。ミック・ジャガーやピート・タウンゼンドはやっぱりスゴイ!ってことを改めて思い知らされた、そんな4ヶ月間でした。

2013年5月15日水曜日

近況報告と告知です


ご無沙汰しています。ブログって続けて書いてないとダメですね。間が空いてしまうと書きたいことが溜まってしまい、まとめにくくなってしまうことがよくわかりました。みんなこんな感じでフェード・アウトしちゃうんだろうな−、と思いつつ、僕自身はしつこくマイペースで今後も書いていくつもりなので、お付き合い頂けたら幸いです。

まずは今後のスケジュールなどの告知などをさせていただきます。

The EFFECTOR BOOK Vol.20

5月31日に発売される「エフェクター・ブック」に原稿を書かせて頂きました。

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[特集1]
Essential of OVERDRIVE~オーヴァードライヴを極める!~ 
■Shun Nokinaインタビュー
■VEMURAM Custom Guitar Pedalsインタビュー
■注目のビルダー10人に訊くドライヴ・ペダルの現在 
■中野 豊直伝!歪みサウンド作りの方法論 
■歪み回路のエポック・メイキング 
■[実験]9V電池で音は変るのか? 
■オーヴァードライヴなアルバム100選 
■安価なビギナー・モデルを実力診断する etc. 

今回の特集1は「オーヴァードライヴ」がテーマということで、歪み系の基礎からアンプによるサウンドの違いなどを中心に解説しています。BOSS以外のエフェクターについてもいろいろ書いてみました。因みにBOSSは「オーバードライブ」表記ですが、シンコーさんは「オーヴァードライヴ」で統一しているようですね。

Amazonでも予約を受け付けています。こちらからどうぞ。

プロフェッショナル・エフェクター・テクニック」の方も引き続きよろしくお願いします。


TOKYO GUITAR SHOW 2013

今年も開催される東京ギターショー。今回も出演させていただくことになりました。手帳で調べてみたら2008年から数えて6回目。ありがたいな〜。会場は昨年に引き続きベルサール渋谷ガーデンです。

僕の担当は今回もコンパクト・エフェクターのご紹介になりそうですが、DA-2、TE-2、MO-2という新製品もありますし、「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック」執筆で発見した面白サウンドの再現も含め、見所満載の内容を予定しています。他の出演者も多彩なラインナップ。僕自身も観るのを楽しみにしています。是非お越し下さい!

日時:2013年6月29日(土) 10:30~19:00/6月30日(日) 10:30~17:00
会場:ベルサール渋谷ガーデン イベントホール
東京都渋谷区南平台16-17 住友不動産渋谷ガーデンタワー1F・B1

詳しくはこちらから。


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ってなわけで、先週までは原稿書いたり、ライブだったり、セミナーだったり。浜松に行ったり、新潟に行ったりとか、忙しくしてました。今週に入ってからは仕事は一段落。ブログの更新も、どんどんしていきたいと心の中では思っています。今後もよろしくです。

2013年4月16日火曜日

いろいろ実験中


最近は、何かしらやらなければならないことはあるものの、比較的時間に余裕があるので、機材関係のテストを集中して行っています。先日購入したテレキャスも含めてスタジオに持ち込んで、いろいろな組み合わせを試しているんですが、それがもう面白くて!まずは先週の金曜日に市川市行徳にある「Wildflower Studio」を予約して爆音で弾いてきました。この日に持って行ったギターは「新テレキャスター」とローランド「G-5」の2本。


テレキャスターで新たに判明したこと
まずは、テレキャスをマーシャル「JCM-2000DSL」に直刺しして「ガキーン」と弾いてみました。

「もう、気持ちいいッス!」

家で弾くのとは勿論違う音圧にウットリ。ハイもしっかり鳴る感じなのにうるさく無い。今時のロックなサウンドではやっぱりなくて、もう少し繊細なプレイに向いているギターかもしれません。そこで、いろいろタッチを変えたり、ボリューム操作をしたりして…。

「ん?」

ボリュームを絞ると低域がタイトになる感じ。前回の記事でヴィンテージのテレキャスのサーキットにはいろいろな種類があることをご紹介しましたが、このギターはサーキット自体はモダンな仕様。まさかと思って中を開けてみると…。


はい、ありました。ボリュームに付いている小さな丸い部品。(左側の茶色)これが、ボリュームを絞ったときにローカットが効くように装着されたコンデンサーです。低域は小さい音量で弾いているとわかりにくいところもありますが、不覚にも家で弾いている時には気付かなかったのです。前回、あんなに偉そうに書いていたのに…。申し訳ありません。で、僕には不要な仕様なので速攻で排除。(因みにこのパーツがあってもなくても、ギター側のボリュームがフルの時はサウンドの変化はありません)フェンダーのUSのサイトでは回路図が公開されていて、それを見る限りこのような仕様のギターはラインナップ上には無いように見えるんですけどね。(全部は見てませんが)カスタム・ショップ製だからでしょうか。


オーバードライブ弾き比べ
最近、入手したものも含めて弾き比べ。スタジオで用意して頂いたアンプは3台。「Roland JC-120」と「Marshall JCM-2000DSL」と「Fender Deluxe Reverb」。


今回持って行ったエフェクターは以下の通り。
・Fulltone OCD
・Mad Professor 「Sweet Honey Overdrive」(以下SHOD)
・Ibanez 「TS-9」
・tanabe.tv「禅駆動」(これは借り物ですが)
・BOSS「SD-1」
・BOSS「DA-2」
・BOSS「ST-2」


この中で特に面白かったのが「SHOD」。今まで弾いたことのある、どの歪み系エフェクターとも違う質感です。「ケンタウルス」と似ているという噂もあるようですが、アタック感はもっとソフトな印象で、僕にはちょっと違う感じに思えました。単体で弾くとどうってこと無い音色なんですが、他の歪み系と組み合わせたり、アンプを歪ませてブースターとして使うとちょっとナイスな感じです。

そんなわけで、4月14日(日)には仕事のリハでもこれを持って行って使ってみました。ST-2やDA-2をブーストするような使い方をテスト。うーん、これ結構イイかも。今週予定されているライブでも使ってみます。


他のモデルに関しては、細かくレビューを書くともの凄〜く長文になってしまうので、別の機会に個別に公開したいと思います。

もっと時間が欲しい!
話は戻りますが、金曜日のスタジオ時間は全く休憩無しで弾いていたのにもかかわらず、気が付くと予定の時間がもう目前。全然足りず1時間延長してしまいました。それでも、予定していた組み合わせ実験などが消化できず、4月15日(月)に改めてスタジオ入り。今回はODだけじゃなくて、ディストーション系も含めてテスト。この日はSGとストラトを持って行きました。


とても有意義で楽しい時間を過ごせました。スタジオのオーナーの方にもとても親切にして頂けてありがたかったです。

そんなことを踏まえ、今週から来週に掛けてはライブや原稿書きにいそしむ予定です。

2013年4月5日金曜日

テレキャスター・コンプレックス

以前からフェンダーUSA製のテレキャスターを所有していないことで、

「自分にはこのギターについて語る資格はないな~」

と残念に思っていたんですが、遂に購入してしまいました。購入前にいろいろ悩んだり、購入時に多くの楽器の試奏できたのも、自分にとって楽しい時間となりました。

まずは資料を調べてみることから。ストラトに比べるとテレキャス関係の書籍って少ないんですけど、シンコー・ミュージックの「テレキャスター・オーソリティ」っていう本がかなり参考になりました。テレキャスターというギターに対する誤解がいくつかあると思うのですが、この本でわかったことをまとめてみましょう。



テレキャスターに対してのよくある誤解

「誤解1」・・・テレキャスターはシャキシャキとしたカッティング向きのギターである

これは70年代のテレキャスターのイメージが強い人にありがちな誤解です。テレキャスは1969年にサーキットの仕様に変更があり、ターン数が大幅に減らされた上、ボリューム・ポットの値が「250kΩ」から一気に「1MΩ」に置き換えられたことによるものなのだそうです。後述するように、テレキャスターのサウンドは本来的には無骨なサウンドが特徴のギターと言えそうです。

「誤解2」・・・ボリュームを絞るとハイパスが効き、タイトなサウンドになる

これも1969年から70年代後半までの仕様。80年代以降は廃止されます。因みに同様の回路はPRSの「Custom 24」にも採用されています。僕のPRSはコンデンサーを外してしまいましたが。

「誤解3」・・・テレキャスターは1ボリューム、1トーンである

ストラトのサーキットが基本的には一環して同じ仕様であったのに対し、テレキャスは年代により様々な仕様が存在したらしい。「モダン」な回路は1967年以降のもので、それ以前は2つのピックアップのミックスができないものや、レスポールのようにバランスがとれるものもあったそうです。

テレキャスに関する私的レビュー

今回、沢山のテレキャスを試奏させて頂きました。そんな中でわかったことをまとめてみます。但し、本物のビンテージを弾いた経験はないので、あくまでカスタム・ショップ製だけの私的なレビューですけど。

テレキャスは大きく分けるとキャラクターが3種類程度に分けられると思いました。

1.後期型(67年~70年代)
これは前述の通りです。ストレートな70年代リイシューはほとんど無い一方、ハムバッカー搭載のカスタム、デラックス、シンラインなどのモデルは現在でも数多く生産されています。が、今回はパス。

2.中期型(59年~66年)
ローズ指板の仕様で、最近のロック系(特に日本)のアーティストが使用しているのをよく見掛けます。バインディング付きアルダー・ボディーの「カスタム・テレ」も有名ですね。サウンドはジャキジャキ、ガキガキとしたアタックに金属的な響きがミックスされたようなサウンドです。音を歪ませた時にも芯がしっかり残るので、ロック系のギタリストに好まれるのでは?試奏を行うまではこのタイプのものを購入するつもりでした。

3.初期型(51年~58年)
アッシュ・ボディ、メイプル指板の最もテレキャスらしいルックスのモデルですね。サウンドは「2」と全く異なります。ロック的な芯のあるサウンドではなくてもっと「木の感触」が強いパキパキ、コリコリとした独特の音です。54年までのモデルはサドルがブラス製なのが特徴です。


候補に残った4本の写真。左から、A.マスター・ビルダーのシェリル・クロウ・モデル、B.カスタム・ショップ製のアメリカン・デラックス、C.ローズ指板仕様の59年製レリック、D.51年仕様のノーキャスター・リイシュー。どれも素晴らしい!

で、今回買ったのは…

写真の1番右のモデルを購入しました。ブロードキャスターからテレキャスターに至る過程のいわゆる、51年製「ノーキャスター」と言われるモデルのレリック・リイシューです。驚くほど軽いアッシュ・ボディに極太のネックが搭載されています。今回このモデルを購入した動機はひたすら「好奇心」。いつも同じ価値観で楽器を選んでしまうと、モデルは異なっても同系統の個体に集中してしまいますが、今回はこれまでに所有したことのないベクトルのギターを敢えて選択してみたんです。

もう、嬉しくて毎日ずっと弾いてます。これでテレキャスに対するコンプレックスもひとまず解消。でも、「レスポール・スペシャル・コンプレックス」や「ES-175・コンプレックス」や「グレッチ6120・コンプレックス」を解消できる日はいつかやって来るでしょうか?(笑)