2019年6月2日日曜日

自宅リノベーション〜我が家の場合

現在のマンションに越してきてから1年が経ちました。自宅に防音室を作ったことはこのブログでもご紹介済みですが、専有部分全体をリノベーションしています。中古物件を購入してフル・リノベーションすることがブームになりつつありますが、そのメリットは新築物件をっ費用を抑えられるだけでなく、そこで暮らす人の生活スタイルや好みに合わせて自由にデザインできることにあります。その経緯や結果をご紹介します。

動機

以前の部屋は賃貸マンションの一室。都内や羽田空港&東京駅などに行くにも便利な環境でしたが、日当たりはあまり良いとは言えず、冬は寒いのに、夏は西日で暑い。それに、スピーカーやギターアンプから音を出すことはほとんどできないことは、仕方ないことと諦めていました。偶然、図書館の本棚で見掛けたリノベ本を読んでそんな方法があることをはじめて知ったのです。片っ端から関連書籍を読みあさり、実現可能かどうかを考え始めたのは2年前、2017年の春のことでした。

業者選定

自宅のポストに入っていた、大手不動産業者によるリノベーションの見学会のチラシ。見るだけならタダだと思って出かけてみることにしました。それは、まるで新築のマンションのようなキレイな部屋ではあったのですが、ありふれたデザインで費用も安くない。業者によってデザインの志向がかなり異なることを知りました。

ここで、自宅にスタジオを作るアイディアを思いつき、その可能性を探り始めました。防音工事は専門の業者(アコースティックエンジニアリング社)に依頼し、その他の工事を施工してくれる業者なんてあるのだろうか?実は、これが大きな壁になりました。別の業者とコラボレーションすることは、工事の保障の問題もあって厭がられることが多く、相談に行ったほとんどの会社で断られてしまいました。探しまくった結果、交渉の末にこれらの条件を引き受けてくださったS社に依頼することにしました。(2017年9月)

設計段階でのリクエスト

時間を掛けて先方のプランナーの方にさまざまな相談をさせていただきました。こちらの主な希望は以下の通り。

・一旦、スケルトンにして、新たに壁を構築。
・保守的で無く、斬新過ぎないデザイン。
・バリアフリー>床全体を約15cmかさ上げ。
・収納スペースを重視>衣類や書類などを収納するWICと楽器庫。
・対面式キッチンにカウンターを設置。
・予算が許せば全ての部屋に二重窓(内窓)を採用。
などなど…。

室内のドアの取っ手に至るまで自由に選択できるのは驚きましたが、こちらの勉強が足りなくて、先方の担当者さんにお任せしてしまったことも多数。でも、提案していただいたものはどれもオシャレで納得のアイテム。プランナーとの相性も重要であると思います。

S社は造作が得意ということで、くくりつけの収納家具を数多く採用しました。コストは掛かりましたが、スペースを無駄なく使え、また地震などの際の転倒の心配もありません。何より、家具の購入や運搬などの手間が省けたことは大きかったですね。

これが元の部屋の写真。


そして、先方から提示されたデザインのCG画像です。


本当にこんな風になるんでしょうか?

施工

実際に工事が始まったのは2018年が明けた1月中旬から。工事の過程を撮影した写真を公開します。





完成!

2018年3月中旬に工事は完了し、引き渡しが行われました。3月の引っ越しなど狂気の沙汰で、引っ越し業者にはとても頼めない。ということで自力で荷物を運びました。ただ、大型家具は原則不要ですし、大型の電気製品は全て買い換えました。

もう一度、設計段階のCGと現在の写真を見比べて見てください。




良かったこと、失敗したこと

実際に生活してみないとわからなかったことも多かったです。まずは良かったこと。

・WIC(クローゼット)や収納家具に全てのモノが収まってスッキリ!
・全室フラットな複合材によるフローリング:メンテ不要。ルンバ大活躍!
・二重窓:最初に心配したよりは安かった。リーズナブルなグレードのモデルでも遮音、遮熱に効果大。
・ウォシュレット付きタンクレス・トイレ、最新の家電:進化していてビックリ。快適です。
・室内の配管、配線はすべて新規置き換えで、当面は安心。
・多数の電気コンセント:ごちゃつく延長コード無し!
・何と言ってもオシャレなデザイン!!

スタジオの隣に楽器庫を作ってもらいました。現在、所有している楽器は全てここに収まりました。が、これ以上は増やせないかも。


反省点やちょっと失敗したことは以下のような感じ。

・デザインに関しては勉強不足。プランナーに丸投げでは申し訳なかった。
・シンクはステンレスのほうが良かったかも。(人造大理石仕様)
・壁紙はもう少し冒険しても良かったかな?
・こちらで指定したWi-fiルーターの設置位置が悪く、宅内を1台ではカバーできなかった。

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簡単に書きましたが、実際は時間も掛かりましたし、アタマも身体もフル回転させる必要がありました。でも、とても興味深く、面白い体験ができたと実感しています。僕の場合、トラブルやイヤな思いをすることは皆無。関わってくださったすべての方々に感謝です。自分だけの快適な生活環境を手に入れられるリノベーション、オススメです!

P.S.
以下の書籍、施主目線のリアルな体験談と提言はリノベに興味がある方なら参考になると思います。僕は工事が完了してから読んだのですが、先に読みたかった!


2019年5月29日水曜日

元気です。

ご無沙汰です!このブログ、前回の更新(2018年11月)から半年間も休んでしまいました。うっかりしている内に元号は変わり、季節は初夏へ(ちょっと暑すぎるけど)。こちらは元気に暮らしています。何から書きましょうか?この半年間にあったことなどを簡単にまとめてみます。

楽器フェア2018

昨年の10月中旬に行われた楽器フェア。もう、遙か昔のような気がします。BOSSのマルチ・エフェクター「GT-1」と「KATANA AMP」のデモを担当しました。


そうそう、「GT-1」は現在も順調に売れているようです。その影響からか、シンコーミュージック・エンタテイメント刊「GT-1の教科書」も増刷され続けており、今回で5回目の重版(第6版)が決定しています。まあ、専門書なんで爆発的な売上げというわけではないのですが…。執筆担当者としては多くの方に読んで頂けているようで、とても嬉しく思っています。

イベントやライブ活動

年末から今年に掛けてはZEROさんのTourがありました。昨年から足元のライブ用機材はアコギ用のプリアンプも含めて「GT-1000」だけを使用しているのですが、アンプは昨年末に発売された「Nextone Artist」に変更しています。それまで使用していた「Blues Cube Artist」はフェンダー的なクリーン〜クランチ・サウンドが得意なのに対し、つまみの設定で幅広いサウンドに変更できる「Nextone」は奥が深いアンプ。試行錯誤しながら最良のトーンを得ることができました。いずれ改めて、このブログでテストの結果をレポートする予定です。


相変わらず、高校生などを対象としたエフェクター・セミナーなどのイベントのインストラクターの仕事もしていますが、以前と比べると回数は減りました。写真はこの春に札幌に行ったときのものです。



自宅での作業環境

で、最近は音源制作や原稿執筆など、自宅で作業することが多くなっています。昨年の転居の際に環境を整えたことで快適に過ごすことができてます。機材も少し変わりました。以前使用していたGENELECのスピーカー「8020B」が故障したのをきっかけに、Focal製の「Shape50」というモデルに買い換え。8020Bのエッジの効いた攻撃的なサウンドとはキャラクターが異なり、ややおとなしめでフラットな特性。長時間聴いていても疲れない、耳にやさしい音にも慣れてきました。防音室のおかげで、外の音が完全に遮断されていることもあって、ヘッドホンはほとんど使わなくなりました。


下は自宅でのテスト用ペダル・ボード。「ES-8」を中心にいろいろなエフェクターを取っ換え引っ換えしながら、いろいろな実験をしています。


自宅でのシステムで欠かせないアイテムになっているのがワイヤレス・システム「WL-50」です。ギターの持ち替え時も簡単ですし、室内にケーブルが散乱しないのは心地良いものです。電源を入れるだけですぐに音が出る環境は、気軽に練習を始められるので、楽器上達の早道かもしれませんよ。以前にご紹介したワイヤレス・システム内蔵のアンプ、「KATANA AIR」もオススメです。



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さてこのブログ、今後はどうしましょうか?読者も大分減ったかもしれませんね。まあ、その方が好きなことを書いていけるような気もします。機材に関する記事だけでなく、個人的なことなども書いていきたいと思っています。お付き合い頂けたら幸いです。

2018年11月27日火曜日

至福のヴィンテージ・サウンド〜BOSS Nextone Artistレビュー

遂に発売されたBOSSブランドの新しいアンプ「Nextone」シリーズ。期待を裏切らない、素晴らしいアンプに仕上がっています。公式サイトのカタログ・ページでも詳しく解説されていますし、すでに取扱説明書もダウンロードできるようになっていますから、ここでは個人的なオススメ・トピックをピックアップします。(それでも長文注意です)

外観

「Nextone Artist」はちょっとブリット・コンボ系のシックで落ち着いたデザイン。「Blues Cube Artist」より若干小振り。重量は16.2kg、30cm口径のスピーカーが搭載され、定格出力は80Wです。

一方、「Nextone Stage」のほうはスピーカーの口径は同じですが、一回り小さいサイズで、13.4kgとかなりの軽量になっており、出力が40Wに抑えられています。シックで落ち着いたデザインが好印象です。


真空管アンプの特徴

これまで、ギターアンプといえば増幅回路に真空管を使用したモデルが主流でした。僕自身も数々のアンプを購入してきましたが、以前はその利点について熟知できていたわけではありません。何となく「音が太くて抜ける?」、「歪ませた時の質感が違う?」くらいのアバウトな印象でそれらを使ってきたような気もします。しかし、ヴィンテージ系チューブ・サウンドを得意とするモデル、Fenderの「Tweed Deluxe Amp」を購入したり、マーシャル・ミュージアム等で歴代の名機を試奏したことで、そのサウンドに魅了されていったのです。最大の利点は、ピッキングに対するレスポンスの心地良さや弾きやすさです。ボリュームを上げていくことで得られる温かな歪みとコンプレッション。これがヴィンテージ系チューブアンプの人気の秘密なんです。

これは私物のTweed Deluxe Reissue

反面、チューブ・アンプはツアーなどで使えば最低でも年に1度はパワー管の交換が必要です。高額なメンテナンス料が掛かりますし、レンタルしていたアンプの真空管の劣化が原因でヒューズが飛んでしまい、ライブ当日に音が出なくなってしまって、本当に困ったこともあります。

上のアンプのリア部です

Nextoneシリーズは真空管こそ使用されていませんが、同様のサウンドを完璧に、しかもメンテナンス・フリーで得ることができるモデルなのです!


KATANA AMPシリーズとの違い

既発のKATANA AMPシリーズはどちらかと言えば全方位型。特にエディ的なマーシャル・サウンドを狙った「BROWN」やギターのボリューム操作によってクランチ~ハイゲインまでを自在にコントロールできる「LEAD」などのアンプ・タイプが売りです。多彩なマルチ・エフェクターも内蔵されているので、これ1台だけで完結できるポテンシャルを持っています。(そういえば、楽器フェアではKATANA HEADのデモを担当しました〜)


一方、NEXTONEシリーズは、エフェクターの搭載数は必要最小限に抑えられていますが、ヴィンテージ・アンプのサウンドを徹底的に追求。ハイゲインなサウンドよりはクリーン~クランチに特化したモデルという感じがします。



LEADチャンネルを選択すれば、極上のドライブ・サウンドになりますが、GAINをMAXに上げても、いわゆるハイゲインなサウンドにはなりません。



POWER AMP SELECTの実力は?

ここからが本題。パネルに表記されているように、パワーアンプ部の真空管タイプを切り替えられるようになっています。しかし、これまでの製品のようなモデリングやプロファイリングなどの技術でサウンドを再現するのではなく、ボリュームやトーン(EQUALIZER)との相互作用で、連続的にサウンドが変化してバリエーションを楽しめる仕様になっています。また、このスイッチはパワー管のキャラを変更するもので、スピーカー・シミュレーター的なニュアンスは含まれていません。極端な、例えば「スタック・アンプの再現」のようなものを目指したものではなさそうです。



しかし、下記のようなキャラクターに近い音色変化が簡単に得られます。

6V6:フェンダー系の小型アンプ。Deluxe、Deluxe Reverbなどで採用。
6L6:比較的出力の大きいフェンダー系やMesa Boogieの大出力タイプ。Tweed Bassman、Twin Reverb、Mesa/BoogieのMarkシリーズなど。
EL84:ブリット系コンボ。Vox AC30、マッチレス、フェンダーのBlues Jrなど。
EL34:マーシャルを始め、Orange、Bognerなど。

4種類のリアルなチューブ・サウンドを切り替えながら音を作っていくと、思わずいろいろなスタイルのフレーズを弾きたくなります。

Master Volumeの仕様

Nextoneシリーズを使いこなす上で覚えておいて欲しいポイントがあります。それは「MASTER VOLUME」の設定がサウンドに大きく影響するという点。真空管アンプの特徴でもあるのですが、パワーアンプ部に送り込まれる信号の大きさによって、「歪み」や「コンプレション感」、「飽和感」などが変化していきます。つまり、「MASTER VOLUME」の設定は音量だけでなく音色にも変化が現れることに注意してください。

「クリーン・チャンネル」を選択した場合、「VOLUME」と「MASTER VOLUME」を控えめに設定すると、ハムバッカーでも歪まないウォームなクリーン・サウンドが作れるのに対し、両者を上げていくことでとでさらに歪みとコンプレッション感を付加することができるのです。音量が大きくなりすぎる場合は「POWER CONTROL」を一段下げて対応してください。次の写真のように「POWER CONTROL」と「MASTER VOLUME」の設定次第で聴感上は同じ音量になりますが、音色的にはかなり異なった質感になります。



Nextoneシリーズの内蔵エフェクト

工場出荷時にパネル上で選択できるエフェクトは次の通りです。

・BOOST:ゲインを持ち上げることができます。選択しているチャンネルごとの設定は記憶されるので、CLEANではOFFにしてLEAD時はONのような設定にすることも可能です。

・TONE:CLEANではブライト・スイッチとして、LEAD時はFATスイッチにとして動作。これもチャンネルごとにメモリーされます。

・DELAY:アナログ・ディレイ風のディレイ。タップ・スイッチでディレイタイムを変更できます。

・REVERB:クリーンなデジタル・リバーブです。


コンパクトなどの歪み系エフェクターと組み合わせれば、無限のバリエーションを楽しめることは言うまでもありません。

マニアも納得のカスタム・モード

チャンネル切り替えスイッチを長押しすることで、「カスタム・モード」を選択できます。ノーマル時とは異なるエフェクトや設定がなされています。例えば、初期設定では、ディレイ・スイッチでトレモロが起動するようになっています。


パソコンとUSB接続してエディターを立ち上げると、さまざまな設定を変えることができるようになっています。ブースターの種類やコンプを起動したり、ディレイやリバーブのモード変更、パラメトリック・イコライザーなどで細部の調整を行えます。


ここで注目して欲しいのはパワー・アンプ部のパラメーター変更を行える点です。「BIAS」を下げ、「SAG」を上げることで、歪みやコンプレッション感を増強することができます。これは単に歪みを増やすというよりは、「MASTER VOLUME」の設定が低くてもコンプレッションを強く効くようにしたり、逆に「MASTER VOLUME」を上げてもクリーンなサウンドを維持したまま、音量を出したい場合などに使えます。残念ながらKATANA AMPのように設定をパッチのように切り替えることはできませんが、各パワーアンプの設定はメモリーできますから、例えば「6V6」は歪みやすく、「6L6」はクリーンに、といったチューニングを行えば便利でしょう。


プリアンプ部の「EQUALIZER TYPE」(=トーン・スタック)の切り替えも効果的。トーン・ツマミの効き方を「BRITISH(ツイード風など)」と「AMERICAN(ブラック・パネル風など)」に切り替えられるような感じです。



お気に入りの設定を本体のカスタム・モード内に保存しておくことで、自分だけのカスタム・アンプを所有しているような感覚を味わえます。

「Stage」と「Artist」の違い

内蔵エフェクトや機能は全く同じです。異なるのは筐体と出力だけなんですが、サウンドの傾向は少しだけ違うように感じました。「Artist」はレンジ感が広く、よりウォームなコンプレッションが特徴なのに対し、「Stage」はややソリッドでアタッキーな印象を持ちました。出力が異なることで飽和感と音量の関係も変わってくるので、プレイする環境や音楽性に合わせて選択すると良いと思います。


僕自身は「Nextone Artist」のほうがお気に入り。もう手放せませんね。来週からZeroさんのライブ・ツアーが始まるのですが、これを使ってみるつもりです。ライブでの使用感もいずれご報告しましょう!

2018年10月12日金曜日

緊急レポート! BOSS MT-2W編

 先週、BOSSの「技クラフト・シリーズ」の新作、「MT-2W」と「DC-2W」が発表になりました。今回は、特に人気モデルの「技クラフト」化なので、仕上がり具合が気になる方も多いかもしれません。一足先に自宅で試させて頂いたので、MT-2Wの個人的な印象をまとめてみたいと思います。


が、その前に…、

MT-2とは?

 今回のモデルの元になった「MT-2」は1991年に発売されて以降、ハイゲイン系ディストーションの代表的モデルとしてベストセラーになりました。BOSS以外の多くの機材にモデリングされていることからもその知名度の高さがうかがえます。どんなギターでも深く歪ませることができるので、長いサステインを伴ったパワーコード、分厚いリフはもとより、シングル系PU搭載のギターでの単音弾きでも、粘り感の強い、伸びやかなリード・サウンドを得られます。小音量のミニ・アンプなどでも迫力あるサウンドを響かせられる点も人気の秘密です。効きの強いセミ・パラメトリック仕様の3バンド・イコライザーでドンシャリ系〜ミッドの強いサウンドまでを演出。多弦ギターの低音弦でも簡単に歪みきらせることができます。

 ネーミングからメタラー御用達のイメージがありますが、現在では、ジャズ、ノイズ系、シューゲイザーなど、さまざまなスタイルのプレーヤーに愛用されています。



MT-2Wのカスタム・モード!!!

 で、今回のMT-2W。MT-2のオペアンプ×2基による増幅回路なのに対し、MT-2Wはディスクリート方式によるデュアル・ステージ・ゲイン回路。良質なバッファー回路の搭載と相まって、ハイゲイン・モデルなのに、ノイズが少ないクリーンなサウンドが特徴です。

 今回、個人的に最も注目して頂きたいと感じたのは「カスタム・モード」のサウンドです。これまでの「技クラフト・シリーズ」のカスタム・モード(特に歪み系モデル)は、ややマニアックというか、微妙なニュアンスの違いを味わえるものが多かったのに対し、MT-2Wの場合は、劇的にサウンドが切り替わります。まるで、ターボ・モードを備えているかのように…。

 スタンダード・モードはMT-2的でユニークなサウンドが特徴なのですが、カスタム・モードはハイゲインでありながら、もっとナチュラルな響き。輪郭のハッキリしたモダンなサウンドの印象です。DISTの設定によって、クランチ〜程良いディストーション〜ハイゲインまでを自在に設定可能です。


 イコライザーの効きはより強力に。ほんのわずか動かしただけで大きくサウンドが変化します。大胆な設定だけでなく、センシティブに調整することで目的のサウンドに追い込んでいくことができます。フェンダーやマーシャルなどのアンプとの相性も良さそう。Rolandの「Blues Cube」でも極上のサウンドに仕上がりました。アンプ側を少しだけ歪ませて、【DIST】を下げ【LEVEL】を上げた「ブースター」的な設定もOK。クリーン設定のJCとの組み合わせでは「HIGH」を少し控えめに設定すると良いかもしれません。

MT-2Wの使いどころ

 オーバードライブからファズまで、キャラクターの異なる歪み系をボードに搭載することは珍しいことでは無くなりました。MT-2Wは、伸びやかなリード・サウンド、「ハイゲインなアンプ・ライク」な使い方、飛び道具的な過激なサウンドまで、幅広いサウンドを作り出すことができるので、用意しておくことでいろいろな状況に対応することができそうです。これまでのBOSSのハイゲイン系のモデルはどちらかというとリフやバッキング向きのイメージがあるのですが、MT-2Wは単体でリード・サウンドまで対応できます。

 しかも、ギター側のボリューム操作することで、歪みのコントロールが可能。まるでBD-2のように…。【DIST】を上げたままの状態で、ギター・ボリュームを下げれば、3度を含んだローコードをガンガン弾いても濁らないトーンになるのは驚異的とも言えます。これなら、エフェクトをOnにしたまま、1曲を弾き通すこともできますね。

10月19日(金)発売とのこと。すでに、公式サイトでも試奏動画なども上がっているので、そのサウンドを確かめてみてください。



フレーズやセッティング、アンプとの組み合わせを自由に選択して試聴できる面白いページも公開されています。

こちらから!

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「楽器フェア2018」が10月19日(金)から10月21日(日)に開催されます。会場はお馴染み東京ビッグサイト。僕も前回に引き続きローランド・ブースに参戦致します。今回は大好評のマルチ・エフェクター=「GT-1」と「KATANA AMP」のデモを担当します。(尚、中野の21日の出演はありません)もちろん、今回ご紹介した「MT-2W」や「DC-2W」の試奏もOKです。是非、お越しください。

スケジュール等の詳細はこちらから→「楽器フェア2018」ローランド特設サイト



2018年6月13日水曜日

プライベート・スタジオを作る!

前回の記事で引っ越しをしたことをご報告しましたが、引っ越しするにあたり、新居に防音を施した小さいスタジオを作ることにしました。工事の過程の写真を撮影していたので、ここで公開しようと思います。

以前の作業部屋

転居前の作業部屋は約6畳。広さ的には問題なかったのですが、音楽制作にはやや難ありの状態。角部屋で、隣家には接していなかったのですが、階下&階上の家には音が漏れてしまう可能性があったので、ほとんど音を出せず…。ヘッドホンをMAINに作業していました。


さらに、この部屋にはエアコン用のダクト穴がなく、ウィンドウ型エアコンを設置するしか手段がありませんでした。夏の期間は窓を半開きにする必要があり、エアコン自体の動作音も非常に大きかったのがストレスになっていました。アコギをマイク録りする時など、窓を閉め切りにしてエアコンを止め、汗だくになりながらレコーディングしたこともあります。

転居先物件の状況

転居先は築30年を越える物件ですが、SRC造のしっかりしたマンション。ここをリノベーションすることにしました。物件内のどの部屋で防音工事を行うか、施工をお願いした「アコースティックエンジニアリング」さんと相談しつつ、隣家と接していない5.6畳の部屋をスタジオ化することにしました。壁紙にはカビが…。


部屋全体をリノベーションしていただく業者さんの手によって解体作業が行われました。元々3LDKの間取りだった室内の壁は一旦全て撤去されました。


工事開始!

いよいよ工事の始まり。少しでも部屋を広く取るため、壁を元の部屋よりも少しずつ広げて立てます。防音用に壁を厚くするため、最終的な部屋のサイズは4.5畳程度にまで小さくなってしまうので、必要最小限の機材だけをここに収納することにします。


部屋の四方に遮音用の吸音材が入れられます。本当は窓を潰してしまえば防音性能は上がるのですが、ここに引きこもってしまうと気が滅入りそうなので、頑丈な2重窓を設置することにしました。元々の外側の窓は共有部分になりますので、それはそのまま残し、内側の半分を壁に、もう半分を窓にしています。


上の写真の壁に石膏ボードが貼られた状態。この段階で遮音性能のテストも行われました。左側にはさらに吸音材が仕込まれていきます。単に防音するだけでは無く、室内の音響調整もキチンと行われます。僕自身は楽器の生音の響きよりも、楽器のサウンド調整やミキシングを正確に行えるように、比較的デッドな音場に仕上がるようにリクエストしました。


前面(左側)の吸音部分が完成し、壁紙を貼られるとグッと完成に近づいてきます。背面側(右側)にも部屋の鳴りをコントロールする吸音材が追加されます。床に転がっているのは前の部屋から持ってきた書棚。サイズを測ったのでピッタリと設置できました。


入口は木製の二重扉。ビックリするほど音漏れはありません。同居の家族に確認したところ、「実は全然ギター練習してないんじゃないの?」と言われるほど。


二重窓はこんな感じ。


電気設備編

天井に設置されたスポット・ライトは調光が可能。気分に応じて明るさを自由に設定できます。


前面と背面にはLEDの間接照明が仕込まれています。オシャレ〜。


楽器用専用電源は生活家電などからは分離しています。分電盤のある別室に大型のノイズレス・トランスを設置。


スタジオ内には117ボルト、楽器用100ボルト、その他の家電用の三系統の電源が引かれています。


キッチリと遮音されており密閉率も高いので、給排気のための換気扇が2機必要とのこと(窒息する?)。しかし、室内では全くファンの音は聞こえません。



気になる遮音性能、そして費用は??

「アコースティックエンジニアリング」さんに依頼して良かったことはいくつもありますが、キッチリと遮音性能を実験して頂けたことが安心につながりました。実際に階下の室内測定も行った上で、どの程度の音量まで出せるかを提示していただけます。下の写真は本格的に機材を設置する前に技術の方に立ち会って頂いてギターを鳴らしたとき。マンションの室内でここまで防音できるのに驚きました。さすがに生ドラムを叩くことはできないと思いますが、ギターアンプなら自分がうるさくて耐えられない位の音量が出せます。


今回、自宅スタジオを作る上で最大の懸案はやはり費用のこと。あらかじめ、この業者さんのサイトで大まかなコストが記載されていたのを確認したところ、「思ったよりは安いな」といった印象。防音室の面積など条件によっても違いますが、ウチのケースでは「国産中級クラスの新車くらいの価格」といった感じ?個人的には費用対効果が高かったので、非常に満足しています。

「アコースティックエンジニアリング」さんのサイト

次回は実際にスタジオを運用して気づいたことなどを書いてみます。

P.S.
今月(2018年7月号)のギター・マガジンに「ギターを思いっきり弾けるプライベート・スタジオ」として記事を掲載していただきました。是非、ご覧ください。