今月はレコーディングの仕事が2日間ほどありました。現代ならではの両極端な事例だったので、ここでご紹介しましょう。
自宅でレコーディング
知り合いのアレンジャーさんから、電話が掛かってきてギターの録音を依頼されました。「スタジオに来ても良いし、自宅録音でデータだけ納品してもOK」とのこと。今回は後者、自宅録音を選びました。「どんな感じにします?」と尋ねたところ、「基本的には自由に弾いて構わない」だそう。今までも同様の方法でレコーディングすることはありましたが、こんなに制約の無い仕事は初めてでした。ネット経由で送られてきたのはマルチ・データ。ピアノ、ベース、ドラムに加え、ヴォーカル・パートも。譜面もありませんでしたが、バラで送られてきているのでコード等は簡単に確認可能で、自分でコード譜を作成しました。プロ・ツールスからトラック毎に最初から最後まで書き出して頂いたものを、僕の愛用するDAWソフト「Logic Pro Ⅹ」に流し込み、それに合わせてフレーズを録音していきます。
まずはアコギを録ろうと思ったのですが、その日は近所で工事をしているらしく、ノイズがマイクにかぶってしまいます。お昼になれば、食事休憩で静かになると予想し、12時から1時間程度で2トラック分のアコギを録音。マイクはRODEの「NT-2」を使いました。
そこからはGT-100と自慢のテレキャスを使って、思いつくフレーズを片っ端からMacBook Proに録音していきます。要らないフレーズは先方でカットされるのを承知で大量のフレーズをレコーディング。時間の制約も無く楽しく作業できました。完成した各トラックをネットで納品して作業は終了。後日、ミックス・ダウンされた完成バージョンを聴かせて頂いたところ、結構多くのテイクが採用になってました。やっぱり完成品に自分のアイディアが入っていると嬉しいですね。昔では考えられない仕事のやり方です。
スタジオでレコーディング
一方、昔ながらのレコーディングの仕事もしてきました。アーティストさんを始め、アレンジャーさん、ディレクターさん、エンジニアさんなどがいる前で演奏するのはそれなりにプレッシャーを感じます。この日は既にほぼ出来上がっているオケにギターをダビングする仕事でした。この日もアコギから録音。ギターはMartin D35です。
用意して頂いたのはNEUMANのいかついマイク。ムチャクチャ良い音でビックリしましたが、僕の持っているコンデンサー・マイクの25倍ほどのお値段のマイク。まあ、それは仕方ありません。よく見ると「Vo専用」の文字が!
次にエレキのダビング。アンプは最近ライブでも使用しているBad Cat。ブースの中にセッティングして、ケーブルは壁に開けられた穴から、隣の部屋にあるエフェクターに接続します。右上の壁に穴が空いているのがわかりますか?
当日に持って行った5本のギターの中から、取っ替え引っ替えテストして、最終的にはテレキャスと、この写真には写っていませんが、黒いレスポール・カスタムをメインに使いました。
エフェクターも沢山持って行ったのですが、今回はMad Professorの「Sweet Honey Overdrive」をチョイス。ライブではブースター的に使ってますが、この日はゲインも高めに設定してメインの歪みとして使用。
モニターはヘッドホンで行います。この日は1人でギターをダビングするだけだったので、オケ全体の音の他は、クリック音と自分のギターの音だけ別にコントロールできるようになってました。(この機械はキューボックスと呼ばれます)
時としてレコーディングでは良いサウンドがなかなか得られなかったり、アイディアがでなかったり、うまく演奏できなかったりすることもあるのですが、この日は比較的スムースにことが進みました。ああ、よかったー。家で1人で作業するのも気楽で良いですけど、いろいろな人に囲まれて仕事をするのもやっぱり楽しいものです。
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