2013年1月31日木曜日

新時代ピッチ系エフェクターMO-2


BOSSの新製品レビュー2機種目は「Multi Overtone=MO-2」をご紹介します。


ピッチ・シフターやオクターバーなどを「ピッチ系エフェクター」と総称するのですが、今回のMO-2はそのどちらの特徴を持ちながらもサウンドは全然違うという、不思議なエフェクターなんです。例によってまずは音を聴いてみてください。


基本的には原音に上下のオクターブ音を重ねることができるエフェクターなんですけど、フレーズや他のエフェクターとの組み合わせによってもイメージが変わって聞こえるでしょう。最初のオケに合わせた音色はカート・ローゼンウィンケルやパット・メセニーのGR-300の音を重ねたような音色に聞こえたので、フュージョン風の演奏をしてみました。いかがですか?

Multi Overtoneの正体
1番左のツマミが【BALANCE】になっていますが、これでエフェクト音とドライ音のバランスを取ることができます。これをエフェクト音のみに設定して、モードを変更するとどのように音が変わるかをチェックしてみました。

・モード1
オクターブ上の音が鳴ります。PS-6などのピッチシフターに似ていますが、サウンドのニュアンスは少し違った感じ。安定感はMO-2の方があって、レーテンシー(音の遅れ)が短い印象です。トーンはエフェクト音のみに掛かるようです。

・モード2
モード1の音に加え、原音と同じピッチの音がなります。【DETUNE】を上げるとピッチが少しだけずれて、コーラス的な効果が加わります。エフェクト音だけでもディチューン効果は掛かるので、「オクターブ上」と「原音と同じ音程の音」はそれぞれ異なったピッチに動いている模様です。

・モード3
モード2の音に加え1オクターブ下の音が加わります。3オクターブの音が同時に鳴ることで、重厚なサウンドが得られます。


MO-2の弾き心地
BOSSのPS-6のピッチ・シフターやOC-3の「ポリ・モード」も和音に対応していますが、MO-2は通常のギターの弾き方に完全に追従してくれるので、特に意識しなくても自然に演奏できると思います。映像にもあるように、アルペジオやカッティングなどでも全く問題ありません。


MO-2の可能性
他のエフェクターとの組み合わせによっても、非常に多くのバリエーションを生み出せそうなエフェクターだと思います。ビデオの中で聴けるサウンドの他にも、モード3と深い歪みを組み合わせて低音弦のリフやメロディを弾くとか、空間系やモジュレーション系を組み合わせたら面白いサウンドが作れそうです。僕もいろいろと試しているところなんで、機会があったらまた紹介したいと思います。

前回紹介した「Tera Echo=TE-2」も合わせてご覧下さい。
「Adaptive Distortion=DA-2のレビューはこちら


2013年1月28日月曜日

新感覚空間系エフェクター「TE-2」登場


またまた、間が空いてしまいました。スミマセン。
BOSSから新製品が登場するということで、今回はその製品レビューを書いてみたいと思います。

1年に2回、アメリカで「NAMM SHOW」という、世界中の楽器メーカーが出品するイベントが開かれます。特に冬のこの時期にアナハイムで開催される「Winter NAMM SHOW」のタイミングに合わせて、各メーカーから多くの新製品が発表されることが毎年の恒例になっているのです。今回、BOSSからは3機種のコンパクト・エフェクターが、そしてローランド・ブランドでも「CUBE Lite」というギターアンプが発売になります。何回かに分けてそれらのギター関連製品を紹介していきたいと思います。

Tera Echo = TE-2
音を遅らせて繰り返し再生するこれまでの「デジタル・ディレイ」や「テープ・エコー」とは全く違う効果が得られるこのTE-2。正直に書くと、最初に音を出した時は「これはどう使ったら良いのでしょう?」と思ってしまいました。何とも不思議なエフェクト音は一見(一聴?)、飛び道具的に感じてしまうかもしれません。でもね、使っていく内にいろいろなことがわかってきました。まずは YouTubeの映像で音を確認してみてください。(この映像、手元しか映っていませんが、僕が演奏を担当しています。)


オケの中でのエフェクト音
まず、最初のオケに合わせて弾いているサウンドを聴くと、普通のディレイに聞こえるかもしれません。でも、かなり深いディレイを掛けているにも関わらず、「邪魔にならない」ディレイ・サウンドなのがわかりますか?*【S.Time】でタイムを設定するのですが、テンポなどにシビアに合わせなくも全然大丈夫。アバウトでOKです。

*註  スプレッド・タイムと呼ぶそうです。



弾く強さで変わるエフェクト音
次にギターだけで演奏するシーンがありますが、聴いて頂いたように強くピッキングした時には、独特の柔らかくうねったようなエフェクト音が確認できたと思います。弱くピッキングした時はうねりの少ないリバーブ的な音。まるで歪み系エフェクターのようにプレイスタイルに対して繊細に反応するのです。
この映像のような1人でソロ・ギターを弾くようなシチュエーションの場合、通常のディレイだと音の遅れが一定であるが故に、そのビート感が演奏をしにくくさせてしまうこともありませんか?これを使うことで演奏に集中できそうです。
インプットもステレオ対応なので、ギター以外の楽器で使っても面白いかもしれません。

リバーブ的に使う
【S.Time】を下げることで、スラップバック・エコーと呼ばれる、部屋鳴り感を演出する効果を得られます。通常のディレイよりも反射音が目立たない自然な効果。正にディレイともリバーブとも違う、演奏しやすい環境を手に入れられます。シューゲイザー的なノイズやサーフィン系でのスプリング・リバーブなどを除けば、オケ中でリバーブを使うのは意外と難しいものですよね。【TONE】でエフェクト音の調整もできますから、より派手に or より地味?にすることも自由です。

ホールド機能
これはME-25やVG-99に搭載されていた「フリーズ」によく似た効果が得られます。演奏しながらペダルを踏むことでその時に弾いた音を伸ばし続けられます。ビデオで聴けるように和音での演奏もOK。うまく使えば1人パフォーマンスなどにも使えそうです。僕も今後にいろいろと実験してみるつもり。
そうそう、【FEEDBACK】を最大にすれば、他のディレイと同様にノイズのように発振しますが、そのサウンドもユニークです。


100機種目のコンパクト
このTE-2はBOSSのコンパクトとしては第100機種目のモデルになるそうです。ってことは塗装色も100種類以上あるってことでしょうか?写真で見るとわかりづらいのですが、このTE-2の塗装も非常にキレイで高級感のある色に仕上がっています。DD-7が少しクリームがかった「ホワイト・パール・クリスタル・シャイン」的だとすると、TE-2は「スノー・ホワイト・メタリック」みたいな感じでしょうか?(正式な名称ではありません。念のため)家には今、何台エフェクターがあるかな〜。今度数えてみよう。



2013年1月7日月曜日

携帯を忘れた日


先日、iPhoneを忘れて仕事に出かけてしまいました。その日は機材もあったのでクルマでの外出。取りに戻ると遅刻しそうな状態だったので、そのまま現地に向かったんです。どれぐらい不便で困るかと思ったら、iPadを持っていたので全然平気。僕のiPadはWi-fiモデルなので、どこでもネットにつながるというわけではないんですが、都内ならクルマを止めたら大抵コンビニやファースト・フード系の店舗の信号が拾えます。緊急の連絡は受けられないものの、メールのやりとりさえ出来れば問題ありません。それに何故かその日はデジカメも持ってたのだ!

フリーランスの代表のようなミュージシャンという仕事。去年、若いミュージシャンに「携帯が無い頃って、どうやって仕事してたんですか?」なんて尋ねられたことがあったんです。そうだよな〜、僕自身もそんな時代があったことさえ忘れかけていました。

留守番電話が必需品時代
80年代、ツアー先から自宅に電話を掛けて留守番電話をチェックするのが日課です。連絡を頂いた相手に宿泊先などから電話するわけですが、地方からだと長距離ですし、ホテルの部屋の電話って使用料を上乗せして請求されるので、トータルするとその金額は馬鹿になりません。

事務所に所属時代
そんなことから自分だけでは管理できなくなって、80年代の後半からは月々数万円を払って、マネージメントをしてもらうことにしました。事務所に所属する場合、決まった金額を支払う僕のようなやり方の他に、自分の稼いだ金額から何割かを引かれるような契約形態や、月給制の場合もあるようです。当時、スケジュール管理や事務的な処理からは解放されてとても楽になりました。

携帯電話導入期
初めて携帯電話を持ったのは遅かったです。90年代の中頃、いやもっと遅かったか?記憶が曖昧です。周りの人達からはかなり遅れて、仕方無く買ったような感じ。ですが、携帯を持った途端に自分に直接連絡が入ることが多くなり、事務所に所属する必要性が薄くなってしまったので、事務所との契約を解消しました。

そして今
仕事のオファーや打ち合わせは電話かメールでのやりとりになります。どんな仕事でもそうでしょうが、メールの場合は履歴が残るので、「言った、言わない」というようなトラブルが起きないのが良いですね。スケジュールのダブル・ブッキングやギャランティについて揉めるなんてことは滅多にありません。楽器も進化して音楽の作り方や環境もかわりましたが、仕事のやり方も変わったんだよな〜なんてことを改めて考えてしまいました。
去年、固定電話の「キャッチホン」と「ナンバー・ディスプレイ」を解約。月々700円も安くなりました。
そう、音楽自体をネット経由で送れるようになったことも大きい。〆切ギリギリにDATやMDを持って夜中に先方のポストに入れに行ったり、なんてことはもう無いでしょうね。

それにしても、IPhoneもiPadも持っていなかったら結構困るかも。連絡先の電話番号なんてひとつも覚えていないし、だいたい公衆電話ってどこに行けば見つけられるんだろ?コンビニにはありましたっけ?

2013年1月2日水曜日

今日の舞浜周辺


明けましておめでとうございます。

朝起きたらこちらはとても天気が良く、比較的暖かかったです。今日からは仕事を始めようと思っていたのですが、ガマンできずに少しだけ自転車に乗ってきました。風が強かったけど、久しぶりで気持ち良かったです。TDR周辺は今年はどんな感じかな〜、と思ってiPhoneで写真を撮りながら。



毎年のことですが、全国各地あらゆる県のナンバー・プレートが見られます。みんな、遠い所から来てんだよな〜。朝9時頃でしたが、ディズニー・シーの方は駐車場までかなり渋滞していたようです。


上の写真はシーの裏側になるのですが、振り返ればすぐに本物の海が見えます。今日は風が強かったので海の水も濁って見えました。


イクスピアリの前を通り掛かったら、タリーズがもう営業してました。コーヒーを飲みながら一息…。とてもいい気分です。


次回からはまた音楽のことや楽器のことなど、通常営業に戻ります。

今年もよろしくお願いします。