2018年10月12日金曜日

緊急レポート! BOSS MT-2W編

 先週、BOSSの「技クラフト・シリーズ」の新作、「MT-2W」と「DC-2W」が発表になりました。今回は、特に人気モデルの「技クラフト」化なので、仕上がり具合が気になる方も多いかもしれません。一足先に自宅で試させて頂いたので、MT-2Wの個人的な印象をまとめてみたいと思います。


が、その前に…、

MT-2とは?

 今回のモデルの元になった「MT-2」は1991年に発売されて以降、ハイゲイン系ディストーションの代表的モデルとしてベストセラーになりました。BOSS以外の多くの機材にモデリングされていることからもその知名度の高さがうかがえます。どんなギターでも深く歪ませることができるので、長いサステインを伴ったパワーコード、分厚いリフはもとより、シングル系PU搭載のギターでの単音弾きでも、粘り感の強い、伸びやかなリード・サウンドを得られます。小音量のミニ・アンプなどでも迫力あるサウンドを響かせられる点も人気の秘密です。効きの強いセミ・パラメトリック仕様の3バンド・イコライザーでドンシャリ系〜ミッドの強いサウンドまでを演出。多弦ギターの低音弦でも簡単に歪みきらせることができます。

 ネーミングからメタラー御用達のイメージがありますが、現在では、ジャズ、ノイズ系、シューゲイザーなど、さまざまなスタイルのプレーヤーに愛用されています。



MT-2Wのカスタム・モード!!!

 で、今回のMT-2W。MT-2のオペアンプ×2基による増幅回路なのに対し、MT-2Wはディスクリート方式によるデュアル・ステージ・ゲイン回路。良質なバッファー回路の搭載と相まって、ハイゲイン・モデルなのに、ノイズが少ないクリーンなサウンドが特徴です。

 今回、個人的に最も注目して頂きたいと感じたのは「カスタム・モード」のサウンドです。これまでの「技クラフト・シリーズ」のカスタム・モード(特に歪み系モデル)は、ややマニアックというか、微妙なニュアンスの違いを味わえるものが多かったのに対し、MT-2Wの場合は、劇的にサウンドが切り替わります。まるで、ターボ・モードを備えているかのように…。

 スタンダード・モードはMT-2的でユニークなサウンドが特徴なのですが、カスタム・モードはハイゲインでありながら、もっとナチュラルな響き。輪郭のハッキリしたモダンなサウンドの印象です。DISTの設定によって、クランチ〜程良いディストーション〜ハイゲインまでを自在に設定可能です。


 イコライザーの効きはより強力に。ほんのわずか動かしただけで大きくサウンドが変化します。大胆な設定だけでなく、センシティブに調整することで目的のサウンドに追い込んでいくことができます。フェンダーやマーシャルなどのアンプとの相性も良さそう。Rolandの「Blues Cube」でも極上のサウンドに仕上がりました。アンプ側を少しだけ歪ませて、【DIST】を下げ【LEVEL】を上げた「ブースター」的な設定もOK。クリーン設定のJCとの組み合わせでは「HIGH」を少し控えめに設定すると良いかもしれません。

MT-2Wの使いどころ

 オーバードライブからファズまで、キャラクターの異なる歪み系をボードに搭載することは珍しいことでは無くなりました。MT-2Wは、伸びやかなリード・サウンド、「ハイゲインなアンプ・ライク」な使い方、飛び道具的な過激なサウンドまで、幅広いサウンドを作り出すことができるので、用意しておくことでいろいろな状況に対応することができそうです。これまでのBOSSのハイゲイン系のモデルはどちらかというとリフやバッキング向きのイメージがあるのですが、MT-2Wは単体でリード・サウンドまで対応できます。

 しかも、ギター側のボリューム操作することで、歪みのコントロールが可能。まるでBD-2のように…。【DIST】を上げたままの状態で、ギター・ボリュームを下げれば、3度を含んだローコードをガンガン弾いても濁らないトーンになるのは驚異的とも言えます。これなら、エフェクトをOnにしたまま、1曲を弾き通すこともできますね。

10月19日(金)発売とのこと。すでに、公式サイトでも試奏動画なども上がっているので、そのサウンドを確かめてみてください。



フレーズやセッティング、アンプとの組み合わせを自由に選択して試聴できる面白いページも公開されています。

こちらから!

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「楽器フェア2018」が10月19日(金)から10月21日(日)に開催されます。会場はお馴染み東京ビッグサイト。僕も前回に引き続きローランド・ブースに参戦致します。今回は大好評のマルチ・エフェクター=「GT-1」と「KATANA AMP」のデモを担当します。(尚、中野の21日の出演はありません)もちろん、今回ご紹介した「MT-2W」や「DC-2W」の試奏もOKです。是非、お越しください。

スケジュール等の詳細はこちらから→「楽器フェア2018」ローランド特設サイト