※OD-1Xのレビューはこちら
このモデル「DX-1X」はBOSSのロングセラー「DS-1」のキャラクターとはかなり異なります。DS-1のような粗さや、コンプレッション感はあまりなくて、全ての帯域でキレイに歪むのが最大の特長です。低音弦のリフ的なフレーズからハイポジションでの単音弾きまで、同じセッティングのまま演奏できます(このビデオでは変えてますけど…)。まずは曲っぽいのから聴いてみてください。(スマホで見られない場合はこちらからどうぞ)
久しぶりにGibson SGとDuncanストラトを弾きました。
ファースト・インプレッション
音を出してみて最初に感心したのは、サウンドのレンジがとても広いところ。でも、「ドンシャリ」と表現される音とは違い、芯のあるサウンドなのにミッドが突出しない素直な音という印象を持ちました。
昨年発売された「DA-2」は、粗いクランチ的なサウンドからメタル系ハイゲインまで、【A-DIST】の位置によってキャラクターが変化するモデル。一方、DS-1Xの【DIST】ではキャラ自体はあまり変化せずに、歪み量だけを自在にコントロール可能です。
【DIST】を上げれば「DS-1X」単体で心地良いリード・サウンドが得られますし、ギター側のボリュームを下げることで絶妙なクランチ・サウンドも得られます。DA-2のミッドレンジのクセ(これが良いところでもあるのですが…)が気になる方は、このモデルの音の方が好みかもしれません。
こちらも単体のデモ・ムービーを聴いてみてください。(スマホの方はこちら)
デモ・プレイの解説
こちらも全部で5パターンのセッティング。順番に解説します。
デモ#1
レスポールとJC-120との組み合わせ。【DIST】の設定がかなり低めですが、ハムバッカーなら充分な歪みになります。分厚いコードサウンドでしょ?因みにこのフレーズ、最初が8分音符でシンコペーションしてます。
デモ#2
PRSとJC-120。ハイパワーで中域の強いピックアップ(HFS)との組み合わせでもスッキリした伸びやかなリード・サウンドになります。でも、このデモで注目して欲しいのは、単音弾きの部分だけでは無くてコード弾きの部分のサウンド。高音弦までキレイに歪んでいるのをお聞き逃し無きよう。
デモ#3
ストラトと完全なクリーン・セッティングのマーシャル。シングルコイルのフロントで強く歪ませても、こもったり、腰砕けになったりしないのは驚異的。正直、この組み合わせでこんな音がするとは、やってみるまで想像できませんでした。
デモ#4
レスポール(ドロップD)とマーシャル。このフレーズの冒頭のクリーン・サウンドがマーシャルの素の音です。途中からOnにしたDS-1Xだけで迫力満点のサウンドになりました。
デモ#5
テレキャスとフェンダーアンプ。これも最初のコードがアンプの素の音です。パワーコードで押しまくるようなメロコア的なコード進行ですが、敢えて1&2弦の開放弦を鳴らしながら弾いてみました。クローズド・ヴォイシングでも全く濁らず、それでいてしっかり歪みます。
MDPとは?
昨年発売された3機種も含めて、最近のBOSSのコンパクトは「MDP」という技術が使われているそうです。入力された信号に単にフィルタリングを施すような歪み系エフェクターの回路とは異なり、多元的に、そして動的に(弾き方の違いなどによる変化を認識して)音を処理しているようです。いずれにしても、デジタルならではの技術を駆使することで、アナログでは決して作ることができないサウンドを作り出しているんですね。エフェクターも次のステージに入ってきているということをヒシヒシと感じます。
今回発表された2機種は、ギターやアンプなどが持つキャラクターを殺さずに、それでいてどんな組み合わせでも使える音になるところがとても気に入りました。現場でもあまり音作りに悩まずにプレイに集中できそう。また、いろいろテストしてレポートします。
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