2014年3月30日日曜日

レスポール・スタンダードの謎

エレキギターの王様といえば?それはギブソンのレスポール・スタンダードと言われています。でも、本物のVINTAGEのレスポールは生産台数が少なく、現在、購入するのには数千万円も必要と言われています。58年のゴールド・トップをツイストのギタリストだった松浦善博さんからお借りして弾かせて貰ったことはあるんですけど、もう25年も前のことでほとんど記憶がありません。レスポールというのは本当はどんな音がするギターなのか?未だによくわからないのです。

70年代の記憶

70年代にギブソンのレスポールを持っている高校生は少なかったはず。僕もグレコのEG-480というコピーモデルしか所有していなかったのですが、同級生で再発されたばかりのレスポール・スタンダードを買った奴がいて、しかも気前よく貸してくれていたので、そのサウンドには親しんでいました。そのギターを弾いている高校時代の写真です。


そういえば、学祭の対バンで「カルメン・マキ&Oz」のコピーバンドにいた2人のギタリストが、ギブソンとフェンダーを持っていたのが羨ましかったのを思い出しました。そのバンド、サンバーストのレスポール・カスタムを弾いていたのは、同じ学校の1年後輩の「東儀秀樹」君、でした。

その後、「Hang Raiji」というバンドをやっている頃に、同じ年代のレスポールを手に入れたという話は前に書きましたね。3ピースのメイプル・ネック、ハイパワーのピックアップを搭載し、しかも激重のレスポールが、その時代を過ごした多くのギター少年のレスポールに対するイメージを形成したと思われます。


ヒストリック・モデル

現在、使用しているヒストリックのレスポール・スタンダードは僕にとって2本目。実は1998年に新品の58年リイシューを1度買っています。購入時に初めて試奏したヒストリック・モデルは違和感ありまくり。何故なら、重量も軽くて、ピックアップのパワーも低く、思い描いていたレスポールとは全然違っていたから。正直、ヒストリックの半額ほどの価格だった「レスポール・クラシック」というモデルの方がしっくりきていたのです。まあ、当時親しくさせていただいていたお店のスタッフさんお勧めのヒストリックを買いました。

その後(99年頃)、中古の94年製のヒストリック・レスポール・スタンダードに買い換えて今に至るという感じです。このギターはそれほど軽くはありませんが、特段に重いということでもありません。


94年製の特徴

ヒストリック・モデルも製作された年代によって微妙にスペックが異なるそうです。この個体は59年のリイシュー(R9)で、ネックがディープ・ジョイント仕様なのは良いのですが、テールピースはアルミではなくスティール製。サーキットも非常に貧弱なものが搭載されていて、購入後に即交換しました。


写真の「レスポール大名鑑」によれば、94年にはR9モデルは349本作られているそうで、260本目が94年の11月27日のスタンプとのこと。(ギブソンのビルダー=トム・マーフィー氏が最後に手がけた個体らしい)僕のは280番台なので、94年の12月に製作されたと推測されます。こんなことがわかるなんて面白いですね。


レスポールの弾き比べ

そんなわけで、他の人が所有しているレスポールにも興味津々。ローランドの社員にはギター好きの方が沢山いらっしゃるので、時々、お願いして弾き比べをさせて頂いています。先日もこんな感じで…。(右の2本は自分のギターです)


1番左のゴールド・トップは2005年製の「1957リイシュー」。少し重めではありますが、ガッツがあってロックなサウンドにピッタリ。細めのゲージにも関わらずしっかりとしたトーンが特徴でした。
左から2本目のバーストは比較的最近の個体。これはビックリするくらい軽量で、フェンダーのギターのような、パキッとした抜けの良いサウンド。「ヴィンテージのバーストは軽量である」という噂なので、このギターのようなサウンドなのでしょうか?でも、どちらも素晴らしいギターでしたよ。

このギターにピッタリな弦は?

他人のギターを弾くと、いつも自分のよりも良い楽器に思えてしまうのは、「隣の芝は…」ということなんだとは思います。でも、決定的に違うと思ったのはテンション感の違い。僕のギターはテンションがやや緩く、プレイ時にピックがまとわりつくのが気になってました。でも「011〜」のセットはいくらなんでも…、と思いきや、先日、楽器店でダダリオの「010.5〜048」というゲージを発見!それまでの「010〜046」から張り替えてみると、これが僕のレスポールにはバッチリで、長年の悩みがかなり解消された気がします。ナットの再調整も行ったのでチューニングも非常に安定しています。弾き心地をあまり変えずにガッツだけを求めるのなら、こんなゲージも試してみる価値はあるかもしれません。奥深いエレキギターの世界、まだまだ知らないことが沢山ありそうで。面白いッス!!


明日(3/31)はいよいよ「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック2」の発売日。多くの方に読んで頂けたら嬉しいです。

2014年3月24日月曜日

買って良かった、ゴダン・ギター

 3月31日発売のムック本「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック2」(GT-100の攻略本)の最終の校正も終了し、後は発売を待つばかり。今月予定されていたイベントや音源制作も一段落してホッとしています。思えば、昨年末からまともに休んだ日は無かったかも。

 去年はいつになく、ガットギターを弾く場面が多かったのですが、15フレットあたりを使用するフレーズを指定されることが多くて困りました。通常のガットギターは12フレットでボディとネックがジョイントされているので、高音域は非常に弾きにくいからです。タカミネの12フレット以上は、今まであまり使っていなかったのでサビているほど。


 そんな悩みを解消したくて先週購入したのが、Godin(ゴダン)というカナダのブランドの「Multiac Nylon SA」というモデル。(今後は、もうギターは買わないなどと表明するのはやめときます)ローランドのイベントなどで時々借りていたので、このギターの素晴らしさは認識済。でも、「ライン専用でマイク録りできないこと」、「見た目がアコギっぽくないので、観客にアコギをプレイしていることが視覚的にわかりにくいこと」なんてことがあって手を出せずにいたのです。


 15フレットジョイントに加え、カッタウェイ仕様。通常のガットと比較すると、やや細身で薄いネック形状に仕上げられており、弦高もかなり低めに調整されているので、とても弾きやすいです。ボディはソリッドではなくて中空構造になっていて、生音でもそれなりの音量で鳴ります。それでも通常のアコギに比べれば小音量なので、マンションなどで練習するには丁度良いレベルです。軽量なのも良いですね。もっと早く買えば良かった〜。


 使用されている材の品質も高く、滑らかで高級感のある仕上がり。トップはSpruce、バックとネックはMahogany、指板はEbonyです。


 ピエゾ・ピックアップによるサウンドもリアルそのもの。以前にローランドのアコギ用アンプ、AC-33で鳴らした時の感動が甦りました。3バンドのEQ搭載。ミッドの帯域を700Hzか1200Hzに切り替えることができます。


 このギターのもう一つの魅力はGK対応、つまりギターシンセのGR-55などを一緒に鳴らすことができるところ。通常のガットのサウンドにパッド系の音を混ぜると、エレキでは味わえないゴージャスなサウンドに仕上がります。


 実は、もう一つこのギターに期待しているのはGR-55などを経由してのMIDI出力機能。GK搭載のエレキギターでも入力自体は全く問題無くできますが、ナイロン弦独特の、特にコード演奏時の弾き心地が気に入ってます。入力後にエディットはしますけど、僕にとっては鍵盤に比べたら遥かに素早く入力できる便利なツールにもなりそうです。

 数えてみたら、ローランドさんから借りているG-5や、ベースなどを含めると27本もの楽器が家にありました。ちょっと整理しないとヤバいかも…。

——————————————————————

 ブログ自体はちょっとサボってましたが、今月はいろんなことがありました。書きたいことが溜まっているので、多めに更新する予定。また、読みに来てください。

2014年3月11日火曜日

GT-001登場&朗報あり!!

本日、BOSSの新製品が発表になりました。今回は事前の情報が全く無かったので驚いた方も多いでしょう。今回はGTシリーズ待望のデスクトップ・モデル=GT-001の概要をレポートします。




GT-001とは?

既発のGT-100は、サウンド的にも機能的にも歴代のGTシリーズ中でもとりわけ評価の高いモデル。堅牢なボディに、ライブ演奏に欠かせない多くのペダル類を多数備えた製品で、僕自身もライブやレコーディングの仕事でガンガン使っている、というのはこのブログでも度々取り上げています。

反面、GT-100を自宅の机の上で使うにはそれなりの設置スペースが必要です。今回登場のGT-001はサウンドのクオリティや内蔵エフェクトの構成はGT-100と同等以上でありながら、小型軽量に仕上げられたモデル。自宅使用がメインのユーザーにとっては、かなり魅力的な製品に見えるのではないでしょうか?デザインも素敵!




今回のGT-001には「Ver.2.00」として、機能を大幅にバージョン・アップしたシステムが採用されています。

搭載エフェクター

GT-001に搭載されているCOSM AMPやエフェクター数は既存のGT-100を上回っています。ボグナーやオレンジ・アンプのモデリング・サウンドや、最新の「TERA ECHO」、「OVERTONE」、「A-DIST」等のエフェクトなどが新規に搭載されました。

その機能は?

・XLR端子
インプット部にマイクを接続できるXLR端子が搭載されました。ファンタム電源の供給も可能なので、コンデンサー・マイクの使用もOK。ヴォーカルやアコギ録音もバッチリですね。




・USBオーディオの強化
PC側から見て2系統4バスに拡張されました。これによって「リアンプ」機能は大幅に強化されています。DAWにノーエフェクトで録音したギター素材をGT側に送り、オケにミックスした状態で再生、編集ができます。

・USB給電に対応
PCと併用ならACアダプター不要。

・ライブ用の機能のいくつかはカット
「Send/Return」、「Amp Control」、「Phrase Loop」、「EZ Tone」等。MIDIはUSBのみの対応。

BOSS TONE STUDIO

エディターやライブラリアンも含めたPC用アプリが登場します。専用サイトからパッチをダウンロードしたり、パッチ編集や練習に便利な機能もいろいろと搭載されています。

朗報!GT-100もVer.2.00に対応

何と!GT-100もVer.2.00に対応。近々にシステムとPC用ドライバーのアップデータが公開される予定です。GT-100ユーザーも新規エフェクトや機能を享受できます。楽しみですね!




「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 2」

3月31日にはシンコーミュージック・エンタテイメントから僕の2冊目の本「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック2」が発売になります。「GT-100完全攻略」がテーマのこの本、GT-100の基本から、超マニアックな使い方まで、僕の持っている知識と技術を全て公開。勿論、Ver.2.00完全対応版です。詳細は後日!!