2013年12月25日水曜日

ZEROさんのツアー終了!

ありがたいことに本当に忙しいッス!

前回のブログ更新から1月経ってしまいましたが1日も休んでいません。まあ、ミュージシャンという仕事は、どこまでが仕事でどこからが遊びなのかは区別できないんですけどね。自分のできることは全てしてました。演奏すること、音楽を作ること、人前で話すこと、原稿を書くことなどの毎日、充実しています。

ツアー終了しました

今年から、韓国の実力派シンガー、ZEROさんのホール・ツアーに参加していました。2月15日から始まった長丁場のツアー。ツアー自体は11月27日に終了していましたが、昨日、12月24日のクリスマス・コンサートをもって、年内の全22カ所のコンサートは大きなトラブルも無く、無事終了。ZEROさんは歌もメチャクチャうまい上に、とても気さくでムチャクチャ良い人です。さらに、気心知れたメンバーと優秀なスタッフに囲まれて最高に楽しい現場でした。ツアー最終日にはステージ上でみんなで記念撮影しました。



最近の使用機材まとめ

このブログでも時々ご紹介してきましたが、今回のツアーでの機材はRolandのVGストラト=G-5をエレキのメインに使用。ストラト以外にもテレキャスターやハムバッカーのサウンドもバッチリ使いましたよ。曲による持ち替えも少なくて済んで助かりました。G-5はストラトと言いつつ、22フレット仕様なので、原曲がギブソン系を使ったと思われるハイポジションのフレーズにも難なく対応できて助かりました。これはサウンド・チェック時の写真。


使用機材の全景。奥のナチュラルのフェンダー・ストラトは半音下げ用に用意したもの。G-5はドロップDやオープン・チューニングがとても便利なギターですが、残念ながら半音下げはNG。その機能があったらエレキは1本で済んだかも。



アンプはツアー途中からJC-120→Bad Catに変更。モニターをイヤホンに変更し、アンプ自体の音量を下げることが可能になりました。JC-120はある程度の音量が必要かもしれないと今回の現場では感じました。チューブ・アンプに比べたら音量による音色変化は少ないものの、小音量で演奏したい場合はCUBEシリーズやフェンダー系の小出力モデルを使う方がうまくいくような気もします。
Bad CatはMATCHLESSというアンプ・ブランドを創業した設計者が、別のブランドとして立ち上げたメーカーで、基本的な回路は同じと言われているそうです。が、このアンプのコントロールは一筋縄ではいかない仕様になっています。その件はいずれまた。


エフェクターとしてのGT-100は使ってみたら、やはり頼りになりました。ツアーのスタート時点ではコンパクト・エフェクターを中心としたセットだったので、DA-2やST-2を組み合わせて使いましたが、今後はもう少し研究してGT-100内のCOSM AMPや歪みを試してみる予定です。関係者の皆さんから会場での出音が良いとお褒めの言葉をしばしば頂きました。ありがたや〜。


渋谷Bunkamuraオーチャード・ホール

そして、コンサート最終日は渋谷オーチャード・ホールでの公演。この会場で演奏するのは初めてです。どちらかと言えばクラシックの公演で使用されることが多いんじゃないかな?以前、イングヴェイ・マルムスティーンがオーケストラと共演した会場みたいですね。僕の立ち位置から客席を見るとこんな感じ。


サウンド・チェック中に客席側からステージを見たところ。


3階にも上がってみましたが、真下を見下ろすような感じ。


大きな会場で千人以上もの観客の前で演奏する機会を与えられたことへの幸せを、改めてかみしめています。

2013年11月25日月曜日

今時のレコーディングあれこれ

今月はレコーディングの仕事が2日間ほどありました。現代ならではの両極端な事例だったので、ここでご紹介しましょう。

自宅でレコーディング

知り合いのアレンジャーさんから、電話が掛かってきてギターの録音を依頼されました。「スタジオに来ても良いし、自宅録音でデータだけ納品してもOK」とのこと。今回は後者、自宅録音を選びました。「どんな感じにします?」と尋ねたところ、「基本的には自由に弾いて構わない」だそう。今までも同様の方法でレコーディングすることはありましたが、こんなに制約の無い仕事は初めてでした。ネット経由で送られてきたのはマルチ・データ。ピアノ、ベース、ドラムに加え、ヴォーカル・パートも。譜面もありませんでしたが、バラで送られてきているのでコード等は簡単に確認可能で、自分でコード譜を作成しました。プロ・ツールスからトラック毎に最初から最後まで書き出して頂いたものを、僕の愛用するDAWソフト「Logic Pro Ⅹ」に流し込み、それに合わせてフレーズを録音していきます。


まずはアコギを録ろうと思ったのですが、その日は近所で工事をしているらしく、ノイズがマイクにかぶってしまいます。お昼になれば、食事休憩で静かになると予想し、12時から1時間程度で2トラック分のアコギを録音。マイクはRODEの「NT-2」を使いました。


そこからはGT-100と自慢のテレキャスを使って、思いつくフレーズを片っ端からMacBook Proに録音していきます。要らないフレーズは先方でカットされるのを承知で大量のフレーズをレコーディング。時間の制約も無く楽しく作業できました。完成した各トラックをネットで納品して作業は終了。後日、ミックス・ダウンされた完成バージョンを聴かせて頂いたところ、結構多くのテイクが採用になってました。やっぱり完成品に自分のアイディアが入っていると嬉しいですね。昔では考えられない仕事のやり方です。


スタジオでレコーディング

一方、昔ながらのレコーディングの仕事もしてきました。アーティストさんを始め、アレンジャーさん、ディレクターさん、エンジニアさんなどがいる前で演奏するのはそれなりにプレッシャーを感じます。この日は既にほぼ出来上がっているオケにギターをダビングする仕事でした。この日もアコギから録音。ギターはMartin D35です。


用意して頂いたのはNEUMANのいかついマイク。ムチャクチャ良い音でビックリしましたが、僕の持っているコンデンサー・マイクの25倍ほどのお値段のマイク。まあ、それは仕方ありません。よく見ると「Vo専用」の文字が!


次にエレキのダビング。アンプは最近ライブでも使用しているBad Cat。ブースの中にセッティングして、ケーブルは壁に開けられた穴から、隣の部屋にあるエフェクターに接続します。右上の壁に穴が空いているのがわかりますか?


当日に持って行った5本のギターの中から、取っ替え引っ替えテストして、最終的にはテレキャスと、この写真には写っていませんが、黒いレスポール・カスタムをメインに使いました。


エフェクターも沢山持って行ったのですが、今回はMad Professorの「Sweet Honey Overdrive」をチョイス。ライブではブースター的に使ってますが、この日はゲインも高めに設定してメインの歪みとして使用。


モニターはヘッドホンで行います。この日は1人でギターをダビングするだけだったので、オケ全体の音の他は、クリック音と自分のギターの音だけ別にコントロールできるようになってました。(この機械はキューボックスと呼ばれます)


時としてレコーディングでは良いサウンドがなかなか得られなかったり、アイディアがでなかったり、うまく演奏できなかったりすることもあるのですが、この日は比較的スムースにことが進みました。ああ、よかったー。家で1人で作業するのも気楽で良いですけど、いろいろな人に囲まれて仕事をするのもやっぱり楽しいものです。

2013年11月18日月曜日

未だピックに悩む

ギター弾きにとって、どんなピックを使用するのかは大問題。少なくとも僕にとってはね。プロでも同じピックをずっと使い続ける人と頻繁に替える人がいるみたいです。BOSSのデモやライブDVDなどには、必ず手元のアップが映っているので、いつの仕事でどんなピックを使っているかは自分でも確認できますが、いつも違うのを使ってますね。

ここ数年は5枚のピックを気分でローテーションしています。


話は変わりますが、最近、指先の油が少なくなってきているのか、スーパーで貰うレジ袋がすぐに開けなくて困っています。周りの同年代のミュージシャン仲間に尋ねたら、みんなそうみたいですね。寒くなってきて、空気が乾燥してきていることも影響しているのでしょう。

ここのところ、上の写真の中にある黄色いピックが気に入っているのですが、演奏する会場が乾燥していると、非常に滑りやすくなることがあるんです。ギターを弾くという行為は右手と左手のバランスが大事なんですが、僕の場合、ピックが滑らないように強く握ってしまうと、左手の押弦も強くなってしまいます。滑りにくいピックに替えれば良いのですが、このピックの音が好き。でもまさか、指先を舐めなめ演奏するなんてできません。そこで現場にウェット・ティッシュを置いて、ときどき触れるようにしたんですが、まあ、それだと見た目が悪いですね。

ある日、ユニクロに買い物に行ったら、レジのお姉さんがお札を数える時に奇妙な物体に手を触れているのに気付きました。家に帰ってから、ネットでいろいろ検索して遂に見つけました。それがこれ!



容器に水を入れておき、浮かんだピンポン球を回すと適量の水が指先に付いて、手が滑りにくくなるというもの。アイディア商品ですね。(PLUSのメクボール


ということで、ライブではアンプの上に置いて、時々触るようにしていたんですけど、ただの水なんですぐに乾いてしまいます。


上の商品はAmazonで買ったんですけど、「この商品を買った人は〜」の覧にこんなものが出ていたので、そちらも注文してみました。その名も「メクールポケット」。


ハイ、これで全てが解決してしまいました。蓋を開けて固めのジェル部分に手を触れることで、指先を長時間しっかりと固定できます。ベタベタ感もあまりないし、手が乾燥しがちなギタリストにもオススメですよ。



—————————————————————

KANさんのファンの皆様へ

すでに発表になっている通り、来年のKANさんのバンド・ツアーには不参加ということになりました。僕自身、非常に残念に思っています。長期に渡り、暖かいご声援をありがとう御座いました。今後も音楽活動は続けていきますので、これまで同様に応援して頂けたら幸いです。よろしくお願い致します。

2013年10月21日月曜日

浜松〜茨城〜高知へ、怒濤の1週間

本当に久しぶりの更新になってしまいました。この期間はとても忙しく過ごしていました、特に先週からの1週間は。仕事も充実していましたが、それ以上に多くの人と会い、沢山の音楽の話をできたことが何よりの収穫でした。そんなことも含めてザッと近況報告します。

浜松へ
10月15日(火)〜10月18日(金)の4日間はローランドさんの仕事で浜松に行ってました。仕事自体は16日からの3日間だったのですが、16日は台風だったじゃないですか。ということで急遽15日の夕方から、ということになりました。15日の夜は、静岡県内にしかないハンバーグのチェーン店「さわやか」にて「げんこつハンバーグ」を食べました。聞くところによれば、多くの有名人もわざわざ食べに来る店なのだそうですよ。炭火で焼いたボリュームたっぷりのハンバーグ、美味しかったです。


16日は東名は通行止めになりましたし、新東名は風の影響で事故もあったそうですね。前日のスケジュールが空いていてラッキーでした。

茨城県でライブ
10月19日(土)は茨城県小美玉市でのライブ。G-5、GT-100やDA-2など、いつもの機材をJC-120以外で鳴らしてみようと思い、今回はいつもはレコーディング用に使っているBad Catの「Cub Ⅱ R」というモデルを持って現地入り。このアンプの出力はわずか15W。でも、最近はモニターがイヤモニになっているし、ここの現場では大音量は必要無いので丁度良かったかも。この件に関しては後日、まとめてレポートします。


高知でエフェクター・セミナー
そして、10月20日(日)は高知の楽器堂さん主催のエフェクター・セミナーのインストラクターをしてきました。ここでセミナーをやらせていただくのは約10年ぶり。イオンモール内の音楽教室を併設している立派なホール(ライラホール)を使わせて頂きました。観に来て頂いた皆様、ありがとうございました!面白かったでしょ?読者の皆様もお住まいの近くでセミナーが開催される際には是非、お越し下さい。


セミナー終了後はローランドさんの担当者やお店のスタッフの方々と居酒屋へ。皆さん、僕の息子といっても良いくらい若い方々だったのですが、音楽の話は年齢も関係無く盛り上がれるので良いですよね。カツオの刺身やくじらベーコンなど、高知料理も堪能致しました。楽器堂のスタッフの皆様、お世話になりました!

また買ってしまいました
原稿を外出先で書いたり、プレゼンをするにはややパワー不足なiPad2の代わりに、MacBook Airの11inchバージョンを購入しました。今回初めて旅に持っていったのですが、バッテリーも長持ちするし、15インチに比べて遥かに軽量なのが嬉しいところ。ギター・ケースのポケットに入れて持ち運ぶことも充分可能です。このブログの文章を帰りの飛行機の中で書いていたら、あっという間に東京に着いてしまいました。これは便利で楽しいかも…。


高知城にも行ってきた
宿泊したのが、はりまや橋のそばのホテルで、飛行機も昼の便だったので、午前中に高知城の見学にいってきました。今日の高知の天気は快晴。真っ青な空を背景にした高知城は美しかったです。日本史などはあまり詳しくないのですが、このように現地に行って展示されているいろいろな資料などを読むと忘れないですね。それがネットで見ているだけとは違うところなんでしょう。


ギターをホテルのフロントに預けて、市電 路面電車(←ご指摘頂きました)に乗って「高知城前」で下車。実は歩いても行ける距離でした。高知城は高台の上に建てられているので、石段をかなり登ります。ギター置いてきてよかった〜。先日行った広島城は内部は鉄筋でしたが、この城の本丸は江戸時代のままの木造建築なのだそうです。急な階段はギター持ってじゃ上れません。天守からの眺めも絶景でした。


-------------------------------------------

明日からは家での制作系の仕事にシフトします。いろいろな仕事をスイッチしながら暮らすのは、気分がリフレッシュできてとても良い感じ。ブログも次回からは楽器&音楽系の内容に戻る予定です。是非、また読みに来て下さい。

2013年10月4日金曜日

ライブでのモニター・システム

ステージ上から客席を撮った写真です。(Zepp Tokyoにて)ごろごろとプレーヤー向きに置いてある黒い箱がモニター・スピーカーと呼ばれるものです。ライブで使用される様々な楽器の音量バランスを設定し、再生する為の装置を「モニター」若しくは「モニター・システム」と呼びます。この写真のような床置き型のモニター・スピーカーのことを、業界では「ころがし」と呼んでいます。


使用される楽器や歌などの信号は、それぞれステージ袖のミキシング・コンソール(卓)に立ち上げられます。(勿論、それは客席のPA用の卓にも同時に送られています)それらを調整した後、各プレーヤーの前に置いてあるスピーカーに送られる仕組みです。モニターのオペレーターは、リハや本番中もハウリングなどのトラブルが起きないように、そして、各パフォーマーが演奏しやすいような環境をリアルタイムで調整していきます。ここ10年くらい、PA周りの機材と技術の進化(そして小型化も!)には目を見張らされるものがあります。最近はモニターでもコンピューター制御の卓が使われていることが多くなっています。



モニター・スピーカーの種類

モニター・スピーカーも各社から様々なモデルが販売されていますが、当然、モデルによってサウンドも異なります。現在、僕が仕事でお世話になっている音響会社でも複数のモデルを所有していて、いろいろな製品をテストさせて頂いています。

下の写真はいろいろな現場で最もよく見掛ける老舗ブランド「Martin Audio」社のスピーカー。パワフルでガッツのあるサウンドです。


もう一つ試させて頂いたのは「Tannoy」製のもので、分離が良くハイファイなサウンドが特徴です。


イヤモニのシステムを試す

そして、先月からは「イヤモニ」を使ったシステムを試しています。ライブ時に、多くのアーティストがカナル型ヘッドホンを装着しているのを見たことがあるのではないでしょうか?僕自身はアコースティック的な現場だけでしか使用経験が無く、エレキギターを含めたライブ全編で使う機会が無かったので、興味津々で本番の日を迎えました。

まず、ヘッドホン本体について。用意して頂いたものを使っても良かったのですが、ステージで聴く音と自宅での聞こえ方の違いも知りたかったので、定番と言われているSHUREの「SE535」というモデルを自分で用意しました。アーティストさんが使うプロ用モデルは、耳の型を取って特注する、とういうこともあって、数十万円もするそうですが、これは普通のオーディオ用ヘッドホンとしてはちょっと高いかな?という程度の金額で購入できます。楽器の生音が聞こえないよう、遮音性の高い、自分の耳にあったイヤーピースも必要です。


下の写真はAVIOMというブランドの「キューボックス」型のミキサーです。通常はモニター・バランスはオペレーターにリクエストして調整して頂くのですが、これを手元に置いておくことで自分でバランスを取ることができるのです。レコーディング・スタジオには古くからあるシステムなんですけど、ライブでも使用されるようになってきているんですね。


そして、音声信号は16チャンネル分がLANケーブル1本で送られてきます。多くのパートを分けて送れるので、写真にあるようにアコギやボーカルのリバーブまでも調整できます。これはスゴイ!


で、使ってみてどうだったか

まあ、当たり前なんですけど、非常に分離感が良く、クリアなサウンドで驚きました。ただ、ライブ感は薄くなるので、今までのようにサウンドに包まれて演奏する感じよりは、レコーディングしているときのようなシビアな気分になりがちです。もう少し慣れが必要ですが、演奏はとてもしやすいです。

ヘッドホン自体の装着は舞台袖で行いますが、今回のシステムはワイヤレスではないので、ステージに上がってから自分で結線する必要があります。1度だけ結線するのを忘れて、演奏が始まってしまったことがありました。イントロの8小節だけですが、ただの耳栓をしたままのような状態。こんなことも経験です。

因みに昔はどうだったのか

モニター・システムが確立していなかった60年代中盤頃に、ビートルズが自分たちの演奏を聴き取ることが困難で、ライブ活動を止めてしまったのは有名な話。調べてみるとモニター・システムが開発されたのは1960年代の後半のよう。確かに1969年のウッド・ストックのライブ映像では、舞台の横から内向きにモニタースピーカーが置いてあるのが確認できます。(この形態のものは現在「ヨコアテ」と呼ばれています)

ディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」のジャケットに使用された武道館でのステージ写真を見てください。まだ、現在のようなまだ床置き型のモニターは置いてなくて、舞台上はスッキリとして見えます。


良く見るとイアン・ギラン(ヴォーカル)の前の舞台下には、縦長のスピーカーが置いてありますが、これは、SHUREの「トーンゾイレ」と呼ばれる形式のPA用スピーカーで、これを代用していたのではないかと思われます。先日訪問した「マーシャル・ミュージアム」にも同じモデルが展示されていました。


1973年のパープルのビデオには床置き型のモニターがバッチリ映っていましたので、その頃に現在のような「ころがし」型のモニターが普及したのではないでしょうか?

僕が音響の会社でバイトしていた1976年頃は、モニター用のコンソールは商品化されていなかった為か、エンジニア自らがミキサーを手作りで製作し、使用していたのを覚えています。写真を撮っておけば良かった。

—————————————————————
ミュージシャンが気分良く演奏するには欠かせないモニター・システムですが、それらの機材を扱う優秀なオペレーターの皆さんあってのこと、ここが重要です。感謝を忘れてはいけませんね。

2013年9月16日月曜日

G-5にSperzelのペグを取り付けてみた

ローランドさんからデモ用に借りている、VGストラトキャスター=G-5。あまりに便利なのでライブの仕事でもガンガン使っています。ストラト、レスポール、テレキャスなどを持ち替えながら演奏するのも楽しいですけど、現場に持って行くギターの本数をこれ以上増やしたくないという思惑もあって、最近はすっかりこのギターに頼ってしまっています。エレキは勿論、アコギのパートをこれで弾いてしまうこともしばしばです。


最近はコーティング弦を使っている人が多いみたいですね。僕は古い人間なのか、コーティング弦のサウンドはどうも好きになれず、昔ながらのダダリオ、アーニーを使っています。但し、これらの弦は頻繁に弦を交換する必要があるんですよ。そして、G-5に搭載されているペグはヴィンテージ・タイプのクルーソンとは違って、弦を横の穴に通すタイプ。弦を張るにもそろそろメガネが必要になりつつあり、弦が重なって張られていないかを確認するのも一苦労。そこで、短時間で簡単に弦を替えられるペグに換装できないか試してみることにしました。まずは現状を確認。

※コーティング弦=寿命を延ばすために近年に開発された、特殊な加工を施した弦のこと。


自分で取り付けられるか試してみます。ボックス・レンチを使ってナットを緩めると…、あっさり取り外し完了。これなら自分でも交換出来そうですし、気に入らなかったら元に戻すのも簡単。


裏側はこんな感じ。ペグの突起に合わせた小さな穴が空けられています。


クルーソンに交換することは簡単にできないことはリペアマンの方に伺っていたので、噂で聴いていた「Sperzel」というブランドのストラト用のものを購入。何やら種類があるようで、簡単に取り付けられるという「Easy Mount」というモデルを選んでみました。(シュパーゼル?スパーゼル?正しい読み方はどっち?)


穴のサイズが合わない可能性もありましたが、問題無く取り付けられました。小さい爪が木部に刺さることで安定する仕様です。最初は曲がって付いちまったぃ。


このペグはいわゆる「ロック式」のもの。リング状のネジを締めることによって弦を挟み込むので、ポストに巻き付ける回数は最小でOK。そのことによってチューニングの狂いが少なくなるという仕組みです。


全てを取り付ける前に重さを量ってみました。フェンダーのオリジナルが1個=35gに対して、Sperzelは32g。6個での重量の差は18g、サウンドに影響があるかは不明です。(我が家の秤での計量ですが…)


そしてこのペグのもう一つの特徴はポストの高さが3種類あって、高音弦側は低くなっていること。これによって、ストリング・ガイドを通さなくても一定のテンションをナットに掛けられるようになっているんですね。1弦側がオリジナルのペグです。


全部で3種類(5&6弦用、3&4弦用、1&2弦用)になっています。2弦と3弦のポストの高さが違うのがわかるでしょうか?


さて、実際に搭載してみた感想を書いてみます。

-------------------------------------------

・ピッチは安定した。前述したように、「巻数が少ない」「ストリングガイドを通さない」ことがメリットになっていると思われる。

・弦交換の時間はかなり短縮できる。メガネ無しでもできる(笑)

・サウンドは変化した。よく言えばスッキリとし、アコースティックな響きが増した。前の方がファットな中域は多めだったかも。但し、ライブなどではまだ使用していないので、今後に要テスト。

・動作上の滑らかさはやや劣る。輸入元の公式ブログによれば、ギヤ比の設定によるもので、経年変化を抑えるための意図的な仕様とのこと。実際の使用においては問題無い。

-------------------------------------------

まずはこの状態でしばらく使ってみます。パーツ交換も楽しいですね。いずれこのギターにチタン・サドルなども試してみたいところです。