2019年8月4日日曜日

BOSS SY-1レビュー ~ ファースト・インプレション

ギターを弾くだけで手軽にシンセ音を楽しめる画期的なモデル=SY-1。BOSSさんからお借りできたので早速、テストさせていただいています。どんな内容か気になっている人も多いのではないでしょうか?充実したサウンドと機能を備えた期待以上の仕上がりになっていますよ。

概要やスペックなどはこちらでどうぞ!→公式サイトへ
取扱説明書もすでに公開されています。→サポート・ページへ



SY-1の発音の仕組み

GKピックアップを使用するGRシリーズとは異なり、SY-1はギターからのノーマルな信号をシンセサイザーのような音に変換するエフェクターです。以前にご紹介したSY-300は、ユーザーが3オシレーターを自由にブレンドし、大量のパラメーターで多彩なサウンドを構築できる製品。それに対し、SY-1は121種類ものプリセット・トーンを呼び出し、必要最小限のパラメーターだけで誰でも直感的に音を作っていくことができる設計になっています。それでいて、サウンド面の妥協は一切ありません。単音だけでなく、コード・プレイにも問題無く対応します。パッド系やストリングス、オルガンなどのサウンドを、普通にギターを弾くだけで楽しむことができます。



実際にプレイしてみると…

実際に音を出してみると想像以上に面白い音を作り出すことができました。その印象をまとめてみましょう。

1. ピッキングに対しての反応

レーテンシー(音の遅れ)やトラッキング(意図しない音が発音されてしまう)の問題は皆無。ピッキングの強弱によるサウンドの変化もきわめてナチュラルです。コードやアルペジオを弾いたときなどでもフレーズに完全に追従して発音されます。

2. サウンド

タイプを切り替えるだけで美しいパッドやベル系からエグいリード・サウンド、インパクトのあるSE的なサウンドまで、次々に面白いサウンドが飛び出してきます。シンセ音なので、ライン接続でもOKなのですが、個人的にはそのままギターアンプから再生したサウンドもかなり使えると思いました。キーボード・タイプのシンセのサウンドそのまま、とまでは言えませんが、逆にSYシリーズならではのユニークなシンセ・サウンドとして確立していくような気がします。

公式サイトでは内蔵されている全てのシンセ音が視聴可能 → SY-1 SYNTHESIZER Sound Tryout

注意深く聴くと、いくつかのサウンドがレイヤーされて発音されているのがわかると思います。

3. 操作性

【DIRECT】&【EFFECT】ノブでノーマルなギター・サウンドとシンセ・サウンドを簡単にミックスできます。【TONE/RATE】と【DEPTH】はセレクトしたタイプによって自動的にアサインされます。どちらかといえば、フィルター系のパラメーターが多い印象。


SY-1を使う醍醐味はシンセの代用としてだけではなく、オクターバーやピッチシフター、コーラスやディレイといったエフェクターと同様に、原音にエフェクト音を追加するギターエフェクターとしての可能性ではないかと感じます。コンプ・クリーン系とストリングス、アルペジオ+ベル、ディストーション系リード+シンセ・リード、パワーコード+シーケンス・フレーズなど、キーボード不在のギターバンドにひと味違ったサウンドを加えるのに最適なアイテムとなりそうです。

SEND/RETURN端子を使用することで、歪み系などの外部エフェクターを分岐することができます。歪みサウンドとクリーンなシンセ音をミックスする場合などで活用できます。

4. コントローラー

本体のペダルを長押しすることで得られる「ホールド」や「EXP/CTL」端子に接続したペダルやフットスイッチによってさまざまな効果を加えられます。「ピッチをオクターブ上げる」、「フィルターの掛かりをリアルタイムに変化させる」、「シーケンス・フレーズなどのテンポを入力する」などの効果を加えられます。音に動的な変化をつければ、さらなる表現力のアップにつながると思います。写真ではEV-30を接続しています。



5. 拡張性

現在、BOSSのスイッチャー「ES-8」を載せたボードにSY-1を組み込んで試しています。コンパクトな筐体なので、場所を取らずスッキリと搭載できるのがイイですね。SY-1本体のSEND/RETURN端子に歪み系などを接続すれば、前述のようにシンセをミックスしたサウンドを出せるのですが、ES-8のループに組み込んで、パラレル(並列)接続をすることで、他のエフェクターとの組み合わせを自在に試すことができます。


複数の歪み系の組み合わせを切り替えたり、ギター音にだけエフェクトを掛ける(あるいはその逆とか)、などの実験が簡単に行えます。各エフェクトとの接続順も自由に行えますが、SY-1はダイレクト音を入力するほうが良さそう(つまり、ギター側の先頭に接続)に思いました。


ES-8側の「CTL OUT」とTRSケーブルを使ってタップ入力すれば、ES-8のパッチで設定したテンポに自動的に追従させることもできそう。

SY-1とGT-100/1000のSEND/RETURNと組み合わせても楽しそうです。

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まずは第一印象ということでご紹介しました。ST-1は9月発売予定。機会があれば動画なども作ってみたいと考えています。では!

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