2017年7月12日水曜日

祝!BOSS OD-1復活!!

1977年にリリースされた、最初期のBOSSコンパクト3機種をまとめての復刻のニュースに、沢山の人が驚かれたのではないでしょうか?「技クラフト・シリーズ」で“DM-2W”、“VB-2W”や“CE-2W”といった過去モデルのリイシューはありましたが、「豪華仕様の3モデルのボックス」で、「1500セット限定」とは…。今年は何と言っても「BOSSコンパクト発売40周年」ですし、中古市場で高騰している4段フェイザーの「PH-1」、希少な1バンドパライコ「SP-1」、そして、オーバードライブの伝説的名機「OD-1」の3モデルのセットなわけですから、とにもかくにも嬉しい復活です。同じく、新製品のマルチエフェクト・スイッチャー「MS-3」や「RV-500」などと一緒にボードに並べてみました。


そうそう、同じく40周年記念の「DS-1」のブラック仕上げバージョン「DS-1 4A」もありますぜ。


OD-1との出会い

1970年代、エフェクターは国産のものよりも、欧米製のモデルのほうがブランド力がありました。中でも、70年代後半は「MXR」の独壇場ともいえる状況。BOSSはコーラスの「CE-1」を始め、いくつかのモデルを発売していたものの、全て大型のモデルで当初は影が薄かったと思います。国産メーカーだと、エフェクターに限って言えば「Maxon」や「Guyatone」のほうが存在感があったように記憶しています。高校生だった僕も必死でバイトしながら、「アタッチメント」(当時はエフェクターをそう呼んだのです)を1つずつ買い揃えていきました。
 1977年にOD-1が発売されると、特に国内のスタジオ系プレーヤーに圧倒的に支持されます。その結果、70年代後半から80年代に掛けての多くの歌謡曲やJ Pop(ニューミュージック?)で使用され、今でもそのサウンドをさまざまな作品で確認することができます。僕自身は、最も尊敬するギタリスト、森園勝敏さんがMXRの「Dyna Comp」と「OD-1」、そしてローランドのアンプ「JC-60」の組み合わせで演奏していて、そのサウンドに衝撃を受けて新品で購入したのが最初の出会い、1983年のことです。

ゲットしたのはいわゆる「黒ネジ」で、オペアンプはNEC製のC4558Cという仕様。現在では、OD-1は発売期間中に使用パーツや回路の変遷があったことがよく知られています。(勿論、当時は知りませんでした…)



持つべきものは…

何年か前に、高校時代のバンド仲間と久しぶりに一緒に演奏する機会あって、その際、ベース担当の石黒くんが「僕が持っているより中野くんが持っているほうが良いと思う」といって、古いエフェクターをいくつか譲ってくれたのです、ありがたいことに。何と、その中に79年製「銀ネジのOD-1」が含まれていたのです。嬉しくて2個を並べて撮った写真がこれ。モデル名のロゴの「ハイフン」が全角と半角で異なっているのがわかります?(ODー1とOD-1)



「JRC4558D」というオペアンプが搭載された個体。銀ネジの中期モデルでは標準的な回路のようです。


最初期モデル

2015年に「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 3」を執筆したときに、仕様の異なるモデルをお借りして、弾き比べを行ったことがあります。このときは4種類の個体をテストしています。



この写真の1番右側は「レイセオン製クアッド・オペアンプ RC3403ADB」が搭載されていた最初期のモデルです。下はその内部写真。



最初はサウンドにそれほど大きな違いはないように思えました。が、ES-8側のバッファーをオフにしたら、かなり違った結果に。実は79年代後半頃、オペアンプの選定だけではなく、バッファー回路の設計も変更されており、それに伴って入力インピーダンスの仕様も変更されているのです。


さて、今回のリイシューの出来映えは?

今回のリイシュー、まがいも無い元祖OD-1のサウンドが完全に再現されています。最初期モデルと同じタイプのクワッド・オペアンプを採用し、入力インピーダンスも当時と同じ「220kΩ」と低い値に設定されています。ギター側の最前段に接続し、ギターボリュームをやや絞ると、独特のマイルドなギター・サウンドが得られます。一方、前段に現行のモデル(例えばBD-2などをオフ状態で)を接続すれば、OD-1に入力されるインピーダンスは低くなりますから、滑らかでスッキリしたサウンドになります。初期型のサウンドの特徴はオペアンプというよりも、この入力インピーダンスの影響が大きいのでは?と個人的には思っています。今回のモデルを購入した際には両方の接続方法を是非試してみてください。それにしても、ビンテージ系の真空管アンプとの相性は抜群。コンプレッションの効いたチューブ・アンプをブーストすれば、伝説のロック・サウンドが甦ります。


ということで、今回のBOXセットの発売は8月下旬とのこと。限定品なので、欲しい人は早めに予約をされたほうがよいかもしれません。


詳しくは公式サイトをご覧ください。



2 件のコメント:

  1. ここ数年、中野さんがブログでご紹介された機材を購入してギターを楽しむのがライフワークになっています。
    久々の更新とっても嬉しいです!

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    1. 嬉しいお言葉、ありがとうございます!

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