2013年8月22日木曜日

CUBE-80GX私的レビュー

いよいよ発売されるローランドのギターアンプ・CUBE-80GX。新しいCUBEシリーズのフラッグ・シップ・モデルということで期待している方も多いと思います。何はともあれ、ビデオでサウンドを確認してみてください。今回も手元だけしか映っていませんが…。



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そのサウンドについて
前半部はその場でチョイチョイとサウンドを作り、その音色にインスパイアーされたフレーズをラフに録音しています。自分でプレイしていて書くのも何ですが、録音されたサウンドを家で確認したときは、そのサウンドのあまり良さにビックリ!


ご覧頂ける通り、今回は6本ものギターを持って行って、それぞれのアンプタイプに合わせて楽器をセレクト。思った通りのサウンドがすぐ得られたので、作業はとても楽しかった!シンプルなアンプですが、多彩なアンプ・モードによって、幅広いスタイルに対応可能ということですね。


収録はオンマイクのShure SM-57が基本。音色によってはエアー用にステレオで立てたAKG C-3000Bをほんのわずかだけ足しました。EQ処理はほとんど行っていません。


サウンド作りのコツ
CUBE−80GXはデジタル・アンプなのですが、モデリングされたモードでは、実際のモデルと同様のコントロールが可能。トーン・コントロールはヴィンテージ系(フェンダー、ヴォックス、マーシャルのモデリング)ではGAIN(歪み回路)の前に設定され、ハイゲイン系のアンプ・タイプではポストEQとして動作します。前者のモードはツマミを上げていくと歪みの量が変化しますし、ある程度歪んだ状態で、[BASS]を上げて低音弦を弾いたときの潰れ感を演出することまでも可能です。後者は歪みの量を変えずに各帯域をコントロールできます。以上のことを意識することで、だんだん操作に慣れていきますので、是非、覚えておいてください。


ビデオの最後の方に収録されている楽曲のギターパートも全てCUBE-80GXだけを使用して、撮影しながらその場で録音しています。あまりに簡単に音作りができるので、短時間で作業が完了してしまいました。

搭載エフェクター
エフェクト類はCUBEシリーズではお馴染みのもの。ツマミ1つだけでの操作は細かい設定には向きませんが、素早く目的のサウンドに簡単にアクセスできるところがミソ。特にモジュレーション系は、コーラス、フェイザー、トレモロなどのように、曲によって使いたいエフェクトをすぐに掛けられるところが個人的には大変気に入ってます。ディレイとリバーブは同時に使用可能です。

それぞれのチャンネル切り替えやエフェクターの切り替えは、これまでのFSシリーズに加え、GA-FCを使用可能です。エクスプレッション・ペダルも含め、足元をスッキリとまとめられます。


CUBE-80GX、オススメの使用法
CUBEシリーズはライブハウス・クラスの会場でのセッションでも大活躍します。大音量が得られるアンプとしては非常に軽量なので、気軽に現場に持ち込めます。クリーン・チャンネル(JC CLEAN)、リード・チャンネルに加え、任意の設定を丸ごとメモリーできる「SOLO」チャンネルも搭載しているので、セットリストにいろいろなスタイルの楽曲が並んでいてもバッチリ対応できますね。

前段にブースターを1個加えて更なるバリエーションを楽しむのもあり。[TWEED]や[CLASSIC]などとミッド・ブースター系のFB-2を組み合わせたサウンドもなかなかグッドでした。

CUBE JAMというiPhoneアプリを使うと、録音や耳コピなどが便利に行えます。付属のケーブルをiCUBE LINK端子と接続するだけ。ライブだけでなく、家でも楽しめるという寸法です。


非常に完成度の高いアンプに仕上がっているので、是非、楽器店で試奏してみてくださいね!

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来週は個人的にちょっと楽しみにしていることがあるんです。このブログも何度かに分けて更新する予定。ご期待下さい!

2013年8月14日水曜日

魅惑のBOSSグッズ

8月10日から9月30日まで、BOSSのキャンペーンがあるそうです。期間中にコンパクト・シリーズの「Tera Echo」=TE-2を購入すると、なんと、TE-2型のミニチュア時計が貰えます。しかも、最初の100台は先着順!!今日(8月14日)ならまだ間に合うかもしれませんね。それ以降は抽選で800台プレゼントされるそうです。こりゃ僕も欲しい!


キャンペーンについて詳しくはこちら

また、TE-2の私的レビュー記事はこちらをご覧下さい。


さて、そのTE-2のミニチュア・クロック、現物を見ていないのでどんな質感なのかはわからないのですが、以前に頂いた同型の時計が2台あったので、それを見ながら想像してみましょう。

最初はOD-3型。箱までキッチリと再現しています。さすが。


箱を開けたところ。


フットスイッチの部分が時計になっている。


こちらはBD-2型。


上のOD-3のものとは製作された時期が異なり、「10 MILLION」のロゴが入っています。他にもMT-2やOD-1、FZ-5型に加え、腕時計型もありました。


※「10 MILLION」・・・ボスのコンパクト・エフェクターの販売累計が1000万台を突破したときのキャンペーン。(2007年)因みに今回のキャンペーンは100機種目のモデルであるTE-2の発売を記念したもの。

実はこの2台、大きさが異なります。今回はどちらの大きさなんでしょうね。


これまでにも非常に多くのBOSSグッズが作られているのですが、その中で僕が所有しているものをいくつかご紹介しましょう。

ボス・コンパクトを模したグッズで大ヒットになった携帯ストラップ。こちらは最初はキャンペーン・グッズだったのですが、あまりの人気で楽器店で有料販売されていた時期もあります。


下は初期型のストラップ。残念ながらつまみが取れてしまっていますが、手作り感があってかわいかった。


このように、見ているだけでも楽しくなるグッズに加え、実際に使って便利なものも沢山ありました。今回は写真が多いので、どんどんいきますよ~。これは現在も愛用中のピックケース。


コンパクト・エフェクター用のハードケース。



ということになっていますが、僕はライブ時のカポやスライド・バーなどの小物入れとして使っています。


ちょっと変わったものも見て頂きましょう。これはペンライトと思いきや…。


ライトを付けるとこんな感じ。これも「10 MILLION」キャンペーン時のグッズ。


極めつけはこれ。ハンディタイプの扇風機のように見えますが…。


映像をご覧下さい。(音が少し出ます)


「BOSS FAN」は「扇風機」と「ファン=愛好家」に掛けてるんですね、きっと。猛暑の中、扇風機としての効果はほとんど無いのは残念ではありますが、BOSSの遊び心にはいつもニヤリとさせられます。

2013年8月8日木曜日

ギターにも歴史あり〜76年製ストラト編

ギターを長期間保有していると、ピカピカの新品が使っている内に傷が付き、塗装が色褪せることで自分だけの楽器になっていくのを眺めることができます。ギターをボロくするだけなら簡単。日の当たる部屋にホコリを拭いたりせずに放置し、絶対に弾かないことです。でも、それでは風格のようなものは現れず、ただ汚くて鳴らない楽器になるだけ。ある程度、弾き込んでいくことで改めて愛着が沸いてくるものなんですよ。

1976年製のこのストラトは製作されてから37年が経っています。今回はどんなふうにこのギターが変化してきたかを写真でご覧頂きます。(購入したのは1978年です)

まずは、六本木ピット・インに初めて出た時の1981年頃の写真。写真の色に関してはカメラによる色味の違いや、ホワイトバランスの設定にもよるので単純に比較はできないのですが、この写真よりは白っぽかったような気がします。「カリフォルニア・ジャム」のディープ・パープルのライブでリッチー・ブラックモアが弾いていたような個体に似た色です。


これは「Equipment」ページの写真を拡大しただけのものですが…。ストラトは1977年にピックガードやピックアップ・カバー、ボリューム・ノブなどがブラック仕様に変更になったことはよく知られていますが、この個体はピックガードのみが黒。過渡期の仕様なのか前のオーナーがリストアしただけなのかは不明です。中古でしたがフレット周り以外は新品と変わらないルックスでした。70年代後半のアッシュ・ボディのモデルは重いといわれていますが、これは3.5kgと普通の重量です。(イナーシャ・ブロックやスプリングなどの金属部品を必要としないハードテール・モデルだからかも)


次は1991年頃に撮った写真。「My Guitars」にも書いていますが、88年頃にパーツのほとんどを載せ替えました。ピックアップはローパワーのフラットタイプ→ダンカンSSL-1、ペグはシャーラー製→クルーソン・タイプ、ジャンボ・フレットに打ち替え、サドルはダイキャスト型からプレス・タイプへ。


2002年頃。ボディの色味が変化して少しだけ黄ばみが。でも、傷はまだほとんどない、というか、この時点ではポリエステル塗装だから傷が付きにくいと思っていました。経年変化の少ないポリ塗装のほうがスペック的には上と思われるかもしれませんが、現在は安価なモデルはポリ、高価なものは基本的にラッカーが使用されています。PRSのように高価なモデルでもポリ塗装というブランドもありますけど。


そして現在の写真。


黄ばんだ、というよりもオレンジ化したストラト。爪で引っ掻いても傷が付かなかったはずのボディも、肘が当たる部分は擦り切れて木地が見えてきています。ラッカーのような経年変化は起きないと言われていたポリ塗装も、実はかなりの変化がでるものなんですね。


ヘッドの部分だけはラッカーが使用されていたという説もあり、確かに黄ばみは多めな感じ。白が残った指板とは対照的です。ポストの高いシャーラー製のペグが搭載されていたことから、3&4弦にもストリング・ガイドが付いてました。1&2弦の位置も変更されていますね。


これが、ネック・ジョイントを3点留めから4点留めに変えた部分。プレートもダンカン製に交換。シリアル・ナンバーは元の3点留めのプレートのほうに記載されていたように記憶していますが、手元にはパーツが残されていないので不明。


このギターはハード・テール仕様なので、背面のザグリがありません。買ったときはそんなことは気にしていなくて、フェンダーUSA製のストラトだったら何でも良かったんですけどね。


数十年後に、今使っているMacやiPhoneを持っていることはほぼ無いでしょうが、楽器に関しては、メンテさえしていればずっと現役で使えるのが良いところ。このギターは今でもライブの仕事には欠かせない、大切な1本なんです。

1992年のKANさんのライブ映像がYou Tubeにありました。間奏部で変色がそれほど進んでいないこのギターが映っています。(iPhoneでは見られないようです。スミマセン。)


2013年8月2日金曜日

iMac故障!

久しぶりの更新なのにこんな話でスミマセン。自分の備忘録として、そして、もし同じようなMacユーザーがいたら、と思って書いてみます。

当該のマシン
今回の故障になったMacは2010年の9月末に購入した「iMac27inch Mid 2010」というモデル。CPUを初代i7の2.93GBに、HDDを7200回転の2TBにアップグレードしています。まあ、当時のフルスペックにしているわけなんですが、これモデル、発熱が本当にスゴイのです。この熱さに耐えかねて、去年にMacBook Pro Retinaを購入し、iMacは音楽制作専用機として使用しています。


動作がヘン?
iMacは安定性や使用アプリの相性もあって、1つ前のMac OS 10.7=Lionでの運用。久々に立ち上げて作業してみるとどうも反応が鈍い。外付けのHDDへのバックアップにも時間が掛かる。

いろいろテスト
ディスク・ユーティリティーを立ち上げ、「ディスクのアクセス権の検証」や「ディスクの検証」を行ってみる。わずかに不具合が表示されるが、取り立てて深刻な状態には見えない。インストール・ディスクから立ち上げ、それぞれ「修復」を行うと「このディスクは問題ありません」というような表示で一安心するものの、動作はやはり鈍い感じがする。「PRAMのリセット」やら「セーフ・モード起動」など行ってみても改善しない。ネットで検索してみると「起動時に「D」キーを押す」=「Apple Hardware Test」なるものがあり、「コンピュータのトラブルシューティングをする場合にハードウェアの問題でないことを確認する優れた方法」というのを試してみる。すると…

「4HDD/11/400000000:SATA(0,0)」←この表示は何?

「Appleに連絡して下さい」とも表示。
で、結局HDDの不具合で交換修理が決定・・orz。

それでもラッキーだったこと
・外部のHDDのバックアップは取れていたので、データは無事で復元可能。

・3年保証の「Apple Care」に加入していたことで無償修理。あと2ヶ月で失効するところだった。

・浦安市にはAppleの正式なサポート・プロバイダーがあり、クルマで持って行けた。27inchのマシンを銀座のAppleストアに持ってくなんて無理!

・たった1日で修理完了。助かった。

しかし、落とし穴が
修理から帰って来たマシンを復元するために外付けのHDDを接続して起動。新品を購入したときのように、「Time Machineからの移行」を選択して待つこと6時間・・・・無事に終了するも、何故かログインできない。インストール・ディスクから起動し、一旦パスワードを初期化してからログインする。

何故か、Apple製のソフトがことごとく起動できない。何故???と思ってOSを見ると「10.6=Snow Leopard」になっている。つまり、このモデルの初期OSは10.6なのに、ソフトは「10.7」用のものがインストールされている。「App Store」も起動できないので、OSのアップデートもできない。

つまり、先にOSのアップデートを行ってからHDDの復元を行わないとNGなのだ!この日の作業は全て 水の泡となる。

翌日の再作業
HDDをフォーマットしなおして、OS10.6をインストール後、ネットから10.7をダウンロード。その後に外部HDDから復元。簡単に書いたが、これだけで丸1日が潰れた。やれやれ…。

パソコンのこのような作業時、他の仕事でもすれば良いのですが、ついついプログレス・バーを眺めながら「作業終了まであと6時間34分」などというアラートを見続けてしまうクセがあります。時間の無駄というのはよくわかっているんですけどね〜。

2013年7月20日土曜日

フランジャーに翻弄された日々

これからエフェクターに関する思い出なども、ときどき書いてみたいと思ってます。少々、マニアックな内容ですが…。

1970年代中盤にギターを始めた僕のような世代にとって、次々に発売される新しいエフェクターは非常に魅力的に見えました。今のようには情報は多くありませんでしたが、手探りで1つ1つ使い方を覚えていくのも楽しかった!

フランジャーとは?

かつてほんの少しだけ音を送らせ、ピッチをランダムに揺らした音を原音とミックスするレコーディング・テクニックがありました。それは1960年代にテープレコーダーを改造することで得られる効果で、ビートルズのレコーディング時に発明され、その機材はジョン・レノンによって「フランジャー」と命名されたという説もあります。「Tomorrow Never Knows」や「Strawberry Fields Forever」などのボーカルに使用されていることで有名です。ツェッペリンの「Kashmir」という曲のドラムにも効果的に掛けられています。

コンパクト・エフェクターとしてフランジャーが登場したのは1970年代になってからでしょう。

初めてのフランジャー

70年代の終わり頃、マクソンのFL-305というモデルを買いました。ツマミの数は5個(ディレイ・タイム、スピード、ウィドス、リジェン、ディレイ・レベル)。当時、それぞれの役割については全く理解できませんでした。適当にセッティングすると、「ジョワーン」とした金属的なうねりが得られます。先に買っていたフェイザーが「ショワーン」という音だったので、より過激な音に感じましたが、イマイチ使いどころが見つけられず…。(写真はこちら

フランジャーのパラメーターの役割を知ったのは80年代に入ってから。同じくマクソンのラック型デジタル・ディレイ「DM-1000」を買って、ディレイのモジュレーションを使用することでフランジャーやコーラスの効果を得られることを知ったのです。「リジェン」は「フィードバック」のことだったのね。

80年代の中頃にBOSSの「BF-2」と世界初のコンパクト・タイプのデジタル・ディレイ「DD-2」を購入して使い始めました。個人的にはBF-2はダブリングやコーラスの代用として、言わばジョーカー的な万能エフェクターとして使用していたのです。


BOSS BF-3

BOSSの現行モデルは「BF-3」といって、通常のフランジャー効果に加えてより過激な「ULTRA」やトレモロ的な「GATE」なんていう面白いモードも用意されています。


エフェクターや電子楽器の世界では、同じ機能なのにパラメータ名が異なっていることがあって、混乱させられることも多いですね。ここで、用語をまとめておきましょう。

・Rate・・・Speedと同意。モジュレーションの速さを設定する。

・Depth・・・Widthと同意。モジュレーションの深さを設定。

・Resonance・・・Regen.やFeedbackと同意。掛かり方を強調できる。これを最小にするとコーラス的な効果が得られる。

・Manual・・・Delay Timeと同意。数ms〜数十msまでを設定。BFシリーズの場合、反時計回りの方が大きいディレイタイムになることに注意。Depthを「0」に設定してこのツマミを動かすと手動フランジャーのようになることから「マニュアル」と名付けられたのでは?


2台のBF-2

前モデルのBF-2に「ノブの形状やロゴ・フォントの異なるモデルが存在する」というのを知ったのは、シンコー・ミュージックから出ている「ボス・ブック」を読んだ時でした。そういえば「BF-2」が我が家には2台あったことを思い出して並べてみたところ、確かにルックスが違うのが確認できました。右の黒いノブのモデルの方が初期型なのだそうです。知らなかった〜。


何故、家には2台のモデルがあるのかというと、80年代に僕が買ったものに加えて、ベースを弾いていたカミサンが持ってたものがあるからなんです。果たしてどっちが持っていたのが古い方か?と思ったのですが、すぐにわかりました。右の初期型モデルにはいつの間にか落書きが…。


2013年7月14日日曜日

エレクトリック・シタールって知ってますか?

一見、普通のエレキギターのように見えますが、特殊なブリッジを搭載することで、インドの民族楽器シタールのようなサウンドを得られるのがエレクトリック・シタールです。本物のシタールは演奏するのが難しそうですが(僕は弾いたことありませんけど…)、基本的にはエレキギター同様のチューニングと弾き心地なので、ギターが弾けるなら簡単にプレイできるのが特徴です。


この楽器は60年代に登場して以来、様々な作品で使用されています。フィラデルフィア・ソウルのTHE STYLISTICSの代表曲「誓い(You Make Me Feel Brand New)」とか、プログレッシヴ・ロックのYES「危機(Close To The Edge)」、Steve Vaiのバラード曲「For The Love Of God」なんてところが有名です。どちらかというとエスニックなニュアンスのサウンドで使われることが多いこの楽器ですが、80年代にジャズ・ギタリストのパット・メセニーが名曲「Last Train Home」で美しいサウンドを奏でたことでも注目されました。


それでは各部分の説明をしてみましょう。因みにこの実機は借り物です。


この楽器のサウンド秘密はブリッジの構造にあります。この写真の左側の細い金属製の部分がブリッジで、その右側にある黒い樹脂製のパーツが、弦が振動するとわずかに触れることによってビビリ音が得られます。右に見えるピックアップはリップ・スティックと呼ばれるPUが搭載されていますが、これは構造的にはエレキギターのピックアップと同じものです。


本体上部には共鳴弦が張られており、各弦はクロマチックでチューニングされています。こちらもピックアップで収音されるようになっていますが、普通に演奏した感じではほとんど鳴らすことができず、関係なさそうな気もします。


コントロール類はそれぞれのピックアップに対するVOLUMEとTONEで至って普通。 これで共鳴弦だけを生かして弾いても音はほとんど聞こえなかっただす。


自分でデジカメを使って撮影した映像をYou Tubeにアップしてみました。聴いてみてください。(実はこれをやってみたかった…)後半では敢えて共鳴弦を弾いてみました。


さて、Rolandのモデリング・テクノロジーを搭載したVGストラトキャスター=「G-5」なんですが、このエレクトリック・シタールのサウンドがバッチリ再現できるんです。「M」ツマミを【A(アコースティック)】に設定して、ピックアップ・セレクターを上から2番目(ストラトでいうとフロント+センターポジション」にすればOK。


映像で本物と聞き比べてみてください。どちらもアンプはMicro CUBE GXで「JC CLEAN」で鳴らして、音はCanon のカメラ「Power Shot S95」内蔵のステレオ・マイクによるものです。


ね?かなりそっくりなサウンドでしょう?最近のJ Popなどでも使用されることの多いエレキ・シタールのサウンド。でも、この楽器を買うほど欲しいというわけでもない自分にとっては、G-5に搭載されているのはうれしいところ。


このG-5。GKピックアップを搭載することでこのようなことが可能になっているのですが、世間では「ギター・シンセサイザー」だと思っている人がまだまだ多いようです。そういえば、このブログではG-5のレビュー記事を書いたことがなかったので、後日にまとめて書くつもりでいます。あと、You Tubeへのアップのやり方もわかったので、今後はこんな映像もアップしていきたいと思ってます。ご期待下さい!

2013年7月6日土曜日

「MICRO CUBE GX」私的レビュー

先日のTokyo Guitar Show 2013の開催に合わせて、ギターアンプ=CUBEシリーズのリニューアル・モデルが発表になりました。発売はまだのようですが、いち早く試奏させていただいたのでレビューを書くことにします。今回は「MICRO CUBE GX」!


今回も3色がラインナップ。僕はホワイト・トーレックス的な白が好きなんですけど、赤も人気があるみたい。いずれにしても選択可能なのは嬉しいですね。TGS 2013でも試奏される方が特に多かったようです。前回のブログ、Tokyo Guitar Show 2013時のレポートはこちらからどうぞ!「ありがとう!Tokyo Guitar Show 2013


前モデル「MICRO CUBE」(以下無印)は発売されて以来、ミニアンプのロングセラー・モデルとして多くの方に愛されてきました。僕自身も長年愛用してきた製品であることは、度々このブログでも言及している通りです。自宅用アンプは小さい音量故に、アンプの再生音とエレキギターの生音がミックスされた状態でサウンドが耳に届くところを考慮する必要があります。MICRO CUBEは音が良いだけではなく、レーテンシーがほとんど無く、音が荒れないところも気に入ってます。

それでは、今度の新製品がどう進化したのかを見てみましょう。スペック的なことはローランドのカタログ・ページでご確認ください。

http://www.roland.co.jp/products/jp/MICRO_CUBE_GX/

前モデルとの比較
MICRO CUBE GX(以下MCGX)と旧MICRO CUBE(無印)を比較してみましょう。まずは外観から…。


サイズはわずかに大きくなったものの、重さは500g軽量になりました。でも、実際に持った感じはそれほど変わった感じはありません。

「無印」では電子音叉だけでしたが、クロマティック・チューナーが搭載されました。電源スイッチが上部パネルに移動したのも地味ながら好印象です。


アンプタイプが1個増えて7個に。「EXTREME」は高域のエッジ感の強いハイゲイン・サウンド。リフ〜リードまで使用オッケー。エフェクト関連では「Heavy Octave」、「Spring Reverb」が追加になりました。

メモリー機能を搭載。パラメーター自体がそれほど多くないので、要らないという人もいるかもしれません。でも、特定の楽曲を練習する時に「コーラスが掛かったクリーン」から「ディレイのみが掛かったハイゲイン」なんていう、マルチ・エフェクター的な音色切り替えができるのは便利かもしれませんよ。


iCUBE LinkによってiOS機器のオーディオ・インターフェイスとして使えます。iアプリ「CUBE JAM」やサード・パーティー製のアプリを使用しての録音/再生が可能です。

実際に鳴らしてみた



・サウンドの印象
パワーが上がったような。ちょっとした野外のライブでもいけそうです。音量が大きくなっただけでは無くて、余裕で鳴ってる感じが良いです。旧モデルは少しくすんだようなサウンドだったのですが、全体的にブライトで明るい音になったかも。

各アンプタイプのキャラ自体は変更は無さそう。追加された「EXTREME」は前述のように、ザクザクとしたエッジとファットな中域を兼ね備えたサウンドなので、ハイゲイン系のリードを弾きたいユーザーにとってはメリットがあると思います。

無印が床置きの方が音が良かったのに対し、MCGXはデスクトップでも使える音。レンジがやや広くなったことで、宅録のマイク録りでも活躍しそうです。

・歪みエフェクターとの組み合わせ
エフェクターとの組み合わせもバッチリ。「Classic StackをSD-1でブースト」は前モデルでも良かったですが、コントロールの幅が広がった感じがします。いろいろな歪みを試してみたくなります。


・操作性
Master Volumeが搭載されました。ギターアンプ側のVolune設定を変えても音色の変化はあまりないので、これはギターアンプと外付けのiPhoneなどの音量を調整するために搭載されているようです。自宅で使うなら、アンプ側は上げ目にしてMasterで音量調節するとバランスが取りやすいと思います。
また、「無印」は小さい音量を調整するのがやや難しかったのですが、MCGXはレベルの微調整が格段にやりやすくなりました。


CUBE Liteとどちらがお好み?
これから購入を検討している方は悩むところかもしれませんね。CUBE Liteとの相違点をまとめると以下のような感じです。(以下Lite)


・サウンド
「Lite」はステレオ・スピーカー&サブウーファーを搭載しているので、 iCUBE LinkやAUX Inを使用してCD音源などを鳴らす場合には音質的なアドバンテージがあります。一方、床置きしてギターアンプ的な音を期待するならやはり「MCGX」が良いです。

・バリエーション
個人的には歪み系アンプのサウンドは「MCGX」の方が好みでした。また、「Lite」のエフェクターはコーラス or リバーブだけなのに対し、「MCGX」は多彩なモジュレーション系と空間系が独立して使えるので、アンプだけで手軽にバリエーションを楽しめるところも良いですね。

・仮想JC-120として
どちらも使用可だが…。小音量時のアタック感は「Lite」が上。なので、個人的にはコンパクト・エフェクターの使用が前提ならCUBE Liteが好みかも。

・電源方式
「Lite」はACアダプター必須。従って、部屋を頻繁に移動したり、外に持ち出しの場合はバッテリーが使えるMCGXが◎。誰もいない河原や山奥などで鳴らしたら面白いかも。やってみたい!

・音量
スペック的には「Lite」の方が上に見えますが(10W)、聴感上の音量は「MCGX」(3W)の方が大きい音を鳴らせます。ストリートやパーティーなどで演奏する時は後者を使った方が良いと思います。

CUBE Lite発売時のレビューはこちらから。合わせてご覧下さい。

http://yutakanakano14.blogspot.jp/2013/02/cube-lite.html

CUBE-80GXのレビューも近日中にアップする予定です。