BOSSの新製品「弾き語りボーカリストのためのオール・イン・ワン機器」 Acoustic Singer=”VE-8”が発売になりました。ボーカル用エフェクト+ギター用エフェクト+ルーパーが一体化されたこのモデル。演奏ながら歌うことが楽しくなる製品です。
エレアコをライブで使う
レコーディングでは、ほとんどの場合マイクを使ってアコギを録音しますが、ライブに於いては何らかのピックアップを搭載したエレアコを使います。ピエゾ・ピックアップの他、マグネット型やコンデンサー・マイク型もありますが、いずれにしてもマイクで録音したようなサウンドにはなりません。それを程良く「マイク録り」風のサウンドに調整するための「エレアコ用プリアンプ」が各社から発売されています。しかし、この「ピエゾ」独特のサウンドは、ライブ時には音抜けが抜群に良いこともあり、一概には「悪い音」とは言えないところがミソなのです。
VE-8のギター用エフェクト
本格的なエレアコ用プリアンプと比較しても勝るとも劣らない、心地良さとヌケの良さを両立することができるサウンド。最小限のコントローラーですが、「Acoustic Resonance」と「Shape」スイッチだけで多彩なバリエーションが得られます。前者は最小値ではピックアップのピュアなサウンドになり、ツマミを上げていくとアコギらしい響きに連続可変で微調整することができます。「Shape」はギターを4種類のキャラクターに変更できる機能。図太いブルージーなサウンドから煌びやかなサウンドまで、フレーズや使用ギターによって選ぶ事ができます。高品位なリバーブのモード変更(ホールやルームなど)も勿論可能です。
VE-8をアコギ用プリアンプとして使った場合、「ナチュラル」な響きが得られる点がとても気に入りました。ギター本体のキャラクターを殺さずに、演出過多にならない自然なサウンドが得られます。どんな楽器を使っても、ピエゾ・ピックアップからのサウンドは似たような音になってしまいがちですよね。今回、ハイランダー製PU搭載のマーティンD-35とフィッシュマン搭載のギブソンLG-2で試してみましたが、生音の違いがそのままVE-8からの出力で認識できたのには驚きました。
フットスイッチには「CHORUS」と記載されていますが、8種類のタイプに変更可能。しかも3種類まで同時に使用できます。個人的にはソロ用にディレイを使う場面が増えそう。今までライブではBOSSの”AD-8”を使ってきたのですが、今後の仕事ではVE-8に置き換え決定です。
ボーカル用エフェクト
こちらのサウンドもナチュラル。「Enhance」と「Reverb」を掛けるだけで、生声だけよりも心地良く歌うことができます。久々にビートルズの曲とかを歌いまくってしまいました。ギターのコードに追従させてコーラスを付加できるハーモニー・エフェクト(キー指定も可)、プロ・ボーカリスト御用達の”VE-20”でもお馴染みのピッチコレクトや「ラジオ・ボイス」なども楽しめます。瞬時に全てのエフェクトをバイパスできる機能はライブでのMC時に重宝しそうです。
ギターとボーカルのエフェクトの組み合わせをパッチとして50個まで保存できます。
ミキサーとしてのVE-8
弾き語りミュージシャンにとっては、VE-8本体にイヤモニを接続するだけで、簡単にプロ同様の環境を構築できます。ステージで最も重要なモニター・サウンドをPAエンジニアの手を煩わすことなく最良の状態に仕上げることができるのです。ボーカルとギターのバランス、リバーブの調整も手元で行えます。しかも、4系統の出力のアサインも自由自在。歌とギターをパラで別チャンネルに送ったり、イヤモニ側だけにリバーブを掛け、アウトプットではドライ音を出力したり、などと状況に応じた設定も可能です。
チュートリアル・ビデオ
このVE-8の基本的な機能を説明したビデオがYouTubeで公開になっています。上記の映像もその一部です。恥ずかしながら、少しだけ歌ったりもしていますが、よかったらご覧ください。(YouTubeにリンクしています)
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