以前の作業部屋
転居前の作業部屋は約6畳。広さ的には問題なかったのですが、音楽制作にはやや難ありの状態。角部屋で、隣家には接していなかったのですが、階下&階上の家には音が漏れてしまう可能性があったので、ほとんど音を出せず…。ヘッドホンをMAINに作業していました。
さらに、この部屋にはエアコン用のダクト穴がなく、ウィンドウ型エアコンを設置するしか手段がありませんでした。夏の期間は窓を半開きにする必要があり、エアコン自体の動作音も非常に大きかったのがストレスになっていました。アコギをマイク録りする時など、窓を閉め切りにしてエアコンを止め、汗だくになりながらレコーディングしたこともあります。
転居先物件の状況
転居先は築30年を越える物件ですが、SRC造のしっかりしたマンション。ここをリノベーションすることにしました。物件内のどの部屋で防音工事を行うか、施工をお願いした「アコースティックエンジニアリング」さんと相談しつつ、隣家と接していない5.6畳の部屋をスタジオ化することにしました。壁紙にはカビが…。
いよいよ工事の始まり。少しでも部屋を広く取るため、壁を元の部屋よりも少しずつ広げて立てます。防音用に壁を厚くするため、最終的な部屋のサイズは4.5畳程度にまで小さくなってしまうので、必要最小限の機材だけをここに収納することにします。
部屋の四方に遮音用の吸音材が入れられます。本当は窓を潰してしまえば防音性能は上がるのですが、ここに引きこもってしまうと気が滅入りそうなので、頑丈な2重窓を設置することにしました。元々の外側の窓は共有部分になりますので、それはそのまま残し、内側の半分を壁に、もう半分を窓にしています。
上の写真の壁に石膏ボードが貼られた状態。この段階で遮音性能のテストも行われました。左側にはさらに吸音材が仕込まれていきます。単に防音するだけでは無く、室内の音響調整もキチンと行われます。僕自身は楽器の生音の響きよりも、楽器のサウンド調整やミキシングを正確に行えるように、比較的デッドな音場に仕上がるようにリクエストしました。
前面(左側)の吸音部分が完成し、壁紙を貼られるとグッと完成に近づいてきます。背面側(右側)にも部屋の鳴りをコントロールする吸音材が追加されます。床に転がっているのは前の部屋から持ってきた書棚。サイズを測ったのでピッタリと設置できました。
二重窓はこんな感じ。
電気設備編
天井に設置されたスポット・ライトは調光が可能。気分に応じて明るさを自由に設定できます。
前面と背面にはLEDの間接照明が仕込まれています。オシャレ〜。
スタジオ内には117ボルト、楽器用100ボルト、その他の家電用の三系統の電源が引かれています。
キッチリと遮音されており密閉率も高いので、給排気のための換気扇が2機必要とのこと(窒息する?)。しかし、室内では全くファンの音は聞こえません。
気になる遮音性能、そして費用は??
「アコースティックエンジニアリング」さんに依頼して良かったことはいくつもありますが、キッチリと遮音性能を実験して頂けたことが安心につながりました。実際に階下の室内測定も行った上で、どの程度の音量まで出せるかを提示していただけます。下の写真は本格的に機材を設置する前に技術の方に立ち会って頂いてギターを鳴らしたとき。マンションの室内でここまで防音できるのに驚きました。さすがに生ドラムを叩くことはできないと思いますが、ギターアンプなら自分がうるさくて耐えられない位の音量が出せます。
今回、自宅スタジオを作る上で最大の懸案はやはり費用のこと。あらかじめ、この業者さんのサイトで大まかなコストが記載されていたのを確認したところ、「思ったよりは安いな」といった印象。防音室の面積など条件によっても違いますが、ウチのケースでは「国産中級クラスの新車くらいの価格」といった感じ?個人的には費用対効果が高かったので、非常に満足しています。
→「アコースティックエンジニアリング」さんのサイト
次回は実際にスタジオを運用して気づいたことなどを書いてみます。
P.S.
今月(2018年7月号)のギター・マガジンに「ギターを思いっきり弾けるプライベート・スタジオ」として記事を掲載していただきました。是非、ご覧ください。
以前、ランディローズのRUN奏法でコメントした者です。
返信削除防音工事の詳細を記事にしていただき、凄い参考になりました。
宝くじが当たったら早速、新車1台分で部屋を造りますね(笑)
100Wスタックでザックワイルド並に、ピッキングハーモニクスを思いっきり出したいです♪
防音室では本当に快適にプレイできます。マンションで100Wスタックをフルドライブさせるのはちと難しいかもしれませんが…。
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