いよいよ、BOSSのGTシリーズのフラッグシップ・モデル=GT-1000が発表になりました。今回もプリセット・パッチの作成スタッフとして関わらせて頂いています。スペックのほうはすでにオフィシャル・サイトでも公開になっていますので、ここでは個人的なインプレを簡単にレポートしたいと思います。尚、まだ写真はNGとのことなので、公式の写真だけを転載しています。ご了承ください。
デザイン
写真よりも実物の方がもっとカッコ良く見えます。高級感溢れるデザインですし、ノブを操作した時の反応や質感も心地良い仕上がり。ディスプレイの視認性も良好です。GT-100よりも小さく、重量も軽くなっています。
新しくなったアンプ・サウンド
PRE AMPのパラメーター自体は、GT-100などから変化が無いように見えますが、サウンドは大きく異なります。シンプルなパラメーターで簡単に高品位なサウンドが得られるように設計されている印象。複雑なルーティングや設定は不要なので、アンプ・タイプを切り替えていくだけで目的のサウンドがすぐに得られます。Xを冠したアンプ・タイプも追加になっています。
スピーカー・シミュレーターも今までとは全く違う質感と弾き心地。96kHz32bitのオーディオ仕様は、サウンド自体には勿論、レーテンシー的にも解像度的にも良い影響を与えているように思えます。実際にDAWにライン録音してみると、文章で表現するのは難しいのですが、「音が“点”ではなく、“面”で聞こえる」ように感じます。EQ処理などもほとんど不要に思えます。
また、「アウトプット・セレクト」にも相当な研究がなされていて、あらゆるアンプに対して、適切に動作をするようになっているようです。(膨大な選択肢が用意されています)
新規搭載のエフェクト群
・歪み系:Xシリーズ的な歪みが追加されています。ブースターとしての使用時も、トーンの効き方が鋭いので柔軟に対応できます。A-DISTも残っています。
・コンプレッサー:これもXシリーズ的なコンプ・タイプが追加されています。守備範囲が広いので上品なサウンドから圧縮の強い音まで対応できます。
・3基のFX:今までのモデルでは2基しか使えなかったわけですが、1基増えるだけでこれほど可能性が拡がるとは思いませんでした。これまでできなかったことが確実に実現できます。
3基のディバイダーとミキサー:最初はどう使えばよいかわからなかったのですが、いろいろ触っている内にアイディアがどんどん出てくるようになりました。1個のパッチ内での切り替えだけでなく、エフェクターを並列して接続すると、こんなに面白い音が作れるのか!と実感しています。
4基のシンプルなディレイ:贅沢にディレイをあらゆる場所に接続できます。特定のディレイ音にだけエフェクトを掛けたり、エコーとして以外の使い方に大きな可能性を見いだせました。
多機能ディレイ&リバーブ:DD-500&RV-500的な効果を含めた、多機能ディレイ&リバーブも搭載。GTシリーズとしては初めてディレイとリバーブに「SHIMMER」が使えるようになったのも大きいですね。
FX系:モジュレーション系を中心にMD-500に搭載されているサウンドが追加。フェイザーやコーラスにもタイプが追加されています。個人的には「SLOW GEAR」が、どんなフレーズを弾いても反応が良くなっているところが嬉しかったですね。
拡張性
・2基のSEND/RETURN:外部のエフェクターを2台接続した、スイッチャー的な使い方も可能。ステレオ・エフェクターを使うこともできます。
・ステレオ2系統のアウトプット:ラインとアンプなど、状況に応じた複雑なルーティングが可能。AD-2やAD-10のような、「アコースティック・レゾナンス」も搭載されているので、アコギ用プリアンプとエレキ用エフェクターを1台で賄うような使い方も可能ですね。
・Bluetooth:スマホ用のアプリでワイヤレスでエディットできるのは便利そう。でも、本体だけでも簡単に操作できますけどね。
ユーザー・インターフェイス
これにも実に楽しくも便利に使えるさまざまな工夫が凝らされています。
・3基のCTLスイッチ:アサイン関係も充実しています。常時使えるCTL×3に加えて、「ナンバー・ペダル・スイッチ」的なアサイン(カレント・ナンバーにアサイン可能)、パッチセレクトやバンク・チェンジにも任意のアサインを行うことが可能です。
・LED表示:写真でわかるように、いろいろなカラーで表示することができますが、その色自体をユーザーが指定することもできます。「OD-1はイエローで、T-SCREAMはグリーン」などと設定すれば、アサインがどうなっているかもひと目で確認できそうです。
・ディスプレイの表示:プレイ・モード、エディット・モードのいずれの場合も、いくつかの表示画面を選ぶことができます。特に、エディット・モード時はエフェクト・チェインとエフェクト・パラメーターを同時に表示させることができるので、どのセクションのエフェクターを調整しているかを把握しやすいですね。逆に、エフェクターごとの多くのパラメーターを俯瞰できる画面も用意されています。
・STOMP BOX:これまでのGT-100などに搭載されていた「クイック・セッティング」は、設定を各エフェクトごとに保存することはできたのですが、呼び出し専用の機能でした。つまり、パッチ内に読み込んだあとは、パッチ・パラメーターとなってしまっていたのですが、GT-1000では保存したエフェクト設定を、コンパクト・エフェクターを組み合わせるように使えるようになりました。
文章にするのが難しいのですが、解説してみましょう。例えば、OD-1を使ったパッチを2個作り、片方にだけディレイを掛けたようなケースを想像してください。両方のOD-1の「DRIVE」を上げたい場合、これまではドライなパッチとディレイの掛かったパッチの両方のパラメーターを変更しなければならなかったのですが、この機能を使うと、STOMP BOXのOD-1のパラメーターを変更すると、そのSTOMP BOXを使用している全てのパッチのパラメーターが同時に修正されるのです。つまり、スイッチャーに接続したコンパクト・エフェクターのように内蔵のエフェクターを扱うことができる、のですが…、この説明でわかります?GT-100のユーザーなら、「プリアンプ・モード」という機能があるのをご存じの方もいると思いますが、それがすべてのエフェクターに対して設定できる機能に近いと思ってください(パッチ・モードと併用できるので、もっと高度な機能と言えますが)。これまでと同様に、各パッチに独立した設定を施すこともできます。
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他にも書かなければならないことが山ほどあるような気もしますが、本日はここまで。発売まではもう少し時間があるので、追加レポートもそのうちに書きますね。お楽しみに!
本当に気になります!GT1000!他のメーカーのハイエンドマルチはIR対応してますがGT1000はしてますか?
返信削除もうご存じかもしれませんが、アップデートによりIRに対応しました。返信遅れてしまい申し訳ありません。
削除早くGT-1000の教科書が発売されないかなぁ…
返信削除まだお話はありませんか?