2016年5月4日水曜日

エレアコ用プリアンプはこれで決まり!~VE-8登場!

BOSSの新製品「弾き語りボーカリストのためのオール・イン・ワン機器」 Acoustic Singer=”VE-8”が発売になりました。ボーカル用エフェクト+ギター用エフェクト+ルーパーが一体化されたこのモデル。演奏ながら歌うことが楽しくなる製品です。


エレアコをライブで使う

レコーディングでは、ほとんどの場合マイクを使ってアコギを録音しますが、ライブに於いては何らかのピックアップを搭載したエレアコを使います。ピエゾ・ピックアップの他、マグネット型やコンデンサー・マイク型もありますが、いずれにしてもマイクで録音したようなサウンドにはなりません。それを程良く「マイク録り」風のサウンドに調整するための「エレアコ用プリアンプ」が各社から発売されています。しかし、この「ピエゾ」独特のサウンドは、ライブ時には音抜けが抜群に良いこともあり、一概には「悪い音」とは言えないところがミソなのです。

VE-8のギター用エフェクト

本格的なエレアコ用プリアンプと比較しても勝るとも劣らない、心地良さとヌケの良さを両立することができるサウンド。最小限のコントローラーですが、「Acoustic Resonance」と「Shape」スイッチだけで多彩なバリエーションが得られます。前者は最小値ではピックアップのピュアなサウンドになり、ツマミを上げていくとアコギらしい響きに連続可変で微調整することができます。「Shape」はギターを4種類のキャラクターに変更できる機能。図太いブルージーなサウンドから煌びやかなサウンドまで、フレーズや使用ギターによって選ぶ事ができます。高品位なリバーブのモード変更(ホールやルームなど)も勿論可能です。


VE-8をアコギ用プリアンプとして使った場合、「ナチュラル」な響きが得られる点がとても気に入りました。ギター本体のキャラクターを殺さずに、演出過多にならない自然なサウンドが得られます。どんな楽器を使っても、ピエゾ・ピックアップからのサウンドは似たような音になってしまいがちですよね。今回、ハイランダー製PU搭載のマーティンD-35とフィッシュマン搭載のギブソンLG-2で試してみましたが、生音の違いがそのままVE-8からの出力で認識できたのには驚きました。


フットスイッチには「CHORUS」と記載されていますが、8種類のタイプに変更可能。しかも3種類まで同時に使用できます。個人的にはソロ用にディレイを使う場面が増えそう。今までライブではBOSSの”AD-8”を使ってきたのですが、今後の仕事ではVE-8に置き換え決定です。


ボーカル用エフェクト

こちらのサウンドもナチュラル。「Enhance」と「Reverb」を掛けるだけで、生声だけよりも心地良く歌うことができます。久々にビートルズの曲とかを歌いまくってしまいました。ギターのコードに追従させてコーラスを付加できるハーモニー・エフェクト(キー指定も可)、プロ・ボーカリスト御用達の”VE-20”でもお馴染みのピッチコレクトや「ラジオ・ボイス」なども楽しめます。瞬時に全てのエフェクトをバイパスできる機能はライブでのMC時に重宝しそうです。


ギターとボーカルのエフェクトの組み合わせをパッチとして50個まで保存できます。

ミキサーとしてのVE-8

弾き語りミュージシャンにとっては、VE-8本体にイヤモニを接続するだけで、簡単にプロ同様の環境を構築できます。ステージで最も重要なモニター・サウンドをPAエンジニアの手を煩わすことなく最良の状態に仕上げることができるのです。ボーカルとギターのバランス、リバーブの調整も手元で行えます。しかも、4系統の出力のアサインも自由自在。歌とギターをパラで別チャンネルに送ったり、イヤモニ側だけにリバーブを掛け、アウトプットではドライ音を出力したり、などと状況に応じた設定も可能です。



チュートリアル・ビデオ

このVE-8の基本的な機能を説明したビデオがYouTubeで公開になっています。上記の映像もその一部です。恥ずかしながら、少しだけ歌ったりもしていますが、よかったらご覧ください。(YouTubeにリンクしています)



2016年2月6日土曜日

新刊が出ます!

ご無沙汰です。2016年はとっくに明けましておめでとうございます。今回は近況報告や告知などです。

プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 4

この記事のタイトルの通り、2016年2月19日(金)にシンコーミュージック・エンタテイメントから「プロフェッショナル・エフェクター・テクニック 4」が発売されます。第1弾が「BOSSエフェクターの組み合わせ」、第2弾はマルチ・エフェクター「GT-100完全攻略」、3冊目は「歪み系モデル全41機種研究」だったわけですが、4冊目になる今回はディレイやリバーブなど「空間系エフェクト完全解析」をテーマに執筆しました。


BOSSブランドの歴代ペダルから最新モデル"DD-500"は勿論、Rolandブランドのテープ・エコー「REシリーズ」や往年のラック型モデルも網羅。ディレイだけでなく、リバーブや空間系マルチもチェックしました。勿論、サンプル音源を収録したCDも付属。かなり面白い本に仕上がったと思っています。詳細は後日に改めてご紹介させていただきますね。

Amazonでも予約が始まっているようです。→こちらからどうぞ。


新製品ラッシュ

1月にはRoland/BOSSの新製品が発表になりました。熱烈なファンも多いビブラート=「VB-2」がアナログ回路の「技クラフト・シリーズ=VB-2W」として完全復活。ギター/ベース・プレーヤーでも簡単に使える、メチャクチャ面白いボコーダー=「VO-1」、ベース用マルチバンド・コンプ、と言いつつギターでもバッチリ使える「BC-1X」という、BOSSコンパクト・モデルも3機種の発売が決定しています。順次レビュー記事も書いていこうと思っています。


アンプのニュー・モデルも2機種発売されます。何と、BOSSブランド初のギターアンプ「Waza Amplifier」が登場。クリーン〜リードまでの4チャンネル仕様、「トーン・カプセル用ソケット」対応で拡張も可能、キャビネットのバリエーションも2モデルがラインナップ。これは楽しみ〜!


先日、ライブで「Blues Cube Stage」という60Wモデルを使ったのですが余裕の鳴りっぷり。(写真もBlues Cube Stage)


もっと小さいアンプでも良かったと思っていたところだったので、これまでのラインナップ中では最小、軽量のモデル=「Blues Cube Hot」の発売にも注目しています。今回のモデルは30Wという出力ですが、実際に鳴らしてみるとライブでも普通に使えそうな印象。現場で鳴らす機会がありましたら改めてレポートします。(これはBlues Cube Hotのパネル部です)


スイッチャー=ES-5も!

昨年の「ES-8」に続き、5ループのスイッチャー=「ES-5」も発売予定。「ES-8」ほどループ数が必要ないと考えているならベスト・チョイスになりそうな軽量、小型のモデルです。写真は上側がES-5、下がES-8。2周りくらい小さいですね。「ES-8」に搭載されていたコントローラーやMIDI機能などはほぼそのまま。そして、さらに驚くべきはその価格なんだな〜。しばし待たれよ。



ES-5のデモ・ムービー

その「ES-5」のデモ動画用の音楽制作を担当しました。今回はその動画に出演もさせていただいています。(首から下だけですが)


これは撮影時のボード。実際の録音に使ったエフェクターがセットされています。


撮影風景も何枚かどうぞ。



このブログ、今後もボチボチと更新する予定。今年もよろしくです!

2015年11月8日日曜日

BOSS PW-3 レビュー

 BOSSの新しいワウ・ペダル="PW-3"が発売になりました。ワウは多くのギタリストにとって必携のエフェクターですよね。今回のモデルは、前モデルの"PW-10"が2011年に生産完了になってから、長期の開発期間を経て登場しただけあって、非常にハイクオリティな製品に仕上がっています。主な特徴から見ていきましょう。


外見と概要

 BOSSブランドのワウ・ペダルには、1979年発売の「Rocker Wah」="PW-1"、1991年の"FW-3"(写真右)、2002年の"PW-10"(写真左)というラインナップがありました。


旧モデルと並べると、PW-3が非常に小型化&軽量化されているのがわかると思います。にも拘らず実際に使ってみると、床に対してグリップが安定しているので、踏んでいる間に動いてしまうようなことは全くありません。エフェクター・ボード内にも楽勝で収納できるサイズでもありますね。エフェクトのON/OFFのインジケーターは左右の側面の2箇所に付けられているので、足を上に置いている場合でも、どちらかのLEDが見えるので現状がすぐに確認できます。


前モデルのPW-10は、モデリングされたさまざまなワウ効果を切り替えられたり、同時に歪み系を使用することもできたのに対し、PW-3はシンプルなアナログ仕様のワウ・ペダルになっています。ペダルの可変幅も極めてワウらしい使い易い角度になっています。



同サイズのフット・ボリューム="FV-30L"と比較してみてください。


ワウ・ペダルのON/OFFスイッチは柔らかいと踏んでいる間に切り替わってしまったり、硬いと踏み損なってしまったりと調整が必要なのですが、搭載されているゴムを外したり、付属のゴム片を貼り付けるなどして調整できます。家で裸足で踏んだときに丁度良い硬さにしてしまうと、ライブで盛り上がったときに失敗しますから、自宅ではちょっとスイッチが切り替えにくい、と思う程度に調整するほうが良いと思われます。勿論、ペダルのトルクの強さも変更可能です。電池交換が簡単なのも地味に良いです。

VINTAGE MODEとRICH MODE

 このPW-3の最も優れているところはそのサウンド自身。パネル部のスイッチで2つのモードを切り替えられるようになっています。「VINTAGE」モードでは、額面通りのヴィンテージ・サウンドを手に入れることができます。写真の60年代の「VOX」製のワウとかなり似た質感に感じました。


実は、ジミヘンなどの時代のワウ・ペダル・サウンドにはちょっとした秘密があるんです。ギターから出力された高いインピーダンスの信号を直接ワウに接続したときと、モダンなエフェクター(バッファー内蔵のモデル)を通した後段に接続した場合とでは、動作や音色が異なることが知られています。これは、一部の古い設計のファズやワウだけに見られる現象なんですね。製品マニュアルに接続方法の図が記載されていますが、一般的なギター側の最前段にワウを接続する手法を示しているだけでは無く、このモデルの良さを引き出すためにこの接続順を推奨しているのです。
 しかも、バイパス時には上質なバッファーを通るようになっているので、直列時にエフェクトをオフにしても音が劣化してしまうこともありません。


どのように音が変化するかは、BOSSのスイッチャー="ES-8"の「インプット・バッファー・スイッチ」を使うことで簡単に実験できます。ES-8のループにPW-3を接続し、インプット・バッファーをオフにした瞬間にワウ・ペダルにありがちな耳に痛い帯域の音が削られて、ファットでマイルドな音に。こりゃライブで使うのが楽しみです!


ヴィンテージ・サウンドの追求だけではなく、従来のワウペダルの「低域が無くなってしまう弱点」を払拭した「RICH MODE」にも切り替え可能。バンド・アンサンブルの中でどちらが使い易いか、手に入れたら試してみてください。
 これらに関しての実験を自宅で行い、簡単な動画を作ってみました。こちらも是非、ご覧ください。


2015年10月29日木曜日

JCシリーズ40周年

 JCシリーズの最初のモデル"JC-120"が発売されてから今年で40周年なんだそうです。ギターを弾かない方に一応説明しておくと、「JAZZ CHORUS-120」というモデル名の名機JC-120は、日本中のどこのスタジオやライブ・ハウスにも置いてあるローランド社製のギターアンプのこと。「ジャズコ」と略して言う人もいますが、僕は「ジェーシー」と呼ぶのがクセになっていて、「最近、JC気に入っているんだよね〜」なんて公共の場所でうっかり言ってしまうと、別の意味にとられないかとヒヤヒヤします。


JCシリーズのラインナップにも、久々にニューモデルが登場。「JC-40」のレビューもこの記事の後半に書きましたので、併せてご覧ください。

JC-120の新旧比較

 40年前、1975年は僕がGreco製「EG-480B」を購入してギターを始めた年でもあります。JC-120が写っている昔の写真を探してみたところ、ハイありました。


これは1976年頃の写真で、高校時代に一緒にバンドをやっていたボーカルの高桑君とスタジオ常設の最初期型JC-120です。

40年間、ほぼ同じデザインとスペックを誇るJC-120ではありますが、現在のモデルとは微妙に異なっています。現在のJC-120のパネル部と最初期型を比べてみましょう。(上の写真が現在のモデル)



現行モデルの電源スイッチがプッシュ式なのに対し、旧モデルは「ピン型」ですし、コーラス/ビブラートのスイッチ形状も違います。よく見るとロゴのフォントやカラーも異なりますね。また、「CHANNEL-2」インプットにあるはずの「ブライト・スイッチ」が初期型にはありません。(これも上が現在のモデル)



他にも、スピーカー・ユニット自体は時代と共に変遷していますし、現在のリア・パネルに搭載されているような洗練されたセンド/リターン機能とは異なった仕様でした。

現在でも40年前と同じモデルが製造し続けられている理由は、サウンドそのものが評価されているということの証でしょう。クリーンでありながらアタックがしっかり再生されるこのアンプの特性は、アナログBBD搭載のコーラスとともに変化ありません。

JC-40登場!

 JCシリーズは、今までもいくつかのモデルが販売されていたこともありますが、最近はJC-120以外はラインナップにありませんでした。しかし、40周年記念(?)、40W仕様の「JC-40」がいよいよ発売になります。実際に弾いてみると、JC-120同様のキャラクターでありながら、JC120よりもやや中域にパワーを感じられるサウンドで好感が持てました。特に、歪み系エフェクターとの相性は抜群、どんなモデルを使ってもその特性をスポイルせずに再生できる印象です。特にBD-2系などとの組み合わせもオススメ!


JC-120の各コントローラーを踏襲していますが、エフェクト関係のスペックはやや異なっています。コーラス機能はJC-120の場合はパラメーターが固定なのですが、「MANUAL」というモードが追加されていて、【SPEED】と【DEPTH】で調整することも可能になっています。また、【DISTORTION】のサウンドはJC-120とは異なり、アンプライクなモダンな歪みが得られるようになっています。


僕がこのJC-40で特に気に入ったのは、インプットがステレオ入力が可能になったところです。ケーブルを1本追加するだけで、ディレイやリバーブなどのステレオ・エフェクターを1台のアンプで手軽に試せます。


昔の「PN-2」というモデルを使ってオート・パンを試してみました〜。


JC-40搭載のエフェクターのコントロールや、エフェクト・ループ、センド/リターンなど、リア・パネル側も充実。スイッチャーの"ES-8"と組み合わせたら、かなりいろいろなこともできそうです。これは、ライブでも使ってみたいアンプですね。11月7日から販売開始されるそうです。




JC-40のデモ・ビデオ

YouTubeなどで、この"JC-40"のデモ・ビデオが公開されていますが、このビデオの音楽制作も担当させていただきました。映像の中のプレーヤーは僕ではありませんが、実際はギターも僕が演奏しています。


某スタジオにて、自撮りならぬ「自録り」です。イヤモニ(Shure=SE535)でモニターしながら、ギターアンプの音を録るのにもすっかり慣れてきました。


この曲、ローランドさんからは「歪み系サウンドは使わないこと」、「リード・ギターは入れないこと」などと、厳しい条件(?)を頂いていたのですが、さすがのJCシリーズ、良い感じに仕上がったと思っています。テレキャス、ストラト、レスポールなど多くのギターを使い、"SL-20"のシーケンス風や"RE-20"の発振音なども交えてのレコーディング。ドラムとベース以外はギターパートだけでアレンジしています。その時にラフに撮影して頂いていた素材があったので、メイキング・ビデオ風の動画にしてみました。よかったらこちらもご覧ください。


2015年9月17日木曜日

技クラフト・シリーズのデモ・ビデオ公開!

ご無沙汰です。元気にしています。

おかげさまで、楽しくいろいろな仕事をさせて頂いています。今週からは執筆モードに入ってます。詳細が決まりましたら改めてご報告させていただきますね。

Waza Craft Series Demo

新規に5本のBOSSのデモ動画が公開されました。今回はその中の1本「Waza Craft Series」のデモ・ビデオをご紹介します。曲は昨年のイベントでは演奏していたものなんですが、「BD-2W」、「SD-1W」、「DM-2W」をフィーチャーして新たに録音しています。まずは動画をご覧ください。



このビデオ、前半はイメージ・ビデオ風ですが、後半ではフレーズごとにどんなエフェクター設定で演奏しているかがよくわかるような編集になっています(音声は同じです)。なかなか良いサウンドで録音できたと思っているのですが、いかがでしょうか?さすが、SD-1W & BD-2W、名機ですね。ちょいと解説してみましょう。

バッキングはブロンド(白)のストラトをBD-2Wに接続して「Blues Cube Artist 212」を鳴らしています。アンプはクリーン・チャンネルを使用。イントロだけDM-2Wを掛けています。DM-2Wらしいマイルドなディレイ音です。


前半のオブリ風のリードはギブソンのレスポール・カスタムをそのままBD-2WとDM-2Wを使用。BD-2Wの【GAIN】だけをやや上げ、バッキングと同様に「Blues Cube Artist 212」を使いました。特に苦労することも無く、図太いサウンドに録れました。録音にBlues Cubeを初めて使ってみましたが、BOSSの歪み系との相性は極めて良好です。

中盤からのリードは「サンバーストのストラト→SD-1W→DM-2W→マーシャル」というセッティング。マーシャルはリード・チャンネルを使い、この曲ではSD-1Wはブースター的に使っています。アンプ側が歪んでいるのにヒステリックな感じにならないのは、マイルドなSD-1Wとアナログ・ディレイのDM-2Wの組み合わせならでは、という部分にも注目して聴いてみてください。曲の最後にDM-2Wの発振音を入れたらイイ感じに仕上がりました。

撮影の裏側
いつもは、リハーサル・スタジオ的なところで撮影することが多いのですが、今回はレコーディング・スタジオのブース内に機材を置いての撮影。


音は僕自身が持ち込んだMacBook Proに直接録音。マイクの立て方もいつもとは違う方法で録ってみました。いつもはアンプの近くに立てた(オンマイク)ShureのSM-57をメインにほんの少しだけルーム・アンビエンス用マイクを混ぜる方法を採ってきたのですが、今回は音色によっては57の代わりにゼンハイザーのMD421を使いました。更に、オンにAKGのC414というコンデンサー・マイクの音も同時に録っておき、ミックス時に加えています。


撮影される被写体になりながら、自分で録音のオペレーションをするのは大変ではありましたが、非常に勉強になりました。


BOSSの新製品も続々と発売になっていますし、個人的にもブログに書きたいネタがいろいろと溜まっています。今後はボチボチ更新していくつもりなのでよろしくです!

2015年6月23日火曜日

SY-300〜発売直前レビュー

いよいよ今週末に発売されるギター・シンセサイザー=SY-300。従来のモデルとは異なり、GKピックアップを必要とせず、本体だけでシンセ・サウンドを楽しめる画期的な製品です。まずは僕が演奏を担当しているビデオをご覧ください。


ビデオで確認できるように、普通のギター奏法に全く問題無く追従します。コード演奏が可能なだけでなく、カッティングの空ピックも再生できますし、ピッキングの強さなどで音色がシームレスに変化していることに注目!しかもレーテンシーは全く感じられません。複数のオシレーターを重ねて発音させることもできるので、ビデオの冒頭のような「チュンチュン」としたシーケンサー風フレーズと、コード・サウンドを同時に鳴らすことが可能なんです。どうしてこのようなことが可能なのか、技術的なことは僕もわからないのですが、今までの常識が覆されてしまうような新鮮な弾き心地です。


「GR-55」はGK-3などのディバイデッド・ピックアップを使用して、各弦毎にピッチ検出を行い、内蔵のPCM音源をならす仕様。一方、「GP-10」は同様のピックアップを使って、モデリングされた多彩なギター・サウンドを楽しむことをメインとしたモデルです。それに対し、SY-300は通常のピックアップ搭載のギターを使いつつ、存在感のあるアナログ・シンセ風サウンドを手軽に楽しめる製品というわけです。

因みにこのビデオ、僕の自宅の作業部屋での「自撮り」なんです。本編はモノクロで良い感じの雰囲気に仕上がっていますが、実際は普通の部屋で普通に演奏・録音しています。事前にオリジナルのオケを作成し、本番に臨みました。


SY-300オフィシャル・サイト→http://jp.boss.info/products/sy-300/

SY-300の中身

それでは、SY-300のディスプレイを見ながら中身を見てみましょう。「SYNTH/FX」ボタンを押すと次のようなエディット画面に切り替わります。左側に【OSC】とありますが、これが「オシレーター」と呼ばれるセクションでここのパラメーターを変更することでさまざまな音色を作っていくことができます。3個のOSCを組み合わせてサウンドを構築することが可能です。

・オシレーター
各OSCでウェーブ・フォームを選択します。「正弦波」とか「矩形波」とかいうヤツですが、シンセサイザーの基本がわからないという方は、齋藤久師さんによる「GAIA」というシンセサイザーの解説を読んでみてはいかがでしょう。とてもわかりやすく書かれているので参考になると思います。以前、僕自身もこれでシンセの基本を理解することができました。


加えて、SY-300ではギター信号そのものをオシレーターとして利用することも可能になっています。(但し、ピッチ系パラメーターには制限あり)



・フィルター/アンプ
フィルターはシンセらしいサウンドに仕上げるには欠かせないパラメーターです。最もよく使われるのは【LPF(ローパス・フィルター)】でしょう。【CUTOFF】でカットするポイントを指定し、【RESO(レゾナンス)】でクセを強調します。


・LFO
これはギタリストでもわかると思います。周期的にパラメーターを動かすことで効果を得るためものですね。音量(=AMP)を周期的に変化させれば「トレモロ」とか。


・シーケンサー
自分で弾いた音をきっかけに、指定した音程でシーケンス・パターンを生成できます。勿論、テンポを変えることも他の楽器やDAWと同期して鳴らすことも可能です。バンドに機械的なフレーズを加えるのに打ってつけな機能。


・エフェクター
4系統のエフェクターを自在に組み合わせて使うことができます。実際には空間系は「CHO&DELAY」などのように複合エフェクトも何種類か搭載されているので、さらに多くのエフェクターを掛けられる仕様です。どのオシレーターにどのエフェクトを掛けるかのルーティングも自由自在です。


ユニークな「BLENDER」機能

「BLENDER」ボタンを押すと、既に存在するパッチのOSCを抜き出し、ランダムに組み合わせることができます。「AUTO」を使えば、まるでスロット・マシンのように勝手に組み合わせを選んでくれたりもします。偶然性を狙って次々に切り替えて音出しすることで、思いも寄らない奇抜なサウンドに出会えるかもしれません。こりゃ面白い!



他にも、GTシリーズでもお馴染みの、「ウェーブ・ペダル」などを含む多彩な「コントロール・アサイン」や、パッチごとに凝ったルーティングを設定可能なアウトプット・アサイン、可能性を拡張できるUSB/MIDI機能を搭載。さらには、PC/Mac用のエディター/ライブラリアンも用意されています。


よりギターに近い弾き心地でありながら、従来のギターとは全く異なったサウンドを作りだすことができるSY-300。PCMシンセの代用としてではなく、新しいギターサウンドを構築するためのツールとして使ってみてはどうでしょう?つまり、よりエフェクター的な発想でSY-300を使用することも可能なモデルと言えるでしょう。コンパクト・エフェクターやギターアンプと組み合わせたらさらに面白いかも。僕もこれからいろいろ実験してみるつもりです。