2015年5月25日月曜日

BOSS・ES-8レビューその2

発売直前の画期的スイッチャー=「ES-8」のレビュー第2弾です。既存のスイッチャーを大きく超える多彩なコントローラー機能をご紹介しましょう。

※ES-8レビューその1はこちら

コントロール・イン

外部フットスイッチなどでES-8本体の設定をコントロールすることができます。僕は写真のようにFS-7を接続していますが、TRS(ステレオ)ケーブルを使うことで「CTL1&CTL2」として2系統の操作を1本のケーブルで行えるようにしています。


省スペースのため、L字プラグのTRSケーブルを使用。これは「Custom Audio Japan」製のものです。


ES-8のアサインをパッチごとに設定することで、多様な効果を得ることができます。僕自身はここに「インプット&アウトプット・セレクト」や「パッチ・モード時にディレイやコーラスだけをOn/Offするスイッチ」、「Volume LoopのON/OFF」などをアサインしています。

●コントロール・アサイン

外部フットスイッチだけでなく、本体の全てのスイッチをカスタマイズすることができます。パッチ・モード時でも特定のフット・スイッチをコントロール用に動作させることができるので、自分にとって使い易い設定を考えてみてください。例えば、ループの「7」や「8」などにアサインすれば、7&8のパッチ変更はキャンセルされ、コントロール・ペダルとして動作します。その際、他のパッチに移動した場合は、通常の「7 or 8」番パッチを呼び出すようにすることもできるというところがミソです。
 
それぞれのスイッチに対して簡易な設定を行うことができる他、GT-100の8個を超える、12個の「Assign」を割り当てることができます。「SOURCE」と「TARGET」を設定することで、ES-8本体と外部に接続した機器をコントロール可能。


GTシリーズのように、各スイッチに付随しているLEDの点灯さえも設定可能。僕はLoop=「8」にディレイを接続していますが、パッチ・モード時もディレイがOnになっているパッチは8番のLEDが点灯するようにしています。

コントロール・アウト

パッチに追従して「CTL OUT」に接続した機器をコントロールすることもできます。例えば、「DS-2」のリモート・ジャックに接続すれば、パッチを切り替える度にターボ・モードの設定も自由自在に行えます。


ここも非常に考えられていて、「LATCH」タイプではない仕様のモデルにも対応しています。例えば、Bognerの「Ectasy Red」のリモート機能はモーメンタリー式のスイッチを使う必要があるのですが、通常のモーメンタリーだと本体側のフット・スイッチがキャンセルされる仕様。ES-8はモーメンタリー用に「PLS」と「INV」の2種類が搭載されているので、接続機器に合わせて設定することで問題無く使用できます。


Bognerの場合、「INV」に設定すればEcstasy本体側のスイッチも有効になります。


因みにこのモデルの場合、TRSケーブルを使えばエフェクトのON/OFFとブーストのON/OFFをそれぞれにコントロール可能です。

ディレイ・タイムを追従させる

コントロール・アウトに接続したディレイなどの「Delay Time」をパッチに追従させることも可能です。DD-20を使って設定方法を説明した動画を撮りましたのでご覧ください。


ここではタイム表示があるDD-20で説明していますが、タイム表示が無く、メモリー機能のない「DD-7」などを使った場合も、テンポに対して正確なDelayTimeを設定出来てしまうんですね。スゴイ!

一方、DD-7の【Delay Time】を動作中に動かすとピッチがグニョグニョに変化することはご存じだと思います。「EV-5」などを使って足で操作するなんていうワザも有名ですね。ES-8の「EXP」OUTを使用し、「Wave Pedal」という機能を使って自動化することもできます。DD-7との接続には「TRS(ステレオ)」ケーブルを使用します。これもムービーを見てみてください。


ここでは、わかりやすいように派手に動かしましたが、狭い範囲を微妙に動かすことで、「モジュレート・ディレイ」的な効果を得ることもできます。ピッチ・シフターの「PS-6」やフェイザー「PH-3」などのモジュレーション系に同様のアサインを行っても面白いと思います。


MIDIセッティング

MIDIは大きく分けると以下のような使い方が想定されます。

1. 外部のMIDI機器からES-8をコントロール
GTシリーズなどのパッチ・チェンジと同期させたり、ステージ袖でローディーさんが別のコントローラーを使ってパッチ切り替えする場合などに便利ですね。

2. 外部のMIDI機器のパッチを同期
マルチ・エフェクターやMIDIとメモリー機能を搭載したモデルのパッチを同期させることができます。MIDIチャンネルを分けることで、最大で8チャンネル分のプログラム・チェンジを送信できます。勿論、その際のPCナンバーはチャンネルごとに設定可能です。


3. MIDIコントロール・チェンジ
CCナンバーを送信することで、外部機器側のパラメーターをコントロール可能。パッチ・チェンジ時に、最大でパッチに対して8チャンネル×2=16個ものデータを送信できます。パッチ同期に加え、CTLアサインも行えばさらに多くの設定を送信することも可能です。MIDI系もCTL系も、パッチ切り替え時に自動送信させることと、特定の動作(例えばスイッチを踏むことなど)で送信することを別々に設定できる、というところがポイントです。


4. テンポ情報の同期
DAWや外部機器とテンポ情報を共有することができます。スライサー=「SL-20」や新しいギターシンセ=「SY-300」と同期させても面白そうです。同期はMasterとしてもSlaveとしても使えます。

さて、いかがだったでしょう?あまりにも多彩な機能があるES-8なので、僕自身もどのように使用するかまだまだ実験中という感じです。面白い使い方を発見したらまたレポートします。

2015年5月22日金曜日

「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 3」発売!

新刊「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 3」が昨日、無事に発売されたようです。今回は、「BOSS歪み系ペダル編」ということで、全41モデルを対象に、たっぷりと時間を掛けて書き上げました。おそらく他では読むことができないBOSSの歪み系の秘密や、BOSS以外のモデルとの比較なども交えて執筆しています。是非、ご覧ください!

本書の「はじめに」の部分を公開致します。

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はじめに

 多くのギタリストにとって、ギターやアンプの次に最も重要なアイテムは、歪み系エフェクターなのではないでしょうか? BOSSのコンパクト・シリーズは、既に100種類を超えるモデルがリリースされていますが 、その中の約1/3が歪み系であることからも、その重要性を計り知ることができます 。今回の「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック」は、BOSS の歪み系エフェクターがテーマ。 本書では、 BOSSコンパクトの歪み系モデルを41 機種(ローランド・ブランドのモデル、“FB-2”やレジェンド・シリー ズを含む)について詳細に解説します。 各モデルが発売された歴史的背景や、後に与えた影響なども 踏まえて発売順にご紹介。現行機種として今でも購入できるものも、すでに生産が完了しているもの も分け隔てなく書いたつもりです。
 筆者は1989年以降、セッション・プレイヤーとしての活動と並行し、BOSSのデモ・プレイヤーとして多くのイベント、セミナーなどで演奏してきました。「BOSSコンパクト辞典」の付属CDや、楽器店で配布されていたDVDや公式サイトの動画などでデモを聴いていただいたことがあるかもしれません。今回、これらの仕事を通して発見したことや、開発エンジニアとのコミュニケーションの中で知り得たさまざまな情報を公開します。
 各モデルに搭載されているコントローラーが、実際はどのように動作しているかや、電気回路が各製品にどのように影響しているかなど、僕自身が疑問に思っていたことも含めて解き明かしていこうと思います。
 今回の執筆にあたり、現行モデルは勿論、今や伝説となった「幻のモデル」や BOSS 以外の歪み系 モデルも含めてたっぷりと時間を掛けてテストを繰り返し行ないました。 付属の CD にはこれらの実験中に録音した音源から選りすぐったサウンドを収録しています。こちらも是非、聴いてみてください。
 お楽しみ頂けたら幸いです。
 
                             中野 豊


2015年5月17日日曜日

BOSS・ES-8レビューその1

いよいよ、5月28日(木)に発売が決定したBOSSのスイッチャー=ES-8。使えば使うほど、スゴイ製品に仕上がってきたなぁ、と実感しています。僕自身はエフェクターボードの中身をあれこれと入れ替え実験継続中なんですが、ホント、楽しすぎます。コンパクト・エフェクターだけでなく、GT-001を入れてみたりしています。(これは結構便利かも!)

※ES-8レビューその2はこちら


「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック3」とES-8

5月21日(木)には拙著「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 3」が発売されます。今回はBOSS歪み系エフェクターがテーマ。モデル別のサウンドの違いや、他のメーカーとの比較実験などを行う際に、この「ES-8」は非常に役に立ちました。ケーブルを差し替える事無く、多数のモデルを聴き比べられる環境がなければ書けなかったことも多かったですし、何より、パッチ切り替え時の音切れやノイズなどは全く無いことで、正確な判断ができたように思います。この本については後日に改めてご紹介させていただく予定です。(Amazonへのリンクはこちら!

ES-8でどんなことができるかはBOSSの公式サイトにも詳しく解説されているので、ここでは具体的な画面構成などをご紹介しましょう。

プレイ・モードとエディット・モード

まずは基本的な設定方法から見ていきましょう。ES-8はBOSSのマルチ・エフェクター=GTシリーズなどと操作手順が似てますので、BOSS製品を触ったことがあれば、基本的な操作はマニュアルを見なくても簡単に行えるはずです。さらに、ES-8はエフェクトのOn/Offや接続順序、簡易なコントロール・アサインなどはエディット・モードに入らなくても行えるようになっているんですね。本体の[ DISPLAY/EXIT ]ボタンを押すと、次々に画面が切り替わっていきます。パラメーターを表示するだけでなく、カーソル&「+&-」ボタンで設定を変更出来るというわけです。



・パッチ・ネーム画面


これが基本の画面。パッチ毎にテンポを設定することができます。パッチネームの変更は [WRITE]ボタンを押してから行います。


・Loop On/Off画面


各ループのOn/Offを表示/変更できます。


・Loop Structure画面


エフェクトの接続順やパラレル・チェイン(並列接続=複数のエフェクトをミックス)の設定を行えます。また、「キャリー・オーバー」という機能を使うことで、ディレイなどの残響を残したままパッチの切り替えが可能になります。

一連の流れを動画にしてみましたのでご覧ください。


その他に「コントロール・アウト」の設定画面があります。


クイック・エディット

ここまでの設定はボタンを手で押していましたが、足元に置いたスイッチャーを立ったままでエディットすることができる機能もあります。各エフェクトのOn/Offを行える「マニュアル・モード」が搭載されているスイッチャーは多いですが、ES-8は保存の操作までを足で行えるようになっているのです。これも動画で確認してみてください。


屈んだり、しゃがんだりしなくていいので、各エフェクトの組み合わせなどを演奏しながらテストできます。動画では先にスイッチを長押ししていますが、マニュアル・モードで設定後に [MEMORY/MANUAL]スイッチを長押しでもパッチの保存が可能です。


インプット&アウトプット・セレクト

2系統のインプット&アウトプットでギターの持ち替えや、アンプの切替を変更できます。フット・スイッチなどに切替をアサインすることで、ケーブルを差し替える事無く素早く聴き比べができそうですね。スタジオでJC-120とマーシャルのどちらを使うか、なんて悩んだ時などにも超便利!



バッファーとパッチ・レベル

スイッチャー本体のバッファー・アンプを、ケーブルの接続自体を変更すること無く、内部スイッチで切り替えられます。システム全体を設定することも、特定のパッチだけ変更することもできます。ヴィンテージ仕様のファズやワウ・ペダルなどを使う場合、バッファーを通した後に接続するとサウンドが変わってしまうことがありますが、ES-8ではそのエフェクターを使うパッチのみ、バッファー・オフに設定できるようになっています。


バッファーはインプット部とアウトプット部を別に設定できるこだわりの仕様。アウトプット・バッファーをOnにすれば、各パッチの音量調整もES-8側で行えます。


個人的にこのモデルを使って特に感心したのは、バッファー=On時のサウンドに劣化が認められなかったこと。低域や高域のロスが全くありません。通常使用ではOnで使うことを推奨します。やりたいことを妥協せずに、数多くのエフェクターを使えるのがメチャ嬉しいです。


ボリューム・ループ

ボリューム・ペダルを接続できます。ES-8ではこのループの接続順さえパッチごとに変更出来るので、あるパッチでは歪みの後段に接続して音量調整に、また別のパッチでは最前段に設定してボリューム奏法や歪みの深さをコントロールしたりできます。

また、このループはフット・ボリューム以外のものを接続してもOKです。僕はライブではFV-30Lなどを使うつもりですが、自宅ではジャンクション・ボックスを経由して、第9のループとして利用しています。

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ちょっと長くなったので、強力なコントロール&アサイン機能や、MIDIなどの仕様については「その2」として書くことにします。暫し待たれよ〜。

2015年4月29日水曜日

エフェクターボードを新調しました!

ご無沙汰です。ハイ、おかげさまで僕は元気にしています。長い期間、ブログを更新できず申し訳ありませんでした。いくつかの仕事が同時進行していて、常にそれらのことが頭の中を占有していて余裕が無かったんです。とりあえず今は片がついてホッとしているところです。

新刊発売!
で、何をしていたかというと…。実は来月に僕が執筆を担当したムック本(3冊目!)が発売になります。内容に関してはまだ公開できないのですが、まあ、僕に書くことができるのはやはりギターや機材などのこと。BOSS製品を中心にしたテーマで今回も書き下ろしました。ご期待ください!

ES-8の基本仕様
BOSSのスイッチング・システムのニューモデル、「ES-8」がそろそろ発売になるみたいです。基本的な仕様は以下の通り。

・エフェクトの接続順の変更も可能な8ループ+ボリューム・ループをコントロール
・複数のエフェクターのサウンドをミックスできる「パラレル・チェーン」機能
・空間系エフェクターの残響音を途切れさせない「キャリー・オーバー」機能
・CTL端子やMIDIなどによるリアルタイム・コントロール機能
・パッチネーム入力も可能にした「LED」ディスプレイ
・複数のギターやアンプもコントロールできる「Input&Output Select」機能
等々…。


僕がこのモデルを気に入った最大の理由は、信号の劣化を全く感じさせないサウンド・クオリティそのものだったりします。その他の件も含め、本機の詳細については近日中にレポート予定です。

エフェクターボードの購入
というわけで、エフェクターボードを新調しました。昨年まで使っていたスイッチャーは5ループの小振りなモデル。こんな感じで使ってました。


全てのエフェクターを一旦取り外し、これまでのボードにエフェクターを仮で置いてみます。これはPULSE製の600×400mmのもの。ES-8はいわばフルスペックで、サイズもやや大きくなるので、ボード自体を流用するのは少し無理のようです。特にタテに2個のエフェクターを並べるには奥行きがやや足りません。


そこで、新たにボードを注文しようと思ったのですが、同社製のものは横方向のサイズが大きくなるだけ(700×400mm、800×400mmなど)なので今回のケースではNG。その他のメーカーでは奥行きが500mmになってしまうものが多くこれだと少し大きすぎるかも、と思って、サウンド・ハウスで在庫を確認したところ、PULSE製の特注モデルとして「700×450」というサイズが販売されているのを発見。これを注文することにしました。結果は写真の通り、ES-8を置いたあとのスペースでも、コンパクト・タイプならタテに2台並べることができました。BOSSのコンパクトなら最大で「11台+DD-20」が入る大きさです。(エフェクター自体は暫定的に入れてみたものです)


重くなってしまうことを心配していたのですが、必要最小限のモデルだけを載せればスイッチャー本体やボード自体の重量はさほど影響しないことに気付きました。勿論、上の写真のようにギッチギチにペダルを入れてしまえば重くなりますが…。ジャンクション・ボックスとACアダプター、パッチケーブルは以前のものを流用したので、スイッチャー本体を別にすれば、コストはボード代だけで済みました。


実際に使ってみると、細かい点にまでさまざまな配慮がなされていて、仕事をしていることを忘れてしまうぐらい楽しいです。ライブでいろいろなタイプのエフェクターを接続するのも便利ですが、手持ちのエフェクターの聴き比べを行うのに最適な製品でもありますね。ショップでの試奏コーナーにも常備して欲しいくらいです。

新製品ラッシュ
僕がブログをサボっている間に、BOSS/Rolandの新製品が続々と発表されていることは皆様ご存じの通り。「SY-300」、「Blues Cube Artist212/Tour」、「BB-1X」、「PW-3」など、どれもが高品位で革新的な製品。追ってレビューします。お楽しみに!!

2015年1月25日日曜日

Blues Cube Artistレビュー

世界最大の楽器ショー、Winter NAMM 2015が開催されています。各社から新製品が続々と発表され、今年は個人的にもワクワクさせられるモデルが出品されているように感じます。Roland/BOSSの多くの新製品が発表になりました。今のローランド、勢いがありますね。

「Blues Cube Artist」を以前にライブで使ってみたよ〜、というご報告はさせて頂いていましたが、そろそろ発売になりそうなので、追加レポートを書くことにします。


Blues Cubeの概要

これまでのCUBEシリーズなどのような「JC Cleanからハイゲインまでをモデリングした」製品ではありません。基本的にはCleanとCrunchの2ch仕様。名機として知られるような真空管アンプのサウンドを徹底的に追求した製品なのです。

CLEANチャンネルも【VOLUME】を上げていくと少しづつ歪んできます。でも、ただ歪むんじゃなくて、絶妙なコンプレション感が加わってくるのが特徴。一昨年、マーシャル・ミュージアムでプレイしたヴィンテージのチューブ・アンプの弾き心地が甦りました。「音が太い」のは勿論、「弾きやすさ」というところを是非体感してみてください。

Crunchチャンネルのサウンドはそれほど深い歪みではなく、クランチ〜ナチュラル・オーバードライブ的なサウンド。「Boost Sw」や「Tone Sw」なども搭載されていますし、コンパクト・エフェクターなどを組み合わせれば、さまざまなバリエーションを生むことができるでしょう。その辺りに関しては、僕自身ももう少し研究してみたいところです。


詳しいスペック等は公式サイトをご覧ください。

自宅で使ってみた

家に持って帰るときに驚いたのはその軽さです。ギターアンプというと、腰を痛めてしまうほど重いというモデルも多いでしょう?でも、このアンプ、サイズ的には80Wアンプ相当の大きさにもかかわらず、持ち運びが全く苦になりません。ツアーケースに入れてのクルマへの積み下ろしも楽勝!


防音されていない普通の部屋では15ワットのアンプでさえ鳴らすのは難しいですね。チューブ・アンプも含め、何台かのアンプを所有していますが、自宅で使うのはもっぱら、「Micro Cube」や「Cube Lite」だったりします。このBlues Cubeには「POWER CONTROL」という機能があって、音色を変えずに音量だけを下げることができるんです。ギターアンプって音量を調節しただけで音色も変わってしまうものなんですが、これは前述したコンプレションなどによる弾き心地を維持したまま、適切なレベルにすることが可能なんです。


「0.5W」に設定すれば、普通のマンションの部屋でも無理なく鳴らせます。実際にプレイしてみると何とも不思議な感じです。自宅では味わったことの無いような心地良いサウンド。これは楽しい!!

ライブでも使ってみた

先日のZeroさんのライブ・ツアー。以前にもレポートしましたが、Cleanチャンネルのみを使用し、コンパクト・エフェクターを組み合わせる方法を採用。本体のリバーブもクリアでとても使いやすいサウンドでした。


CleanとCrunchの両方のサウンドをミックスする「DUAL TONE」や空間系などを接続できる「Send/Return」など、今回のライブでは試せなかった機能がありましたが、非常に可能性を感じます。いずれじっくりと実験するつもりです。


この写真、ちょっと変わってるでしょう?左側が客席側なのですが、ギターアンプが真横を向いています。実は東京(中野サンプラザ公演)のみ、ストリングス・セクションの皆様と演奏することになっていて、彼らの席は僕の立ち位置の正面にセットされていたのです。バイオリンなどをマイク収音している方に向かってアンプを鳴らしたら音が被ってしまいますし、何より弦の方々の演奏に支障が出るのは必至。そこでこんなセットアップになりました。


こんな状況でも役に立ったのが前述した「POWER CONTROL」機能。実際にリハが始まって、もっと音量を下げる方が得策と思い、設定を「45W」に。


僕自身はイヤモニを使っていたので、爆音を鳴らす必然性は皆無。モニターで聴く限り、音色が全く変わらないことが確認できました。もし、真空管アンプだったら音色をキープすることは難しかったかもしれません。

そして何と、エリック・ジョンソン

新たに「Tone Capsule」という機能が紹介されました。これはチューブ型のカプセルをBlues Cubeに挿すことによって、エリック・ジョンソンが監修したアンプ・サウンドに切り替えられるというスゴイ機能。エリック所有のヴィンテージ・フェンダーやマーシャルのサウンドが手に入れられるってこと?これは大いに期待したいところですね。ビデオもどうぞ。


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BOSS関連の新製品も、スイッチャーの「ES-8」を始め、ベース用エフェクターの「BB-1X」などが注目を集めているようです。これらもBOSSの開発チームがこだわり抜いて設計したモデル。ハッキリ言って予想を上回る仕上がりになっています。後日、こちらもレビュー予定です。お楽しみに!!

※誤表記があったため、文中の一部を削除しました。(1/26)

2015年1月16日金曜日

一家に1台~Session Mixer HS-5レビュー

昨年の楽器フェアでのHS-5。僕のデモでは単なる複数のヘッドホンが接続できるヘッドホン・アンプとしてしか使っていなかったのですが、今回、ローランドさんからお借りして自宅でじっくり触ってみました。今までにありそうで無かった、想像以上にいろいろなことができる機材ということがわかりました。順を追って使い方を解説していきましょう。



HS-5のセットアップ

HS-5はヘッドホンを使用して、複数のプレーヤーが同時に楽しく演奏することができる製品です。A~Dまで独立したヘッドホン・アンプ4人分、メイン・アウト用のヘッドホンを含めれば同時に5人以上での演奏が楽しめます。

「A」のインプットにギターを接続するとします。リア側にインプット端子があり、マイクを接続できるXLR端子も用意されているのが見えますね。シンセなどをステレオで入力することも可能。マニュアルには書いてないのですが、こちらの実験ではギターとマイクの両方を同時接続することも可能のようです。


Aのプレーヤーは「A」に、Bのプレーヤーは「B」にヘッドホンを接続します。標準とミニのジャックが両方用意されているのもありがたいところ。(これも同時接続OK)

次に【INPUT】ボタンを押して接続した楽器のインジケーターをセレクトします。これによって、それぞれのパートに相応しいエフェクターが自動的に選ばれます。


「GTR」を選んだ場合は、GTシリーズなどでもお馴染みのCOSM AMP=JC-120、フェンダー、VOX、マーシャル、ヒューケトなどのモデリング・アンプ・サウンドをを切り替えて使うことができます。「BASS」や「MIC」を選択すれば、コンプやディレイなどを含む、ベース用やヴォーカル用などのマルチ・エフェクターが立ち上がります。

因みにエフェクトのタイプ切替は【INPUT】ボタンを押しながら、上部の【A】ノブで変更します。また、【INPUT】を長押しすることで上部の【A~E】ノブでパラメーターを変更するモードに移行します。「GTR」の場合はノブの下に表示されている「GAIN」や各トーンの調整が可能です。


CUEボックス機能

それぞれの楽器のセットアップが完了したらすぐに演奏を開始できます。ヘッドホン端子の音量は充分。普通のヘッドホンなら12時以上にすることは無い感じ。音質もバッチリです。このモデルの最大の特長は各人のヘッドホンのバランスをプレーヤーの好みで自由に設定出来るところ。【MY MIX】で自分の楽器レベルとその他のプレーヤーのレベルを簡単に調整できます。これができる機材はあんまり無いんですよ。


プロのレコーディング・スタジオには「キューボックス」と呼ばれるヘッドホン・アンプが人数分置いてあり、リズム録り(バンドで一斉に演奏)のときに必ず使います。HS-5はこの機能が1台に集約されているというわけです。


また、サブ・ミキサー機能を使うと更に細かい音量調節が可能で、他のプレーヤーのモニター・バランスに影響を与えずに、「ドラム大きめでベース小さめ」なんていう自分用ミックスが簡単に作れます。多機能なミキサーと5台のヘッドホン・アンプが無いとできないことが、これ1台でできてしまうのです。(下の写真はメイン・ミキサー画面。メイン・ミックスの他に4種類のサブ・ミックスを作ることができます)


演奏しやすいように【REVERB】を掛けるのも簡単。各セクションの専用ツマミを上げるだけです。

あと、【MIX A~D】ボタンを長押しにすることで、「SOLO機能」を有効に出来ます。自分のヘッドホンに自分の音だけを返し、他の楽器の音をミュートすると同時に、他のプレーヤーのヘッドホンには自分の音を出力しないようにできます。チューニングしたり、自分の苦手なフレーズだけを繰り返し練習したい場合に便利に使えます。至れり尽くせり!

メインから適切なバランスでスピーカーなどに出力しつつ、イヤモニで各人が演奏しやすいモニター環境を構築できるので、プロ顔負けのライブ用PA機材としても使えそうです。

中野家では

我が家のカミさんは元ベース弾き。HS-5が家に来たことでベース熱が再燃しちゃいました。最初はギターとベースと内蔵のクリックだけで、そして、USB端子にMac Bookを接続して簡易なドラム・パターンを流してのセッションで盛り上がります。そう、HS-5はオーディオ・インターフェイスとして使うこともできるのです。それなら、ということで、演奏したいという曲のドラムやピアノなどをササッとコピーしてDAWに打ち込んでみたら、楽しさが倍増!!



DAW側から見た場合、HS-5の各パートは独立したInputとして認識します。Input1&2=「A」、Input 3&4が「B」~という風になりますので、トラックに分けて録音することができるんです。(2Mixでの録音も可)


だから、ギターの録音が終わってしまっても、納得いくまでベースだけ繰り返し練習、録音も可能ということ。「あのう、もう夜の11時過ぎてるんですけど…」といった場合も近所迷惑にもならないので、ガンガンイケるってわけです。


2人以上で演奏する機会があるのなら、持っていたらかなり楽しめる製品でしょう。

バンドで使うなら

バンドなどを組んでいる方なら、ヘッド・アレンジなどの作業を、スタジオ代を気にせず自宅で、しかも静かに行うことができます。V-DrumやHand Sonicなどがあったら最高でしょうね。また、本機にUSBメモリーを挿すことで、PCを使わずに演奏をそのまま録音、再生することも可能です。



バンドで一斉に演奏したときにだけに生まれる「魔法」を経験した人も多いのではないでしょうか?HS-5ならいつでも気軽に演奏できるので、そんな瞬間を何度も味わえるかもしれませんよ。

HS-5の公式プロモーション・ビデオ。この製品の楽しさをうまく表現しています。是非、ご覧ください。


2015年1月12日月曜日

お宝エフェクターの世界

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年も楽器の話を中心にボチボチ、ブログ書いていきます。

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映画「FUZZ」

今から5年くらい前、「歪み系エフェクター、それもファズをテーマにした映画が公開になる」なんて話は聞いていたものの、その存在をすっかり忘れていました。Amazonで検索を掛けたらすぐに見つかり、しかもマーケット・プレイスで中古が安く出品されていたので購入してみました。いやぁ、これはギターも弾かず、エフェクターに興味が無い人には絶対勧められないマニアックな映画ですね。「下に恐ろしきかな、コレクターの世界」といった案配ですが、僕にとっては大変面白い作品でした。エフェクターを使うミュージシャンだけでなく、開発者やディーラーなどが多数出演して、エフェクターに対する愛憎を語り尽くします。


エフェクターを買う動機は人それぞれ。

1. 自分の音楽を表現するのに必要だから
2.   そのモデルが流行っているから(好奇心から)
3. コレクションとして

僕自身はエフェクターは大切な道具として捉えていたので、「1」の考え方。その時点で必要なモデルを買って、不要になれば処分するというスタンス。でも、最近は仕事柄、売れていたりスタンダードと言われる機種は試しておかないとね、という場合もあり。必然的に数が増えてくると「3」の気持ちも少しわかるようになってきました。

ファズ・コレクション

そんなわけで、有名どころのリイシューは一通り持ってますが、ヴィンテージ・ファズはほとんどありません。古いのは2機種のみ。

・Ace Tone FM-3
「FUZZ MASTER=FM-3」は1971年発表だそうですが、ギターを始めた1975年に新品で買いました。6,000円くらいだったと思います。マニュアルに「和音を弾いてはいけません」と書いてあったのですが、素直な高校生だった僕はコードを弾くとどんな恐ろしいことが起こるのか…、と心配していたことを思い出しました。


・Roland AF-100
1972年発売の「Bee Baa」と名付けられたこのモデルは、2種類のファズ・サウンドを切り替えられます。このモデルも高校生の時(77年頃)、PAのバイトで行ったチューリップのコンサートで、当時のローディーさんから貰いました。この写真のものはその個体ではなく、後日に別の方に頂いたものですけど。意外に普通に使えそうな音です。


機会があればどこかでそのサウンドをお聴かせ致しましょう。

Way Huge

エフェクター・ブランド「Way Huge(ウェイ・ヒュージ)」を主宰していたジョージ・トリップス氏も映画「FUZZ」に登場します。

以前にシンコー刊のムック「エフェクター・ブック」にこのブランドが特集されていたときに、「僕も1個持ってますよ」とシンコーの編集の方に写真を送ったところ、「それは希少なものだから、大事にした方が良いですよ」と言われたのが「Green Rhino」というオーバードライブ。


何でも、「TS系クローンの最高峰」(※註)とか呼ばれることもあるらしく、現在はジム・ダンロップ社からリイシュー・モデルも発売されています。僕は1995年頃にローランドのギターアンプ=(旧)ブルース・キューブをブーストさせるために、たまたまオリジナル・モデルを買いました。2万円位だったような。で、その当時の写真。ピントはボケてますが、足元にあるME-Xの中に緑色のモデルがあるのが見えるでしょうか?(写真クリックで拡大できます)


※TS系
日本の楽器ブランド、「Ibanez」が発売している「Tube Screamer」というオーバードライブと、そのコピーモデルの総称。主にフェンダー系アンプをブルージーにブーストできる製品として有名。型番や年代によって微妙にサウンドが違うといわれており、古いものは高値で取引されている。(って解説しても「意味不明!」か、「そんなこと知ってるよ!」という方に二分されそう…)写真はTS-9のリイシュー・モデル。



Way Hugeは、もう長い事使っていないのですが、他人からそんな風に言われると気になるもの。デジマートやオークション系サイトで調べてみたら、8万円を超える値段が付けられていて、しかもスグに売れてしまっていたのを見てビックリ。

オークション・サイトなどには、その個体の詳細なデータが出ています。製作年とかシリアル・ナンバーとか。あまり気にしたことなかったのですが、中を開けてみてさらにビックリ!


1995年10月のタイム・スタンプは最初期らしいのですが、シリアル・ナンバーは「002?」。2個目に作られたモデルっていうこと?何でそんな個体が日本に来てたの?いろいろ想像するだけでも楽しいです。(Way Hugeはアメリカのブランドです)

でも、ヴィンテージもののコレクションを趣味にしたらいくらお金があっても足りなさそう。オレはハマらないぞ!