2013年9月12日木曜日

我がルーツの周防大島

1984年4月。(今から30年近く前のこと)
初めてのレギュラーの(継続的にサポートする)仕事で、初めての本格的なツアー。ギタリスト=尼崎勝司さんのサポートで名古屋、大阪でのライブの後、彼の故郷でもライブを行うことになりました。それは瀬戸内海で3番目に大きいという山口県周防大島(すおうおおしま)という島の南側にある「安下庄(あげのしょう)」という地域。当時、そこに自分が呼ばれたことに不思議な縁を感じていました。

母方の祖先はこの周防大島安下庄の出身。つまり、僕のルーツを辿るとこの島にも行き着くということなんです。曾祖父は周防大島で生まれ、その後ハワイに移住。そのため、祖父はハワイで生まれ、戦前は職を転々としながら、シアトル、上海、横浜などを行き来するような、なかなか波瀾万丈な人生だったようです。

※周防大島は屋代島とも呼ばれるようです。



戦後、祖父は日本に定住。その祖父に連れられて最初に大島に訪れたのは、1960年代末、小学5年生の頃です。(その時の写真がKANさんのツアーパンフに載ったことがあります)海の砂が白く、見たことも無いくらい海水が透き通っていたことを思い出します。2度目の時(つまりライブで行ったとき)はゆっくり景色を見る余裕が無かったので、古めかしいホールの記憶しかありません。

先日の山口県徳山での仕事の時に地図を見ていて、ここが柳井市のマーシャル・ミュージアムからもほど近いということを発見。山陽本線柳井港駅の近くでレンタカーを借りて行ってみることにしました。初めて軽自動車を運転したんですけど、運転しやすいんですね。しかも、6時間で¥2,000、安っ。(別途保険料が¥1,000掛かります)


小学生の時は船で行ったのですが、今は橋が架かっているので40分ほど走れば目的地に到着です。島内は信号はほとんどありません。当日は生憎の雨模様。天気が良ければ海沿いの道からの景色は最高なんだろうな。それでも海水の透明度は昔と変わらないように見えます。


あらかじめ、母親に確認していた山のふもとの墓地で、先祖の墓参りと思っていたのですが、海沿いの立地で古い墓石の為か、文字が判読不能。その辺りでざっくりとお参りしてきました。


尼崎さんのライブを行ったホールはおそらく建て替えられていて、当時の面影はありませんでした。同じ場所だったのかどうかも不明。


特に何を見たとか、何を食べたとかはありませんでしたが、今までの自分の人生を考えながら帰路につきました。仕事に追われてばかりじゃなく、たまには違う景色の中に自分を置いてみることも必要かもしれませんね。


昼過ぎには天気も回復。この後、柳井のマーシャルミュージアムへと向かったのでした


2013年9月4日水曜日

GT-100をエフェクター・ボードに入れてみる

今年の前半のライブ仕事では、コンパクト・エフェクター・メインのセッティングに戻っていて、BOSSの昔のエフェクター・ボード=BC-6にご覧のモデルを入れてました。歪みはどちらかと言えばDA-2がメインになりつつありますが、ST-2もシングルコイル用として用意。前段のブースターだけは試行錯誤していて、SD-1、FB-2、VEMURAMの「Jan Ray」などをテストした結果、今はMad Professorの「Sweet Honey Overdrive」に落ち着いています。


近年のBOSSの歪みの中でもST-2とDA-2の出来が素晴らしかったこともあって、サウンド的には何の不満もありません。ですが、何となく歪み以外のエフェクターをGT−100にチェンジすることにしました。昨年(2012年)まではGT-10をメインにしていたので、違和感は無いはずですし、よりグレード・アップしたGT-100を使わない手は無いかな?と考えたからです。

実は去年まで、エフェクター・ボードのセットアップを自分ではあまりしてなくって、機材だけ持ち込んで後はローディーの方にお任せ!という感じで、ボード自体の用意もセッティングもやって頂いていました。甘ったれですね。これは2012年に撮った写真。


エフェクター・ボードに入れる準備

それで、今回は自分でやってみよう!ということなのです。まず、ボード自体はGT-10用(主にしまうためのケースとして)持っていたので、その中に組み込んでいきます。これにはベルクロ(マジックテープ)のメスは敷き詰められているので、エフェクター側にオスのベルクロを貼ればOKです。


最初、エフェクター本体のゴムの部分にケースに付属していたのを貼ってみたんですが、やっぱり何度も置き位置を動かしている内に剥がれてきてしまうんですね。


そこで、意を決してBOSSエフェクターの裏蓋を外してから、底のゴムを剥がしてみました。(元に戻すのは大変なので、真似する方は後悔しないように!)かなり強固に接着されているのですが、端の方が少しでも剥がれれば、後は簡単に剥がせます。力を入れすぎると鉄板が歪むので注意!ご覧のように少し後が残ってしまいますが、これは仕方ありません。


で、鉄板をひっくり返してネジ留めします。因みにゴムを外さないで裏返すことも出来ますが、ネジが届かないし、ゴムが中の基盤に当たってしまうのでお勧めできません。


幅5cmの業務用ベルクロというのを買ってみました。ちょっと高かったけどこれは剥がれにくそう。


これを、エフェクターの裏蓋に貼ります。ネジの出っぱりも問題ありませんでした。


後はボードにセットするだけ。SHODだけ入らなかったけど、GT-100のSend / Returnで制御するので問題なし。


ついでにACアダプターもキレイにしよう!

「PSA-100S」は遠くにコンセントがあっても大丈夫なようにケーブルが長めになっているのですが、これが絡みやすい。きっと今までの人生でケーブルの絡みを直すだけで50時間位は費やしているような気がする…。


これを「ロックタイ」なる結束バンドでまとめます。


これでスッキリ!今週末にライブがあるので現場で写真を撮ってきます。

えっ?GT-100を留めてないじゃないかって?そう、実はGT-100のゴム足をどうするか迷っているんです。マジックテープ仕様になるとケースから出して使う場合に滑りやすくなってしまうのでね。ただ、これまでGTは机の引き出しに設置してたんですけど、何故か、床置きにする方が断然練習するモチベーションは上がります。今後どうするか、もうしばらく悩んでみます。

2013年8月31日土曜日

続・マーシャルミュージアム・ジャパン 訪問記

前編のレポートはこちら→マーシャルミュージアム・ジャパン 潜入記

この博物館、歴代のマーシャル・アンプを展示している所だと思っていましたが、実は「マーシャル・だけじゃない・ミュージアム」でした。

今回の訪問で最初に弾かせて頂いたのがこのアンプ。ギターアンプの歴史を一気に振り返るような1日。


フェンダーの最初期= 1946年製の「Deluxe」。これがクランチなイイ音でさぁ…。実は1957年の 「Deluxe」のリイシュー・モデルを所有しているのですが、1ボリューム、1トーンのフェンダー・アンプの良い音を知りました。これを参考に自分のアンプも研究してみようっと。


ピンクフロイドのビデオ「ライブ・アット・ポンペイ」にも映っている 「wem」のアンプ。これもクリーンが美しいサウンド。


ギブソンの見るからに古めかしいデザインのアンプ。正にジャズ・トーンを堪能できます。


ジェフ・ベックが70年代中盤頃に弾いていたというストラト。証拠写真も飾ってありました。細身のネックで弾きやすい!


エフェクターのコレクション。MXRやマエストロ、エレハモなど様々なメーカーのものがありました。BOSSのSP-1やGE-10もこんなにキレイな個体は見たこと無いかも…。


更にこんなものまで!


3階に上がると、こ、これは!!超名盤ベック、ボガート&アピスの「ライブ・イン・ジャパン」で使用されていたことで知られている「Univox」の現物がツアーケースごとあるじゃないですか!


さらに、BoogieやFender、VOXなどのアンプが所狭しと並んでいます。60年代から70年代に掛けて生産されていた国産のアンプも多数。Tesco、Guyatone、Ace Tone、Yamaha、などなど。懐かしい!


ローランドのこんなアンプ(SR-808)まで。名品、珍品がザクザクあります。


竹谷館長は「日本の音楽文化が向上することを願っている」と仰います。前回も書きましたが、このミュージアムは「音が出せる」ことが大きな特徴。楽器である以上、サウンドを聴けなければその魅力は半減します。しかし、これだけの機材のメンテナンスを行い、保守していくことは並大抵の情熱ではできないことです。そんなことを帰りの新幹線の中で、楽しかった時間を振り返りながらも考えてました。お住まいの地域によってはこの場所は遠く感じるかもしれません。でも、そのコストと時間を掛ける価値は充分にあると僕が保証します。是非、行ってみてください。

今回、このミュージアムの方々とお知り合いという、広島市南区民文化センターの川本さんと広島市青少年育成センターの内山さんが同行してくださいました。そして、竹谷館長とその息子さん、スタッフの小川さん、EMIさん、皆様のおかげで幸せな時間を過ごせました。本当にありがとうございました!


右から竹谷館長、息子さん、私、内山さん、川本さん、ミュージアム・スタッフの小川さんです。

あー、また行きたいな〜。どなたか企画してくれません?「中野 豊と行く・マーシャル・ミュージアム・ツアー」。ギャラは要りません。交通費だけご負担頂ければOKです、なんてね…。(笑)

2013年8月29日木曜日

マーシャルミュージアム・ジャパン 潜入記

8月26日(月)に山口県柳井市にある「Marshall Museum Japan」に行ってきました。今回はその魅力について詳細にレポートします。数時間滞在しただけなのですが、書きたいことが山ほどあります。最後までお付き合いください。

※「Marshall」は、ロックの歴史の中では欠かせないギターアンプを数多く製作してきたイギリスの楽器メーカーです。

※「Marshall Museum Japan」は2014年5月に山口県田布施町に移転になりました。新しいサイトはこちらになります。

※写真をクリックすると大きな写真が見られます。更にクリックでスライドショー、写真の外側をクリックすると、このブログ画面に戻れます。お試し下さい。

アクセス方法
JR徳山駅から山陽本線で約30分。柳井駅に到着します。駅の階段を上がるともう、今回の目的地の看板が目に入ります。柳井市は岩国と徳山の間にある瀬戸内海にほど近い美しい街です。


ついに到着!
柳井駅から徒歩5分。竹谷館長を始め、スタッフの方々が温かく迎えてくれました。


2階の展示室へ。想像以上に膨大なコレクションに圧倒されます。


かの有名な解説本「The History of Marshall」の表紙になっている68年製「1959」も見えます。右はDeep Purpleのロジャー・グローバーが使用していたというベース・アンプ。


挨拶もそこそこに試奏タイムに突入!

JTM45
マーシャル史上、最初期1962年製のJTM45です。クリーン・サウンドが美しい。というか、どう言葉で表現して良いかわからないくらい、今までに経験したことのないサウンドです。単に「ぶっとい」だけじゃない。いわゆる「コンプレッション感」とも違う、抜群に弾きやすいクリーン・トーンです。(下に見えるのはこれを基にした近年のリイシュー・モデル)


1962 (Bluesbreaker)
クラプトンがギブソン・レスポール・スタンダードと組み合わせて極上のサウンドを作り上げたことで有名なコンボ・アンプです。これは正にそんな1965年製。「ブリッ」としたクランチ・サウンドが心地よい。自分のすぐ目の前で音が鳴っているような、そんな錯覚を感じます。(下の写真はミュージアムのスタッフ、EMIさんに撮影して頂きました。ありがとうございました!)


持ち込んだG-5(VGストラト)をレスポールに設定して弾いてみました。ただ、思っていたよりは歪みはそれほど強くなかったです。歪み系エフェクターと組み合わせると更によさそう。次の機会には試してみたいなぁ。


1917
PA用として製作されたという小型のアンプ・ヘッド。こちらも館長の解説を伺いながらテスト。極上のクランチ・サウンドで、時間を忘れて弾き続けてしまいます。もう、ここに住みたいです。(笑)


マーシャル・ミュージアム・ジャパンを10倍楽しむ為に
今回のレポートにもあるように、このミュージアムは、単に希少なアンプを陳列しているだけでなく、実際に弾いてみることができるんです。防音室に用意された複数のアンプ(随時入れ替えられているようですが)を爆音で試奏できます。試奏用ギターも用意されてはいるのですが、ここは是非、自分の楽器でプレイすることをオススメします。そう、ここはギターの持ち込みが可能なんですよ。普段弾き慣れた自分のギターが、個性豊かなマーシャル・アンプによってどんなサウンドを奏でるか。きっと度肝を抜かれることでしょう。

それから、ある程度マーシャルのアンプの歴史について調べてから訪問するほうが、何倍も楽しめます。シンコー・ミュージック刊の「Marshall Chronicle」には、ここに所蔵されているモデルが詳細な解説とともに多数掲載されています。


その防音室に移ってさらに試奏は続きます。

1959
マーシャルを代表するスタック・モデル、100Wの1973年製「1959 Super Lead」です。今までにも1959は別の場所で何度が使ったことがありますが、この個体は音がデカイ割りには耳に痛くないサウンド、さすがヴィンテージ・モデルです。モデル名は年代とは関係無く、50W仕様のものは「1987」と呼ばれます。


2203
マスター・ボリューム仕様の「2203」。「JCM800」シリーズに移行する前のモデルで78年製とのこと。今回、初めて弾きました。


「1959」系のドライブ・サウンドのまま、レベル・コントロールが可能なのが意外でした。近年(といっても10年〜20年前のモデルですが…)の「JCM900」や「JCM2000」のようなマスター・ボリューム・タイプのモデル場合は、音量によって音色がかなり変化するのに対して、音量を下げてもサウンドがあまり変わらないので、きっとライブでも使いやすいでしょう。ビデオを撮ったので見てみて下さい。(デジカメのマイクでの収音なので、実際よりもコンプ感が強めに聞こえます)



JTM100 P.A.
ここで館長が見慣れない貴重なモデルを持ってきて下さいました。


1965年製のPA用モデルなのだそうですが、これが何と!The Whoのピート・タウンゼンドが使用していたアンプ。まずは普通にクリーンに設定してテスト。強めに弾くと心地よいコンプレッション感と若干のクランチ感が得られます。これもビデオで確認してみてください。(これもちょっとカメラのマイク側で歪んでいます)


更に、リンク接続することで100Wとして動作するそうです。各ツマミでバランスを変えられますし、歪ませることもできます。


その経験が自分を変える
良い音ってなんでしょう?自分にとって心地良い音でしょう?それを見つけるために様々な楽器を試している方も多いでしょう。

一方、普通の人にとって、ヴィンテージのマーシャルの音が好きでも、それを購入して、日常的にそれを使うことはコスト的にも環境的にも難しいですよね。(そもそも買おうと思っても滅多に売ってません)

実は、「自分にとって好きな音を見つけること」、「それを経験として覚えておくこと」は、ギタリストにとって、とても重要なことなんです。もし、それがわかったなら、あとはそのイメージに自分の所有している楽器を使って近づけていけば良いのですから。勿論、必要なら別の機材を試すことだって楽しい作業になるはずです。

僕自身も家に帰ってきてから、Micro CUBE GXで演奏する時でさえ音の聞こえ方が変わり、そして設定方法やプレイそのものも変わったのではないかと感じています。「自分にとっての良い音を知る」ということが、「良い音を得る」ための最良の手段であり、このミュージアムは誰でもそんな経験を得られる貴重な場所なのではないかと思いました。

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長文、読んで頂いてありがとうございました!って、まだまだ終わりじゃないんですよ、これがっ。次回に続きます。

続きはこちら→「続・マーシャルミュージアム・ジャパン訪問記

2013年8月27日火曜日

徳山に行ってきたよ

実はここ数日で書きたいこと、書かねばならぬことが山積しています。今週はいつもより多めに更新する予定です。

エフェクターセミナー in 徳山

8月25日(日)に、山口県の徳山にある楽器店「ポップス川上 ロック館」にてセミナーを行ってきました。当日は中国地方は荒れ模様の天候で、各交通機関にも少なからず影響があったようです。僕の乗った新幹線も途中でもの凄い雨に遭遇。ご覧のように水中を走っているかのようです。


先行する列車は運転見合わせなどもあったようで、最大1時間の遅れとの情報も。まあ、ジタバタしても始まらないので、コーヒーとiPodでノンビリと過ごします。幸いにも5分遅れ程度で徳山に到着。


このイベントに関する告知をTwitterでも行わなかったのは、すでに予約で満席になってしまっていたから。多くの方にご来場頂きました。雨の中、ありがとうございました!

実はDA-2やMO-2、TE-2というニュー・モデルも含めたショップ・イベントは初めてのこと。当日は中高生も多かったので、サウンド・メイキングの基礎から特殊な使い方まで、やや予定時間をオーバーし、盛りだくさんの内容になってしまいましたが、楽しんで頂けたようです。


終演後にお店のスタッフの方々と記念撮影。恥ずかしながら色紙にサインなどもさせて頂きました。手に持っていただいている「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック」は決して僕が強制したわけではありません。皆さん何て優しいんでしょ。またお会いできるのを楽しみにしています。


この日泊まったのは…

当日はホテル ルートインに宿泊。よく見掛ける値段も手頃なビジネス・ホテル・チェーンですが、僕自身は初めて利用しました。部屋もキレイだし大浴場もあります。(入ってみたら中浴場くらいの大きさでしたが…)


朝食バイキングも、この手のホテルとしては料理の種類も多くて美味しかったですよ。


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山口県に来たら行ってみたいと思っていた所がありました。そこは全てのギタリストにとっての聖地のような場所 =「マーシャルミュージアムジャパン」。年内には、と思って計画していたのですが、仕事を絡めて訪問することができました。次回のエントリーで詳細な潜入レポートを書くつもり。ご期待ください!