2013年8月8日木曜日

ギターにも歴史あり〜76年製ストラト編

ギターを長期間保有していると、ピカピカの新品が使っている内に傷が付き、塗装が色褪せることで自分だけの楽器になっていくのを眺めることができます。ギターをボロくするだけなら簡単。日の当たる部屋にホコリを拭いたりせずに放置し、絶対に弾かないことです。でも、それでは風格のようなものは現れず、ただ汚くて鳴らない楽器になるだけ。ある程度、弾き込んでいくことで改めて愛着が沸いてくるものなんですよ。

1976年製のこのストラトは製作されてから37年が経っています。今回はどんなふうにこのギターが変化してきたかを写真でご覧頂きます。(購入したのは1978年です)

まずは、六本木ピット・インに初めて出た時の1981年頃の写真。写真の色に関してはカメラによる色味の違いや、ホワイトバランスの設定にもよるので単純に比較はできないのですが、この写真よりは白っぽかったような気がします。「カリフォルニア・ジャム」のディープ・パープルのライブでリッチー・ブラックモアが弾いていたような個体に似た色です。


これは「Equipment」ページの写真を拡大しただけのものですが…。ストラトは1977年にピックガードやピックアップ・カバー、ボリューム・ノブなどがブラック仕様に変更になったことはよく知られていますが、この個体はピックガードのみが黒。過渡期の仕様なのか前のオーナーがリストアしただけなのかは不明です。中古でしたがフレット周り以外は新品と変わらないルックスでした。70年代後半のアッシュ・ボディのモデルは重いといわれていますが、これは3.5kgと普通の重量です。(イナーシャ・ブロックやスプリングなどの金属部品を必要としないハードテール・モデルだからかも)


次は1991年頃に撮った写真。「My Guitars」にも書いていますが、88年頃にパーツのほとんどを載せ替えました。ピックアップはローパワーのフラットタイプ→ダンカンSSL-1、ペグはシャーラー製→クルーソン・タイプ、ジャンボ・フレットに打ち替え、サドルはダイキャスト型からプレス・タイプへ。


2002年頃。ボディの色味が変化して少しだけ黄ばみが。でも、傷はまだほとんどない、というか、この時点ではポリエステル塗装だから傷が付きにくいと思っていました。経年変化の少ないポリ塗装のほうがスペック的には上と思われるかもしれませんが、現在は安価なモデルはポリ、高価なものは基本的にラッカーが使用されています。PRSのように高価なモデルでもポリ塗装というブランドもありますけど。


そして現在の写真。


黄ばんだ、というよりもオレンジ化したストラト。爪で引っ掻いても傷が付かなかったはずのボディも、肘が当たる部分は擦り切れて木地が見えてきています。ラッカーのような経年変化は起きないと言われていたポリ塗装も、実はかなりの変化がでるものなんですね。


ヘッドの部分だけはラッカーが使用されていたという説もあり、確かに黄ばみは多めな感じ。白が残った指板とは対照的です。ポストの高いシャーラー製のペグが搭載されていたことから、3&4弦にもストリング・ガイドが付いてました。1&2弦の位置も変更されていますね。


これが、ネック・ジョイントを3点留めから4点留めに変えた部分。プレートもダンカン製に交換。シリアル・ナンバーは元の3点留めのプレートのほうに記載されていたように記憶していますが、手元にはパーツが残されていないので不明。


このギターはハード・テール仕様なので、背面のザグリがありません。買ったときはそんなことは気にしていなくて、フェンダーUSA製のストラトだったら何でも良かったんですけどね。


数十年後に、今使っているMacやiPhoneを持っていることはほぼ無いでしょうが、楽器に関しては、メンテさえしていればずっと現役で使えるのが良いところ。このギターは今でもライブの仕事には欠かせない、大切な1本なんです。

1992年のKANさんのライブ映像がYou Tubeにありました。間奏部で変色がそれほど進んでいないこのギターが映っています。(iPhoneでは見られないようです。スミマセン。)


2 件のコメント:

  1. 長年愛用したギターは説得力のある面構えをしていますね!やはり中野さんはこのギターが評価基準なのかな…

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    1. コメント、ありがとうございます!

      判断基準、そうかもしれませんね。一方、数本の楽器を併用することではじめてわかることも多いのです。他にも弾き込んだギターが何本かあるので、後日に紹介します。

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